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星野源 Teddy Pendergrass『Do Me』とヒゲダンスを語る

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星野源さんがニッポン放送『星野源のオールナイトニッポン』の中でテディ・ペンダーグラスの『Do Me』を紹介。さらにこの曲を元ネタにしたドリフのヒゲダンスについて話していました。



(星野源)曲を聞いて楽しくなりましょうよ。この曲をパクッた曲があります(笑)。この曲をパクッた曲は「ヒゲダンス」という曲です。みんなで一緒に聞こう。テディ・ペンダーグラスの『Do Me』です。どうぞ。

Teddy Pendergrass『Do Me』



僕が子供の頃、志村けんと加藤茶さんがヒゲダンスっていって、この曲を流しながら……この曲をアレンジした曲を流しながら、ダンスをしていて。僕もめちゃくちゃ踊っていたんですけども。



志村けんさんがソウル・ミュージックが大好きで、この曲を持っていって、「このフレーズでなんか作ってくれないか?」と言ったというエピソードが残っております。これ、「ヒゲダンスのテーマ」ってレコードも出ていたらしいんだけど……これ、クレジットがどうなっていたのか?っていうのが非常に気になります。そのへんのことが僕、よくわからないんですけど。お送りしたのはテディ・ペンダーグラスで『Do Me』でした。

<書き起こしおわり>

渡辺志保と荻上チキ Nonameを語る

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渡辺志保さんがTBSラジオ『荻上チキ Session-22』に出演。2018年注目の女性ラッパーを荻上チキさんと南部広美さんに紹介する中で、シカゴの女性ラッパーNonameについて話していました。


(南部広美)渡辺さんには2018年注目の女性ヒップホップアーティストを紹介していただいています。

(荻上チキ)というわけで、今夜の選曲は?

(渡辺志保)今夜はですね、イリノイ州シカゴで活動する女性ラッパーを紹介したいと思うんですけれども。ノーネームという名前の女性アーティストがおります。

(荻上チキ)ノーネームという名前なんですか?

(渡辺志保)そうです。「名前がない」という「ノーネーム(Noname)」。

(荻上チキ)「名無しさん」ってことですね。

(渡辺志保)「名無しさん、名無しちゃん」なんですけども。彼女はシカゴ出身で、いまもシカゴを拠点にしているんですけども。オバマ前大統領ももともとイリノイ州シカゴを中心に活動していたこともありまして、結構近年、シカゴに注目が集まることが多いんです。シカゴの音楽シーンも非常にいま、盛り上がっておりまして。今年のサマーソニックにも来るんですが、チャンス・ザ・ラッパーという若い、すごい社会活動なんかも盛んにしている若いラッパーの男の子がいるんですけども。



このノーネームもそのチャンス・ザ・ラッパーとと一緒に活動している女性アーティストなんですね。彼女はもともとラッパーではなくて詩人だったんですよ。で、アメリカではポエトリー・リーディングとかスポークン・ワードっていう風に言うんですけれども、詩の朗読会っていうのがイベントで、普通にバーとかで行われてるんですね。そういったところから出てきた女の子で、ラップを始め、サウンド・オケの部分に関しても、結構生楽器を多様するような、言ったらちょっとオーガニックというか、有機的なサウンドを自分の色にしている、そういった女性アーティストですね。歌詞の響き方も自分でも「私のラップは何を言ってるかわからなくてもいいの。捉え方が幾通りもあるから」っていう。なので、すごく散文詩的な詞の作り方なんですね。なので、そういった耳障りなんかも意識してぜひ聞いていただきたいなと思います。

(荻上チキ)それでは、曲紹介をお願いします。

(渡辺志保)ノーネームで『Casket Pretty』。

Noname『Casket Pretty』



(南部広美)ノーネームで『Casket Pretty』。

(渡辺志保)このタイトル『Casket Pretty』、「Casket」って「棺」を表す単語なんですね。亡くなった時に遺体を入れる棺。で、「Pretty」って「かわいい」っていう言葉ですけども。普通の英語の語法であれば「Pretty Casket」っていう風に言うんですけど、彼女はあえて逆にしていて。しかも、「棺・棺桶」と「Pretty」ってなかなか結びつかないワードでもあると思うんですけど、なぜ棺がかわいいのか? それは小さいからなんですよ。ということは、子供が亡くなった棺に関して彼女はここではラップをしてるんですね。

(荻上チキ)うん

(渡辺志保)なので、リリックの中にも「テディベアがあそこに落ちてる(teddy bear outside)」っていう描写があったりして。それだけで、1から10まで説明せずとも、そのテディベアを抱えていたような小さい子が、何かしらの形で亡くなってしまって、小さな棺に納められてるのかな?っていうところをリスナーとしては想起することができるんですね。冒頭に彼女はシカゴを中心に活動してるという風に言ったんですけれども、シカゴを表す言葉で、ひとつ「Chiraq(シャイラック)」っていう言葉があるんですね。「Cih」っていうのは「Chicago(シカゴ)」。「Chi-Town(シャイタウン)」っていう風に、シカゴのことを「Ch」って呼ぶ人がかなり多いんですけども。

(荻上チキ)ええ。

(渡辺志保)そのシカゴの「Chi」とイラク(Iraq)の「Raq」を組み合わせて「Chiraq」って風に言ってるんですね。なぜ、イラクが出てきたと言うと、本当に戦争が行われているイラクと同じぐらい、シカゴの町では毎日多くの人が銃で命を落としている。それぐらい犯罪が絶えないエリアなんだということを表す言葉で「Chiraq」という言葉があるんですけれども。

戦場のようなシカゴを表す言葉「Chiraq」



なので、ノーネームとしても、その小さな子供までが銃で命を奪われてしまう。そういった風景を、先ほど聞いていただいたような、ちょっと散文詩的な、かつ耳障りのいいような音楽でラップをしているという。そこがちょっと特徴的なアーティストですね。

(南部広美)街を映すんですね。すごい。ヒップホップって見えているものを描写するから、その土地その土地というのが、地域性みたいなのがすごい浮き上がる音楽だなっていう風にいま、改めて思いました。

(渡辺志保)そうなんです。地域性っていうのは本当にヒップホップにおいてもかなり重要なファクターですし、ニューヨーク……東海岸と西海岸では全然サウンドの内容も違ってきますし。南部には南部のスタイルもありますし。なので本当に地域ごとに区切って聞いていくっていうのもひとつ、面白い楽しみ方かなと思いますね。

(荻上チキ)やっぱりリプリゼント(Represent)っていう、何を代表し、何を表現するか?っていうのが自覚的じゃないと、足元を他のアーティストにすくわれるような、そういったようなステージでもありますからね。

(渡辺志保)そうですね。それはもう言い得て妙というか。その通りだと思います。

<書き起こしおわり>
渡辺志保 Noname『Diddy Bop』を語る
渡辺志保さんがblock.fm『INSIDE OUT』の中でシカゴのフィメールMC、ノーネームの『Diddy Bop』を紹介していました。 (渡辺志保)というわけで今日もエン...

ジェーン・スー悩み相談「応援しているバンドに人気が出て寂しい」

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ジェーン・スーさんがTBSラジオ『生活は踊る』の悩み相談コーナーの中で、リスナーの「応援しているバンドが人気が出て、ライブ会場が大規模になったためにあまり近くで見れなくなり、寂しい」という相談に対して回答をしていました。



(長峰由紀)今日は通算1072件目。女性からの相談です。「スーさん、長峰さん、こんにちは。私はとあるバンドのファンです。デビュー当時からライブに通い、メンバーに顔を覚えてもらうまでになりました。まだデビュー数年のため、ライブ会場の規模が小さく、メンバーの額の汗が見えるくらいの距離でライブを楽しんできました。年月とともにファンも増え、会場の規模も徐々に大きくなっていましたが、幸運なことにチケットを運に恵まれ、これまで前から5列目より後ろで見たことはありません。が、ついにこれまでで最大規模の会場でコンサートを行うことが発表されました。

東京ドームなどに比べれば、まだまだ小さな会場ですが、いままでのようにメンバーと目を合わせて歌うような楽しみはなくなってしまいます。歌手であれば、大きな会場でたくさんのお客さんの前で演奏することが夢でしょうし、喜んでいるだろうメンバーのことを思うと、お祝いしたい気持ちはあります。が、それと同じくらい悲しいのです。もうこれからは、私がコンサートに行っても行かなくても、メンバーにはわからず、『ああ、今日も来てくれたね!』と目で挨拶を交わすこともないのかと思うと、寂しくてたまりません。

どんな会場であっても、彼らの音楽は素晴らしいし、きっと楽しいコンサートをしてくれると思うのですが、気がついてもらえないなんて。近くで見られないなんて。あの一体感が味わえないなんて。と、思ってしまう気持ちを拭えません。また、そんなことを考えてしまう自分はファン失格だと落ち込んでしまいます。どんどん人気バンドに成長している彼らの成功を素直に喜び、会場が大きくなってもコンサートを楽しむにはどうしたらいいでしょうか? くだらない相談ですがアドバイスをいただけますと幸いです」。

(ジェーン・スー)なるほど。お気持ちはわかりますが……っていう。「認知厨」って呼ばれるやつですね。

(長峰由紀)なんですか、それ?

認知厨

(ジェーン・スー)アイドルのファンなんかで、たとえば女性がアイドル、男性がファンの場合……まあ、女性のファンもいらっしゃいますけどね。「接触」と呼ばれる、いわゆる握手だったりお渡し会みたいなのがあるんですよ。

(長峰由紀)ありますね。

(ジェーン・スー)そういうところで、自分のことを覚えてもらってるかどうかっていうことが、何よりも気になる人のこと。それを「認知厨」というんですけれども。まあ認知厨の一環ですね。これ、何が目的だだんだんわかってこなくなる。でも、こういう人のことを「どうせ、音楽じゃなくて認識してもらいたいっていうだけでしょ?」って揶揄するのは簡単だからね。だけど、逆に言うと気持ちも分かるしねっていうね。

(長峰由紀)そうですね。

(ジェーン・スー)新しいファンがさ、バーッと入ってきた時に、いままでのルールとかムードが壊れるの間違いなくあるわけじゃないですか。で、自分より好きになった人が自分よりもちょっと知っている振りをしたりすると、その古参っていうんですか? 古参がちょっと言いたくなったりとかね。気持ちはわかる。気持ちはわかるけど、さあどうしよう?

(長峰由紀)スーさんはわかる。音楽とかも詳しいし。

(ジェーン・スー)まあ、「お気持ちはわかるし、お察しします」っていう感じなんですけど、まあでもね、これ……私は逆転の発想で。「どんどん人気バンドに成長している彼らの成功を素直に喜び、会場が大きくなってもコンサートを楽し”まない”」っていう……。

(長峰由紀)どういうことですか?(笑)。

(ジェーン・スー)つまりですね、「心の親方」ってよくおっしゃってますけども。

(長峰由紀)はい。私が。

(ジェーン・スー)相撲を例にたとえておっしゃってますが。私の場合は、もう「心のパトロン」みたいなもんで。ライブハウスで客が3人ぐらいしかいないバンドをどんどん、かたっぱしから見つけていって。その客がどんどん増えてく。「増員までが私の仕事」みたいな。

(長峰由紀)ああ、そのあたりまで育てるっていうことね?

「増員までが私の仕事」

(ジェーン・スー)なんか、地上に上がったら「もう私の仕事は終わりだわ」って言って、次の若手を探して。なんか知らないけど、5年後、10年後に売れたバンド全員が「あっ! 俺のところにもあの人、いたんだよ」「俺のところにもいたんだよ」って。「あの人が来ていると売れる」みたいな存在に。

(長峰由紀)すごい! もう伝説になるわけ? 伝説心の親方みたいになるんだ。

(ジェーン・スー)そうそうそう。っていうのを逆に目指せば? とも思ったんですけど。

(長峰由紀)じゃあ、このバンドに対してはちょっとここらへんで……。

(ジェーン・スー)卒業。

(長峰由紀)次へ行くと。その発想は私にはなかったな。

(ジェーン・スー)親方はいかがですか?

心の親方・長峰由紀の体験

(長峰由紀)私はね、この相談者さんの気持ちはすごいよくわかって。「ひと仕事終えたね」って肩を叩いてあげたい気持ちがすごくしたの。というのは私もね、心で育ててきた石浦関。あの序二段とか三段目の頃なんてね、館内は人、まばらなんですよ。静かなんですよ。そこで本当に私も、「私一人が彼を見つめて育ててる」っていう、すごく幸せな時間を過ごしてきたの。でも、どんどん彼が力をつけていって。どんどん上がって十両、幕の内といって、ふと気がついた時に彼が大歓声を浴びてたわけ。で、その時に……寂しかった! それで……。

(ジェーン・スー)「私なんかがいなくても、いいんだ」って思っちゃうわけですね。

(長峰由紀)本当になんか、心の土俵にひとりぼっちで取り残されて、彼が巣立っていったような気持ちになって。だけど、私は相談者さんと違うところは、「ちょっと待てよ。私が目指していたのはこの歓声だろ? この声援だろ? そこまで成長することを待っていたんだろ?」と。それで、涙を拭いたの。

(ジェーン・スー)フフフ(笑)。拭きました?

(長峰由紀)で、「ひと仕事」ってさっき言ったけど、ニ仕事目に着手したの。

(ジェーン・スー)由紀はニ仕事目に着手した! 具体的になにをやったんですか?

(長峰由紀)それはなにか?っていうと、さらに上を目指す。で、技術的指導をすることにしたの。

(ジェーン・スー)なにを言ってるの?

(長峰由紀)フフフ(笑)。あの、ダメ出しをするハードルを上げていって、もっと強くなるために、どうしたら負けないのか?っていうことを。いままではただ「がんばれ、がんばれ!」だったのが、本当の親方になれた気がしたの。

(ジェーン・スー)これからは、ここをもっとこうした方がいいよと。

(長峰由紀)そう。だから音楽でしょう? もっと音楽性を高めるため、実力のあるバンドになるためにどうしたらいいのか? 一緒に考えたらどうなのよ?

(ジェーン・スー)「一緒に考える」ってどういうこと?

(長峰由紀)心の中で、ですよ。

(ジェーン・スー)全ては心の中で。

(長峰由紀)だから「見つめてくれなくなった」とか「目と目を合わせてくれなかった」っていうのは私には最初からない。

(ジェーン・スー)まあ、そうですよね。

(長峰由紀)見返りを求めてないもん。

(ジェーン・スー)やっぱりね、人間居場所がほしいんですよ。全ての悩みはそうだなって最近、よーくわかってきて。居場所があるかないかで生き死ににもかかわるぐらい、人間にとっては大事なことだと思うんですよ。っていうのは、他者がいないと自分って認識できないでしょう?

(長峰由紀)そうですね。他人によって。

(ジェーン・スー)で、他者と自分の間にしか自分って成立しないんですよ。存在しないんですよ。だから、長峰さんと私の間にいる私と、堀井さんと私の間にいる私っていうのは別人で。他者がいることによって自己の存在っていうのが立ち上ってくるわけですから。それがなくなっちゃうのが寂しいという気持ちもわからいでもない。

(長峰由紀)だけど、心の中にはいるんですよ。その心、さらに育てていくっていう風にいかないのかな?

(ジェーン・スー)直接の接点がないっていう……。

(長峰由紀)でも、見られるじゃない。目の前に生きたその人が、好きなことをやって輝いているわけでしょう? それでは、ダメなの?

(ジェーン・スー)自分も楽しませてもらっているしね。だからちょっとやっぱり……寂しいんだよね。いまね。単純に。

(長峰由紀)だからそこを乗り越えたよね。私も。

(ジェーン・スー)そうね。だから、このバンドを石浦とすると……長峰さんになれるかどうか?っていう。

(長峰由紀)そうね。で、やっぱり仕事は終わらないもん。

(ジェーン・スー)フフフ(笑)。親方としての仕事は(笑)。

(長峰由紀)彼が引退するまで、私の親方の仕事は終わらない!

(ジェーン・スー)「心の断髪式」とかありそうですね。

(長峰由紀)切るよ!(キッパリ)。

(ジェーン・スー)フハハハハッ!

(長峰由紀)もちろん、心で切りに行きますよ。最後に。最後に切る。

(ジェーン・スー)そうか。ちょっと相談者さんも……心の断髪式まで(笑)。まあ、どういうバンドかわからないですけどね。ちょっといろいろと心で育ててみるか、または新しい青田刈りをするか。

(長峰由紀)そう。スーさんのそっちは現実的でいいと思う(笑)。

(ジェーン・スー)いえいえ。どちらかお好きな方を選んでみてはいかがでしょう?

(中略)

(長峰由紀)時刻は12時18分。この後は、すすめて小森谷さん!

(小森谷徹)僕はこの相談者さんが応援しているバンドみたいにすごい大きな会場でやったわけじゃないけど、小劇場という、本当に目の前にお客さんがいて、汗がお互いに飛び散るようなところでお芝居をやっていたから。そういう毎回来てくれる目の前のファンの方ってよく覚えているんですよ。で、そういう方と帰りに出待ちっていってね、楽屋口のところで待っていてくれてちょっとお話をしたりとかっていうのも楽しい一時だったりして。それがたとえばだんだん大きい会場になって、そのファンの方の顔もちょっと離れて見えないような会場になったとしても、そういう方がいるのってわかりますよ。

(ジェーン・スー)ああ、そう?

(小森谷徹)結構遠くまでわかる。もちろんドーム公演やってそのドームの外野席にいるのはわからないかもしれないけどさ。だったり、あとはたとえば出待ちしていてね。忙しくなってもバスにババッと乗り込んでいったとしても、その一瞬でやっぱりわかるものだから、応援を僕は続けてあげたらいいと思うし。それから、たしかに親方になったつもりで、今後はこういう音楽性になったらいいんじゃないか、みたいに考えるのも大事だよ。

(長峰由紀)勝手にね(笑)。

(小森谷徹)そうそう。ただ、気分を変えることが大事ですよね。いつも同じように小さいライブハウスで一緒にやっているのから、少し自分は引いた、大人の余裕だということで。だからやっぱりコーヒーでも一杯飲みながら……ブルックスのコーヒーとかを入れちゃってさ。

<書き起こしおわり>

荒川良々 安住紳一郎の心の闇を語る

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皆川猿時さんと荒川良々さんがTBSラジオ『日曜天国』にゲスト出演。安住紳一郎さんの心の闇などについて話していました。


(安住紳一郎)それでは、今日のゲストです。俳優、皆川猿時さん、荒川良々さんのお二人です。おはようございます。

(皆川・荒川)おはようございます。

(安住紳一郎)舞台、映画、テレビドラマなどで活躍のお二人ということで。お二人が揃うと迫力がありますね(笑)。

(中澤有美子)本当ですね。

(皆川猿時)ああ、そうですか?

(荒川良々)地味な方ですよね。我々はね。

(安住紳一郎)フハハハハッ! お二人が揃うと、やっぱり『あまちゃん』の印象が強いかもしれないですね。皆川さんは潜水土木科の先生、磯野心平さん。荒川さんは副駅長、吉田正義役。皆川さん、意外に顔が小さいんですね。

(皆川猿時)ああ、本当ですか? あんまり……ねえ。

(荒川良々)今日は小さいよ。

(皆川猿時)今日、小さい方?

(安住・中澤)フフフ(笑)。

(皆川猿時)結構でも、顔はデカい方ですよ。

(安住紳一郎)そうですか? いや、本当に失礼な話で申し訳ないですけど、体は大きいですもんね。

(皆川猿時)体はいま、105キロありますからね。

(荒川良々)体が大きくなったから、顔がちっちゃくなったんじゃない?

(皆川猿時)ああ、だから顔が。そういう効果が……。

(安住紳一郎)フフフ(笑)。すいません、なんか初対面で(笑)。

(皆川猿時)いやいや、安住さんもいい男ですね。

(安住紳一郎)いやいや、やめてくださいよ!(笑)。改めて、プロフィールをみなさんにお伝えします。皆川猿時さんは1971年。昭和46年生まれ。福島県いわき市のご出身です。1994年に大人計画に参加。パンクコントバンド ブループ魂のMCを担当する港カヲルとしても活躍されてらっしゃいます。

(皆川猿時)はい。

(安住紳一郎)そして、荒川良々さんは1974年、昭和49年生まれ。44才。佐賀県小城市のご出身です。1998年、大人計画に参加。独特の存在感ある演技で数多くの映画、ドラマ、テレビコマーシャルで活躍をされています。おなじ大人計画。松尾スズキさんの劇団にいらっしゃって、皆川さんの方が先輩になるということですね?

(皆川猿時)そうですね。4年先輩なんですかね。

(荒川良々)歳もちょうど……?

(皆川猿時)ええと、3才違いなんですよ。うちの奥さんと全く同じ日に生まれているんで。

(安住紳一郎)荒川さんが?

(荒川良々)生年月日が全く一緒です。血液型もですよね?

(皆川猿時)そうそう。なんか変な気持ちですよね。

(安住紳一郎)フフフ(笑)。相性がいいってことじゃないですかね?

(荒川良々)どうなんですかね? でもまだ、僕はそういうのをやったことがないんでわからないですけども。

(皆川猿時)どういうことだよ?(笑)。

(荒川良々)いや、「相性がいい」って言われたから……。

(皆川猿時)下ネタでしょう、いまの?

(安住紳一郎)いやいや、違いますよ!

(皆川猿時)あ、違うんですか? そういうことじゃないんですね?

(安住紳一郎)なんで「相性」って言ったらそっちになるんですか?

(皆川猿時)いやいや、そういうことなのかなって。

(荒川良々)そういう感じで……。もう目の奥がそういう感じになってましたから。

(安住紳一郎)なってませんよ! 荒川さん! 荒川さんはすぐに私のことを……。

(中澤有美子)アハハハハッ!

(荒川良々)いやいや、そんなことはないですよ。歳が一緒なんですよね?

(安住紳一郎)荒川良々さんと。

(皆川猿時)ああ、そうなんですか?

(安住紳一郎)そうなんですよ。ええ。いっつも会うと、「安住さん、黒いもの溜まっているねえ!」って。

(中澤有美子)見えちゃうんですね(笑)。

(荒川良々)そうですよ。

(皆川猿時)僕、安住さんとはじめてなんで、荒川くんに「どんな方?」って言ったら、「すごい闇を持った方です」って……。

(安住紳一郎)フハハハハッ!

安住紳一郎はすごい闇を持った人

(荒川良々)だから、「休みの日になにをされているんですか?」とかって聞いたら、「いや、なにもしていない」って。いまだにずっと家にいるんですか?

(安住紳一郎)そうですね。ずっと家でテレビ見たり、DVDを見たり、パソコンを見たり、本を読んだり……。

(荒川良々)外に出ないんですよね。

(安住紳一郎)外はほとんど出ないですね。

(皆川猿時)へー。

(荒川良々)それは、声をかけられるのが嫌?

(安住紳一郎)そういうわけじゃないんですけど……なんか1人で家で。

(皆川猿時)人間が嫌いとかじゃなくて?

(安住紳一郎)あ、比較的そちらに近いと思います。

(荒川良々)こういうことばっかり言うんですよ。「いやだな」って思って。

(皆川猿時)フハハハハッ!

(安住紳一郎)だいたい、他の人と接するとうらやましがるか、見下すかのどっちかっていう(笑)。最悪……(笑)。

(荒川良々)ああ、そうなですね。

(皆川猿時)本当だ、最悪ですね(笑)。

(安住紳一郎)本っ当にだからこの仕事、向いていると思っちゃって(笑)。こんな話をするんじゃないですよ。

(荒川良々)そうですよね。すいません……。

(安住紳一郎)皆川さんは大人計画にはどういうことで参加することになるんですか?

(皆川猿時)最初は18で出てきたんですけど、東京乾電池というところの研究生だったんですよ。

(安住紳一郎)ああ、そうですか。

(皆川猿時)そんで1年間、何かしらを研究するんですけど。その時の先生が岩松了さんっていう方で。その人に失礼な態度をとったらスリッパで殴られて。「もう田舎に帰れ!」って言われて、結局残れなかったんですよ。

(安住紳一郎)その東京乾電池には。

(皆川猿時)それで、その頃から大人計画をお客さんで見ていて。で、23の時にオーディションを受けたんですね。

(安住紳一郎)はー! それで、オーディションで合格ということで、一緒にやりましょうと。皆川さんはずーっと中学生、高校生の頃は演劇をやってらっしゃったんですか?

(皆川猿時)いや、全くやっていなかったです。僕、ずっとバスケ部で。小中高と。それで結構モテたんですけど。結構痩せていたから。で、顔も昔の二枚目みたいな感じでしょう?

(荒川良々)全盛期の谷隼人みたいな顔ですよね。

(安住紳一郎)そうですよね。ちょっと顔が濃いですね。眉毛があって。

(皆川猿時)谷隼人? そうか。

(中澤有美子)藤岡弘、さんとか。

(安住紳一郎)皆川さんは誰だと思っていたんですか?

(皆川猿時)えっ、僕? 少年隊のカッちゃん。

(安住紳一郎)ああ、植草さん。たしかに。

(皆川猿時)恥ずかしいね、自分で言うの(笑)。それで当時、渡辺美奈代さんのファンだったんですよ。おニャン子クラブの。それでたぶん、そういう業界に入れば会えるんじゃないか?っていうことで、まあ役者を目指したんですけどね。

(安住紳一郎)そうですか。渡辺美奈代さんに会いたくて。時代ですね。

(皆川猿時)でも、会えましたよ。31ぐらいの時に、2時間ドラマで。だから夢は叶ったんで、いまは余生みたいな感じで。

(安住・中澤)フハハハハッ!

(安住紳一郎)ちょっと力の抜けたところを感じるのは、もう夢を叶えてしまったという?

(皆川猿時)あとはダラダラしてるだけです。

(安住紳一郎)渡辺美奈代さん、よかったですよね。おニャン子クラブ。

(中澤有美子)かわいかった! いまもかわいい。

(荒川良々)いまも。すごいですよね。なんか、ちょっと歳の……あ、いやいや。

(皆川猿時)なんだよ!

(荒川良々)いやいや、生放送だから、言葉を選んで。ねえ。おきれい。

(皆川猿時)いま息子さんと一緒に出てますよね。

(安住紳一郎)そうですよね。会員番号32番。

(皆川猿時)うーん。何番だか忘れちゃいましたね。

(安住紳一郎)ひ、ひどい(笑)。

(荒川良々)「エロかわいい」の走りみたいなもんじゃないかな? 違うのかな?

(皆川猿時)写真集も出していたしね。

(安住紳一郎)荒川さん、生放送なんで言葉を選びに選んで、時間をおいてその感想をようやくひねり出したんですか?

(中澤有美子)満を持して。

(荒川良々)エロかわいい。

(皆川猿時)エロかわいいですよね。

(荒川良々)褒め言葉ですね。

(安住紳一郎)フフフ(笑)。荒川良々さんはご実家が呉服屋さんで。

(荒川良々)そうなんですよ。

(安住紳一郎)で、大人計画に合流するのは?

大人計画加入

(荒川良々)僕は松尾さんが本を書く芝居があったんですけど。演出は違う方で。それのオムニバスの芝居で、1回こっきりみたいな芝居があったんですけど、それのオーディションに受かったんですよね。

(安住紳一郎)オーディションはどういうことをやるんですか?

(荒川良々)僕らの時はなんだっけな? なんか、一次審査が本読みで、二次審査がエチュードっていう即興芝居だったんですけど。その時、「エチュードやってもらう」って言っていたけど、エチュードの意味もわからないじゃないですか。でもまあ、前の人がやるから、「ああ、こういう設定を言われてやるんだ」っていうのでやりましたね。

(安住紳一郎)ほとんど経験なく?

(荒川良々)そう。なにから経験はないです。

(安住紳一郎)よく出来ましたね?

(荒川良々)なんか、やらなきゃと思ったんでしょうね。

(安住紳一郎)気持ちひとつで。なんとか気に入られたいというか、認められたいというか(笑)。

(荒川良々)いや、わからない。でも、その後に「松尾さん、なんでこのメンバーを選んだんですか?」「顔だ」って言ってました。だから別に芝居とかじゃなかったんでしょうね。顔が面白い人を選んだのかな?っていう。

(安住紳一郎)たしかに、でも荒川さんはいま、唯一無二の俳優でしょうから。

(荒川良々)えっ、バカにしてます?

(安住紳一郎)バカにしてないです!

(荒川良々)唯一無二って……。

(安住紳一郎)ちょっと言い過ぎたなとは思ったんですけども(笑)。

(荒川良々)そうでしょう? そんなこと思ってないでしょう?

(安住紳一郎)フフフ(笑)。

(皆川猿時)荒川くんは最初から面白かったんですよ。それで、僕はその時に先輩風を吹かしていたんで。「荒川くんは面白いけど、荒川くんみたいな人って絶対にCMに出れないから」って言ったら、すっごいバンバン出ていて。最近、荒川くんに「どうやったらCMに出れるの?」って聞いていて(笑)。相談したことありますよ。すんごい恥ずかしかった。

(中澤有美子)アハハハハッ!

(荒川良々)「監督みたいな人と知り合いなの?」って言ってましたね。

(中澤有美子)リアル(笑)。

(荒川良々)知り合いじゃないですよ。

(皆川猿時)恥ずかしかった……。

(安住紳一郎)皆川さん、コマーシャルに出たいんですよね?

(皆川猿時)出たいですよ。やっぱりお金がほしいですからね。

(中澤有美子)もう時間の問題だと思います。

(安住紳一郎)で、荒川さんに「どうやったらCMに出られるの?」って聞いて、荒川さんはなんて答えたんですか? 皆川先輩には。

(荒川良々)「宝くじみたいなもんじゃないですか?」っつって。

(一同)フハハハハッ!

(皆川猿時)そんな、ねえ……(笑)。

(安住紳一郎)恥を忍んで聞いたのに、ねえ。ちょっとね。

(皆川猿時)フワッとした回答しか来なかったですね。「そうか……」なんて納得してね(笑)。

(安住紳一郎)皆川猿時さんはオーディションはどういうものだったか、覚えていますか?

(皆川猿時)僕の時は、なんか自己PRみたいなのをして。そんで、演歌をかけられて、それで適当に踊れみたいなのがあって。あと、水着審査っていうのがありました。それでその、水着を忘れたSMの女王様が「忘れちゃったんで……」っつっておもむろに脱いだら黒い上下の下着だったんですよ。そんで、「やっぱり下着ってよくないな。水着と言われているのに下着はよくないな」って思いましたね。

(安住紳一郎)アハハハハッ!

(皆川猿時)その人、その時にすごい風邪を引いていたみたいで。「すごくいま高熱があって辛いんです……」とかその人が言ってました。……なに言ってるんだろう?

(中澤有美子)フフフ(笑)。

(皆川猿時)結構いろんな人がいましたよ。やっぱり。

(安住紳一郎)皆川さんはその時、でもその中から選ばれたということで。

(皆川猿時)うん。なんかだいたい選ばれたんですよね。

(荒川良々)人数も、そんなあれだったから。

(中澤有美子)じゃあ、そのSMの方も選ばれて?

(皆川猿時)その方は選ばれなかったですね。やっぱりダメなんでしょうね。水着だって言っているのに、下着になったから(笑)。

(安住紳一郎)アハハハハッ! 結構記憶に残りますね。それは。

(皆川猿時)やっぱりね、鮮明に覚えてますね。ああいうのって。

(安住紳一郎)「風邪引いて、ちょっと熱が出ているんです」って(笑)。

(皆川猿時)うんうん。そんなね、自分のことばっかり言っているも……忘れられないですね。

(中略)

(安住紳一郎)荒川良々さんは来週のTBSテレビの『A Studio』にご出演ということで。こちらの放送も楽しみにしたいと思います。

(荒川良々)やっぱり、鶴瓶さんはふとした時の目が怖いですね。やっぱりね、あんな……嘘だなと思って。『家族に乾杯』とか見ていたら。

(皆川猿時)ちょっとやめましょうか? 大丈夫?

(荒川良々)いやいや、怖いなと思って。

(皆川猿時)安住さんと目、どっちが怖い?

(荒川良々)いやー……あっちはメガネをかけているから。ちょっと見えないから。安住さんはもうちょっと、裏になにかある感じがあります。たぶん守護霊さまかなにかが悪いのか、わからないけど。

(中澤有美子)フハハハハッ!

(安住紳一郎)表面的にはまだセーフなんでしょう? 私の方がね。

(荒川良々)まだ大丈夫。でも裏にそういうオーラみたいなものが。首ぐらいからスーッとなんか、こう。うん。

(安住紳一郎)フフフ(笑)。お話を聞いていてわかると思うんですけど、本当にみなさんが大事にしなきゃいけない芸能界の俳優お二人だということはおわかりいただいたと思いますので。お二人が主演している舞台もみなさん、ぜひかけつけていただきたいと思います。

<書き起こしおわり>

皆川猿時と荒川良々と安住紳一郎 気功と銭湯とウサギを語る

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皆川猿時さんと荒川良々さんがTBSラジオ『日曜天国』にゲスト出演。安住紳一郎と気功や銭湯・サウナ、ウサギなどについて話していました。


(安住紳一郎)さて、今日は皆川猿時さん、荒川良々さんにこのテーマでお話いただきます。好きなんだけど、ちょっと気になること。まずは一気にご紹介します。好きなんだけどちょっと気になること。その1、気功ってなんなの? その2、銭湯ってなんなの? その3、ウサギってなんなの? 以上の3つです。さて、まずひとつめは「気功ってなんなの?」という。これは?

(皆川猿時)これは、僕ですね。

(安住紳一郎)皆川猿時さん。

(皆川猿時)なんか、中国の療法で気功ってあるじゃないですか。で、僕は105キロなんで、ちょっと無理するとすぐに膝が痛くなったり、腰が痛くなったりするんですよ。で、近所の鍼とかに通ったりもしているんですけど、あんまりよくならなくて。そしたら、先輩の池津祥子さんっていう人に気功を紹介してもらって、行ったんですよ。そしたら、右膝が痛くてジャンプできないような状態だったんですけど、本当に一発で治っちゃって。

(安住紳一郎)一発で? はー! 実際にどういう風にやるんですか?

気功のすごさ

(皆川猿時)なんかね、すごい先生がいて。その先生が登場する前に助手の人がマッサージしてくれるんですけど。で、マッサージした後に、先生がいらっしゃって。で、なんか痛いところをさするみたいな。それで、「ちょっと待ってね」って白い布をかぶせられて、「5分ぐらいじっとしていて」って言われて。で、また戻ってきてさすったら、もう治っているみたいな。

(安住紳一郎)ええーっ!

(安住紳一郎)顔にかぶせている間になにかされたってことですか?

(皆川猿時)わからない。で、すごいのが、骨折した人とかも痛みが取れちゃうみたいな。

(安住紳一郎)へー!

(皆川猿時)でもそれっておかしいじゃないですか。骨が折れて離れているのに、痛みだけなくなるみたいな。で、「これ、本当に大丈夫かな?」っていう半信半疑なんですけど、でもすごく自分には合っているなっていう。

(安住紳一郎)皆川さんはそれで、痛みが取れた?

(皆川猿時)取れましたね。

(安住紳一郎)ええーっ! 失礼ですが、それで施術料金はおいくらなんですか?

(皆川猿時)いや、安いんですよ。1時間で5千円ぐらい。

(安住紳一郎)へー。

(皆川猿時)だから普通のマッサージよりも若干安めみたいな。

(安住紳一郎)そうですか。でも、なんですかね? 催眠みたいなことなんですかね?

(皆川猿時)それもあるんじゃないですかね。結構あるんですよ。僕、そういうのが好きで。赤坂にも気功のところがあるんですよ。有名なところが。そこはね、僕は合わなかったです。

(荒川良々)それ、僕も行ったけど、なんかやっている最中は「あっ、ちょっと楽になったな」って思うけど、出た瞬間に「やっぱり治ってないな」みたいな。

(安住・中澤)フハハハハッ!

(皆川猿時)その先生も、「どう? 楽になったでしょう?」って5回ぐらい聞くんですよ。だから「そうでもない」ってなっていても、なんか正直面倒くさくなってきちゃって、ねえ。もう最後は「はい、楽になりました」っつって。

(荒川良々)言うしかないですよね。

(安住・中澤)フハハハハッ!

(皆川猿時)そんなでもなかったっていうね。でも、僕が最近行っているところは本当にすごいです。

(安住紳一郎)ああ、そうですか。中国の方なんですか?

(皆川猿時)中国の方ですね。片言の方で小声なんで、基本なにを言っているのかわからないんですけど。

(一同)フハハハハッ!

(皆川猿時)「えっ、えっ?」って。なんかそれもね、いいのかもしれないです。

(荒川良々)ああ、全部がそういう。

(安住紳一郎)ありますよね。そういう、ちょっとそこの雰囲気に飲まれた挙句、結構自分に合っちゃうっていう。

(皆川猿時)ええ、ええ。フフフ(笑)。

(安住紳一郎)皆川さんらしいですよね。

(皆川猿時)うん、なんか大好きですね。気功が。

(安住紳一郎)さて、2つ目ですけども、今度は「銭湯ってなんなの?」。これは荒川良々さん。

お気に入りの銭湯

(荒川良々)はい。これは僕ですね。僕、だいたい休みの前の日なんてお酒を飲んじゃって。二日酔いでだいたい銭湯に行くんですけど。で、僕の行くところはサウナがついているんです。で、サウナがあって、しかもそこ、東中野にあるんですけど、プールがついているんです。まあ、プールっつっても4メートルぐらいかな?

(安住紳一郎)ああ、お湯じゃなくて?

(荒川良々)お湯じゃないです。もう外です。

(安住紳一郎)外? へー!

(荒川良々)外に4メートルぐらいのプールがついていて。それで、サウナに入って、水風呂もあるんですけど、そのプールに入るっていうのが……やっぱり素っ裸でプールに潜ったりするのって非常に気持ちいいなと思ってね。

(安住紳一郎)そうですね。

(荒川良々)あと、だいたいそのサウナが3時ぐらいから開くんで、土曜日とか3時ぐらいにいくとだいたいみんな常連さんみたいな感じで。で、「ああ、どうも」みたいな。そういう知らない人とあまり話すこと、ないじゃないですか。それで、話しかけたり。「ああ、どうもこんちは」「おお、久しぶりだね」とか言われて。なんか……胸に梵字の入れ墨いれている人とか「なに……この人?」って。

(皆川猿時)ああ、そうか。銭湯はいいんだもんね。

(荒川良々)そう。銭湯はいいんですよね。やっぱり健康ランドとかはダメですけど。でも、そういう人はなかなか話す機会もないじゃないですか。裸だし。向こうも別になにも隠していないわけですからね。

(安住紳一郎)そうですね。

(皆川猿時)武器持っているわけでもないし。

(荒川良々)そういう人と話すのとか、「ああっ」って思いますね。

(安住紳一郎)ちょっとお互い、地域住民の1人として普段触れ合わない人と向き合う感じが……。

(荒川良々)そうですね。あんまりそういう機会、ないじゃないですか。銭湯とかで話すのとか……だいたい女子ゴルフばっかりやっているんですよ。テレビがついていて。

(安住紳一郎)テレビが(笑)。

(荒川良々)なんで……「やっぱりみんな好きなんだな、女子ゴルフ」って思って。

(皆川猿時)なんだろうね? どういう気持ちで見ているんだろうね? 男の人ってね。女子ゴルフとか。

(荒川良々)わかんない。なんでしょうね? 女子ゴルフを見る気持ちって……。

(中澤有美子)たしかに……アハハハハッ!

(荒川良々)いや、ゴルフが本当に好きだったらあれですけど、なんかね、ちょっとパツパツした服を着てらっしゃる方、多いじゃないですか。最近。でも女子ゴルフ……だんだん僕も歳を……ちょっとスケベなあれになりますよね。女子ゴルファーって。

(安住紳一郎)そ、そこまで飛躍してないと思いますよ。ゴルフが好きで……。

(荒川良々)なんかこうい、体幹がやっぱりいいっていう。まあ、バランスとか姿勢とかがやっぱり、なんか……。

(皆川猿時)強そうだなっていう。

(安住紳一郎)特に自分が年齢を重ねていくと、まずその健康的で元気ハツラツに動くものへの憧れみたいなものが強くなってきますもんね。

(荒川良々)でも、そんなに激しくないじゃないですか。ゴルフって。

(安住紳一郎)そうですね(笑)。あんまり動きが早いと見ていると疲れちゃうんで、やっぱり最初に止まってくれて、見やすいっていう。それで元気よくクラブを振るみたいな。「ああ、お姉ちゃん振れている」みたいな(笑)。

(荒川良々)「お姉ちゃん振れている」って(笑)。それもまたなんか、目の奥がちょっと……。

(安住紳一郎)そんなことはないですよ! 銭湯に行って……荒川さんはでも、ご近所の方々は「ああ、あの映画に出てる荒川くんだ」ってことになりますよね?

(荒川良々)いや、見てるんですかね? そういうの。

(皆川猿時)それは、言われないの?

(荒川良々)あんまり言われないですね。

(安住紳一郎)丸刈りですから、俳優の荒川さんだと思われてないと、向こうは向こうで「あっ、これは挨拶しておいた方がいい人じゃないかな?」みたいな。

(荒川良々)いや、それはない。やさしい顔をしてますもん。だって、そんなの。

(安住紳一郎)ああ、そうですか。

(皆川猿時)僕もね、結構近所のスパに行くんですけど。で、水風呂に入って目の前に宅麻伸さんがいたことありますけどね。びっくりした。

(安住紳一郎)フフフ(笑)。

(荒川良々)仙川のですか?

(皆川猿時)あの、成城のところの。

(安住紳一郎)へー!

銭湯・サウナで出会う有名人

(荒川良々)僕もやっぱり仙川の……それは健康ランドみたいなんですけど、中畑清がいて。すごいやっぱりサウナに入っても、背筋がピーン! としてましたね。

(安住紳一郎)いいですねー!

(皆川猿時)俺はそこでね、天宮良を見たことがある。ピンとしてたよ、やっぱり。

(荒川良々)やっぱりしてますよね。

(安住・中澤)フハハハハッ!

(荒川良々)それで、下北もなんかサウナがあるんですよ。そこもね、よく白竜さんがいますね。

(安住紳一郎)はー!

(皆川猿時)俺、そこは4、5回行ったことあるんですけど、白竜さんは3回見ました。かなりの確率で出現してますよ。

(中澤有美子)フハハハハッ!

(荒川良々)で、決まっているんですよね。洗い場とかが。

(皆川猿時)そうそうそう。

(荒川良々)自分の洗う場所がなんか……。

(安住紳一郎)たしかに、サウナで白竜さんに会ったら、上野でパンダを見るよりも「おおおーっ!」っていう。「おおっ! 白竜さんだ!」っていう感じ、ありますよね。いいですね。「私は銭湯で誰を見た」っていいですね。

(荒川良々)いいですよね。

(皆川猿時)でも、見たことある? その下半身。有名な方の。

(荒川良々)白竜さんはありますね。

(皆川猿時)本当?

(荒川良々)もうね、「あっ……」っていう。

(安住紳一郎)フハハハハッ!

(皆川猿時)……やめましょう!

(荒川良々)やめましょう。これはやめましょう。

(安住紳一郎)フハハハハッ! 「やめた方がいい」ってわかるなら、その前でやめておけばいいじゃないですか!

(荒川良々)いやいや……。

(皆川猿時)もうね、すごいんだろうね。

(安住紳一郎)荒川良々さん、皆川猿時さんに話を聞いておりますが、最後の素朴な疑問。「ウサギって何なの?」。これは……。

(皆川猿時)まあ、僕が去年の10月ぐらいから飼い始めたっていう。

(安住紳一郎)ああ、ウサギを飼ってらっしゃるんですか?

最近、ウサギを飼いだした

(皆川猿時)そうなんですよ。小さいやつで、ネザーランドドワーフっていう大きくならないやつで。7万円ぐらいで買ったのかな?

(荒川良々)そんなするんですね。

(皆川猿時)そんで、ウサギって爪を切ったりしなきゃいけないんで、ウサギ専門のペットショップに連れて行ったら、「これはネザーランドドワーフじゃないです」って言われまして。

(一同)フハハハハッ!

(皆川猿時)「これは雑種です」って言われて。「ちなみに、これはおいくらぐらいで買えるもんですか?」「これはだいたい相場は2、3千円ですね」って言われて。

(一同)フハハハハッ!

(皆川猿時)でもそれって、やっぱりわかんないらしいんですよ。大人になってみないと。向こうも騙していたわけじゃなくて。でも急に親近感がわいて。かわいいですね。

(中澤有美子)ああ、むしろね。

(安住紳一郎)そう言われても、もう愛情がわいているから。嫌いになるわけでもなく。

(中澤有美子)愛おしいですね。

(皆川猿時)愛おしいですよ(笑)。でもなんか、やたら毛の生えているところをなめてくるんですよね。

(安住紳一郎)指ですか? 皆川猿時さんの指を?

(皆川猿時)そうそうそう。なんでもなめるんですよ。足の毛もなめるし。

(安住紳一郎)へー。なんでですかね?

(皆川猿時)わからない。毛づくろいみたいなあれなんですかね?

(安住紳一郎)親とか仲間だと思って、皆川さんの毛づくろいをしてくれているんですかね?

(皆川猿時)かも。あと、一説によると塩分を……僕、しょっぱいのが好きだから、人よりも塩分がいっぱいある体なんですけど。で、塩分を摂っているんじゃないか?っていう説もあって。まあ、かわいいですよね。

(安住紳一郎)名前はつけているんですか?

(皆川猿時)「ウサ太郎」っていうんですけど。ウサギって静かなんですよ。そういうところもいいです。

(荒川良々)あまり、吠えたりしないですもんね。

(皆川猿時)しない、しない。

(荒川良々)なんか「チュッチュ」みたいなのは言うんですか?

(皆川猿時)なんか言ってるのかな? 聞こえないんだけど。それで、足ダンっていうのをするんですよ。ボーン!って、意思表示を。それが「かまってくれ」なのか「お腹すいた」なのかはわからないけど。それだけですね。足をダーン!ってするっていう。

(中澤有美子)後ろ足?

(安住紳一郎)で、1回ボンって床を踏むんですか?

(皆川猿時)踏むんです。何かを欲している。それが何かはわからないんですけど。

(安住紳一郎)かわいいですね。

(皆川猿時)かわいいです。

(荒川良々)昔、だってインコとかも?

(皆川猿時)文鳥を飼ってましたね。それで、雛から飼ったんです。それで、当時うちの奥さんとうまくいってない時に文鳥を飼い始めたら、やっぱりペットって癒やしだからすごい仲良くなったんです。

(荒川良々)間を取り持ってくれる。

(皆川猿時)それで慣れてきちゃって、こういうところに乗ってくるんですよ。

(安住紳一郎)手や肩に。

(皆川猿時)それで、焼肉を食べた後だったかな? ちょっと横になったんです。そしたら、文鳥ってこういう隙間が好きなんですね。

(安住紳一郎)脇の下とか。はい。

(皆川猿時)で、「絶対に寝ないでよ!」って奥さんが言って、奥さんがシャワーを浴びている間に僕は寝ちゃって……ここで圧死。

(荒川良々)フハハハハッ!

(安住紳一郎)脇の下で、文鳥を押しつぶしちゃったんですか?

(皆川猿時)そうです、そうです。ギャーッ!っつってました。裸で、奥さんが。

(安住紳一郎)そりゃそうですよ(笑)。皆川さんもギャーッ! ですよね?

(皆川猿時)うん。僕も。

(中澤有美子)さっきまで元気だったのに……。

(安住紳一郎)それで、奥さんとどうなったんですか?

(皆川猿時)それですぐに「葬式を出そう」って言うんですよ。「ちょっとちょっと、待ってくれ」っつって。「葬式か……」って思って。「とりあえず葬式を出すよりも、ちゃんと葬ってあげよう」っつって、川原でね、土を掘って、こうやって。「すいません」って。「葬式か……」って思ってね。

(安住紳一郎)フフフ(笑)。で、奥さんは猿時さんのことを許してくれたんですか?

(皆川猿時)まあ、なんとなく許してくれましたけどね。でも、やっぱりペットってかならず死が訪れますから。難しいですよね。その時はいいけど。

(荒川良々)そうですね。飼い始めたら。そこは責任を持っていただきたいですよね。

(皆川猿時)そうそう。本当に責任を持って。

(荒川良々)本当ですね。最後まで。

(安住紳一郎)あの……いい話というか、真面目な社会人的なコメントでまとめてますけど、その前の文鳥の件は、皆川さんが一方的に人としておかしいですよね?(笑)。

(皆川猿時)いやいや、まあまあそうなんですけど……。

(荒川良々)人間は寝ちゃうってことですよね。

(皆川猿時)そうそう。もう誰も悪い人、いなかったですから。僕も悪くないし、文鳥も悪くないし。ただ人間が寝てしまったという。

(荒川良々)そう。落語みたいな話ですよね。

(安住紳一郎)フフフ(笑)。「焼肉を食べた後」っていうのがリアリティーありますよね(笑)。なんかもう、幸せな気分になっちゃって。ちょっといろいろ、そんなところあるかもしれませんが(笑)。

(中澤有美子)フフフ(笑)。

<書き起こしおわり>

モーリー・ロバートソン フロリダ州高校銃乱射事件とアメリカ銃規制問題を語る

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モーリー・ロバートソンさんがニッポン放送『ザ・ボイス そこまで言うか!』の中でフロリダ州の高校で起きた銃乱射事件とその後のアメリカ国内の銃規制に関する議論について話していました。


(飯田浩司)今日も盛り沢山の内容で……特にね、アメリカ社会について。その根幹の銃の話っていうのが1本目に出てきますからね。

(モーリー・ロバートソン)そうですね。いやー、もう大変だ。どうすればいいの、これは?

(飯田浩司)これってやっぱり、よく言われるじゃないですか。「アメリカ建国の理念にもかかわる問題だから……」みたいなね。

(モーリー・ロバートソン)なんか1791年かなんかに、修正第2条を入れたんですよね。それで、もうそれ以来動かなくなっちゃったという。

(飯田浩司)いわゆる銃を持つ権利が書かれているという。直接はもちろん書かれていないですけども。「規律ある民兵は……」っていうやつですね。

(モーリー・ロバートソン)「Second Amendment」って言って、憲法修正第2条。で、それに対していろんな声があるんですけども、日本人の視点からいちばんわかりやすいのは「憲法を変えちゃえばいいじゃん」ってことなんですよ。だって、「自分の国の憲法も変えられない国が人に国に憲法を変えろと言うな!」って僕の中のアメリカ人と日本人がいま言い合っているんですけども(笑)。

(飯田浩司)フフフ(笑)。なるほど、せめぎ合っている。

憲法修正第2条は変えられるのか?

(モーリー・ロバートソン)せめぎ合っているんだけど(笑)。豊臣秀吉が刀狩りをやったんだから、アメリカにも秀吉が出てきていいんじゃない? とかって思いますよね。それで実はね、事例があるっちゃああるんですよ。18th Amendment。修正第条はアルコール禁酒。禁酒法です。

(飯田浩司)禁酒法!

(モーリー・ロバートソン)アメリカ、やらかしてますよ。

(飯田浩司)1930年代ぐらいですか?

(モーリー・ロバートソン)それで有名なコットンクラブに代表される、スピークイージーと言われる密造酒を出す場所があって。ギャングが運営して、そこでジャズも育ったっていう……。

(飯田浩司)カクテルもそれで育ったっていう話ですよね。

(モーリー・ロバートソン)そう。だからアメリカの華やかでいかがわしい時代を作った18ht Amendmentがあるんだけど、さすがにこれはマズいということで、その後に21st Amendment。第21条でキャンセル(笑)。

(飯田浩司)ああ、18条はキャンセルするよという?

(モーリー・ロバートソン)そう(笑)。という21条。「18条はキャンセル」という21条を発令したんで。やればできるんじゃない? だから、機械的にそのメカニズムの部分では不可能ではないということなんですよ。ところが、それでたとえば国民投票。日本でも改憲の国民投票の案が出ていますけども、それをじゃあやるのか?っていう時に、アメリカの人口の過半数が本当に投票するとしたら、逆に修正第2条を強化してくるかもしれないですね。

(飯田浩司)ああ、その可能性もあるんだ。

(モーリー・ロバートソン)だから世論が銃を持つ権利をものすごく、殊の外憲法に保証された重要な人権の一種であるという風に考えている市民が相当数いるわけですよ。それで、いまのがいちばん日本的にはしっくりくるラディカルなアイデアなんだけど、もっと現状の憲法修正第2
条には全くタッチしないでどうすればいいのか?っていうので、日本から見れば信じられない消極的な議論がいっぱい出てきまして。

(飯田浩司)へー。

(モーリー・ロバートソン)たとえば、学校の先生が銃を所持してもよくしようとか。

(飯田浩司)えっ? 銃を所持してもよくする?

銃規制に関する消極的な議論

(モーリー・ロバートソン)つまり、乱射事件が起きることで、学校の中に銃は何があっても持ち込んじゃいけないと。だから日本では銃を学校に持ってくるという発想がそもそもわからないと思うんだけど、それを禁止したわけ。ところが、先生も持てないから、そうすると応戦ができない。だから大人で責任がある先生が応戦ができるように、先生は銃を持ち込めるようにしましょうという議論も出てきていると。ところが、その先生がある日、いきなり乱射したらどうなるの? とかね。いろんな抜け穴がある議論ですよね。

(飯田浩司)うんうん。

(モーリー・ロバートソン)もうひとうは、クラスルームに逃げられるようにドアを2つつけようと。

(飯田浩司)はー。1ヶ所だからそこに殺到して逃げ切れられなくなると。

(モーリー・ロバートソン)そう。という風にどんどんどんどん絆創膏を当てるような議論がいっぱい出ていて。さらにもう1個、これはBBCの記事でまとめられていたものなんですけど、紹介しますと、エアポート(空港)スタイルのセキュリティーを学校出やりましょうと。

(飯田浩司)えっ? じゃああの(金属探知機の)ピーッていう、荷物をチェックするシステムを?

(モーリー・ロバートソン)そうですね。「間もなく授業が始まりますのでご搭乗のみなさんは15分以内に授業に来てください」みたいな話になるんですかね?(笑)。

(飯田浩司)じゃあ、「成績のいい順です」なんて言って?(笑)。

(モーリー・ロバートソン)それで美味しいトンカツが食べられるお店とか(笑)。まあ、笑っちゃいけないんだけど、要は何が言いたいか?っていうと、本当に理不尽なぐらいアメリカ人同士の議論というのは銃の話になると膠着してしまっていて。もう迷路から抜け出せない。あと、政治的な意志ですよね。民主党政権の時代に銃規制になったか?っていうと、ならなかった。で、今回もいろんな議員がTwitterなどで「お悔やみを申し上げます。ご家族のことを思っています」って言うんだけど、それを言っている議員たちを名指しで、「NRA(全米ライフル協会)からいくら献金を受け取っただろ?」っていう金額を付け足すTwitterの運動とかが出てきちゃったんですよ。


(飯田浩司)ほう!

(モーリー・ロバートソン)そうすると、二枚舌っていうことになって。だから本気で銃を規制して、いわゆる日本式の歴史的な刀狩り。そこまで持っていこうとする政治の意志はアメリカにはない。NRA強すぎ! という図式がここで見えてきますね。

(飯田浩司)後ほどまた詳しく解説いただきます。

(中略)

(飯田浩司)まずはこちらのニュースです。「アメリカ トランプ大統領、銃の連射装置の規制を指示」。アメリカのトランプ大統領は20日、フロリダ州の高校での銃乱射事件を受け、銃の連射を可能とする改造装置の全面禁止に向け司法省に支持を出したことを明らかにしました。具体的には、一発ずつしか発射できない銃を連射可能にする『バンプストック』をはじめ、全ての改造装置を禁止するもので、高まる規制強化の声に対応を迫られております。このバンプストップというやつを使うと、引き金のところにこれをくっつけるような装置なんですか?

(モーリー・ロバートソン)そうですね。見たところはレトロフィットしてガチャッとはめるとできるようになっちゃうのかな?

バンプストック



(飯田浩司)ええ、ええ。

(モーリー・ロバートソン)それでラスベガスの乱射事件でもこれ、使われていましたね。

(飯田浩司)ああ、あのホテルの上層階から下のライブ会場に向けて撃ったというやつですね。

(モーリー・ロバートソン)そうそう。あの時は本当にただの乱射事件で、思想的な背景とかみたいなものは全くないんですけども。そういう心の闇などに突き動かされた人がこれだけの機能を持った自動小銃をすぐに手に入れられる状態を野放しにしていていいのか?って、その時にもう議論が出たんですよ。

町山智浩 ラスベガス銃乱射事件とその後のアメリカ国内の議論を語る
町山智浩さんがTBSラジオ『荻上チキ Session-22』に電話出演。ラスベガスで起きた銃乱射事件と、その後に起きたアメリカ国内での議論などについてレポートしていました。 ...

(飯田浩司)ええ。

(モーリー・ロバートソン)ただ、トランプさんは動かなかったですね。今回は子供があまりにもたくさん亡くなって。そして当事者の高校生たちが「恥を知れ!」という風に集会を開き、そして今度はワシントンDCで近々、子どもたちが抗議デモをやるんですけれども。そこに、先ほどちょっと見つけたニュースだったんですけど、ジョージ・クルーニー夫妻。俳優のジョージ・クルーニーと人権派弁護士の奥さん、アマル・クルーニーが5400万円相当を寄付すると表明しました。つまり、銃規制の強化を求めて実施する、高校生たちが主導するデモ。それをそういう著名人が多額の寄付金を出すということで話題を少し後押ししている状態ですね。

(飯田浩司)うん。

(モーリー・ロバートソン)で、当日は全米各地で同様のデモが行われる見通しであるということなんですけれども。子供たちがとうとう声を上げてしまった。

(飯田浩司)そこがいままでと違うと。

(モーリー・ロバートソン)うん。トランプ大統領が「ちょっとマズいな」と思って。いままではNRAをなにがあっても絶対的に支持するということを、選挙期間中に公約していましたので、そのトランプ大統領でさえ、そういうバンプストックは規制の対象にするという。ところが、これはちょっと「言っただけ」っていう可能性もあるんですよ。

(飯田浩司)ああ、言っただけの可能性?

(モーリー・ロバートソン)っていうのは、過去にそれぞれ州議会とかアメリカの議会でこういう法案が出ては否決される。なにか技術的な法の不備を指摘して、なんとなく薄めていくうちに最後は否決っていうことがよくあるんですよね。たとえばフロリダ州議会の事例なんですけれども、アサルトライフル(自動小銃)に大容量の弾倉を禁止する法案提出を求める動議が出ました。採決を行いました。反対多数で否決。

(飯田浩司)ああ、法案提出を求めること自体が否決された?

(モーリー・ロバートソン)そう。法案提出を求める動議について採決をしたら、反対が71で反対が36。36×2は72だから、ほぼ2倍。2対1で否決ですよ。

(飯田浩司)そうなんですね。

(モーリー・ロバートソン)なんじゃ、こりゃ? ですよね。

(飯田浩司)これ、事件が起きた当事州ということですよね。同じフロリダですもんね。

(モーリー・ロバートソン)そうです。それで、全米の世論調査なんかも出ているんですけども、銃規制強化に賛成が66%。反対が31%。2008年の調査開始以降で最も大きい数字が出ているんですけれども……実際にその州議会とか連邦議会に持っていった段階で、ほぼこういうのって否決されるんですね。だから(NRAの)ロビー活動がそれだけ強いということと、あとはやっぱり議員たちが自分の地元州で次の選挙で落とされることを気にしすぎている。そこに食い込んでいるという部分があると思いますね。

(飯田浩司)今年の11月に中間選挙があるわけですよね? そうすると、それを前にすると議員たちはますます消極的になるっていうことですか?

銃規制論者に対するNRAのネガティブキャンペーン

(モーリー・ロバートソン)そうですね。そして、銃規制を唱える候補に対してはNRAなどがスポンサーをした強烈なネガティブキャンペーンが行われる傾向がありますね。たとえば、これはひとつのイメージなんですけれども、銃規制を単独である候補が強く押し出したとすると、「この人はリベラルで左翼なんだ。アメリカ人の基本的な価値観を共有していないコミュニストみたいな人なんだ」という風にmその人に対してネガキャンをテレビ広告とかネットでやる。そうすると、そこに群集心理が働いたりして、「やっぱり怖いな」とかいう感じで、ネガキャンすごくNRAはうまいんです。

(飯田浩司)へー!

(モーリー・ロバートソン)要は、「被害者が銃を持っていれば被害は広がらなかったはずだ」という詭弁を使ってですね、とにかく銃の事件が起きるたびに「数が足りない!」って言い続けるんですよ。

(飯田浩司)売れるらしいですよね。銃乱射事件が起こると。

(モーリー・ロバートソン)ものすごく売れていますね。それで、いろんな州の法律とか条例も抜け穴がありまして。たとえば、高速道路のPAで2人の人間が、ネットで知り合った匿名の者同士がそこで銃のやり取りをして現金で決済する分には、それを取り締まりようがないんですね。

(飯田浩司)へー!

(モーリー・ロバートソン)ちょっと法の抜け穴があったりして。

(飯田浩司)そうか。お店で買うとライセンスの提示とかそういうのが必要だったりするけど。

(モーリー・ロバートソン)譲渡という形を取ると抜け穴があったりして。それによって大変な殺傷能力を持つ銃が人から人へと渡り、もしかしたら不安定な人からもっと不安定な人に渡ったりとか。そこの抜け穴がザルのようにありすぎる。要はNRA向けに法律がチューニングされていて、制度そのものがNRAを擁護するようにできている。で、その背景にあるのはこの憲法修正第2条なんですが、そこですよね。だから、やっぱりマインドが変わらないといけないんだけど、トランプ支持とか、あとはそのもとになったティーパーティー系の人たちというのは英語で「Federal Overreach」っていうんですけども。連邦政府が一般のアメリカ市民の権限を過剰に束縛する、制限する。

(飯田浩司)はい。

(モーリー・ロバートソン)要は一種の陰謀論みたいなものが深く共有されていまして。たとえば連邦政府は最初に刀狩りをする。銃器狩りをする。そしてその後で市民が弱くなったところを見計らって、ひたひたと見えないクーデターをやり、最後は軍や銃の力を使って一般市民を圧迫するのではないか? という連邦陰謀論みたいなのを信じている人が相当数、アメリカにはいるんですね。

(飯田浩司)はー。連邦政府ってそんなに信用されてないんですね。

(モーリー・ロバートソン)そうですね。だからアメリカの場合、せめぎ合いがありまして。州の決定と連邦の決定がぶつかることは大なり小なりいっぱいあったりして。たとえば、以前にこの番組で大麻解禁について話しましたけども。あれもカリフォルニアとかワシントン州とかオレゴン、コロラドが独自の州の決定で、それを連邦法が禁止することに強い拒否感があるんですよ。

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(飯田浩司)うん。

(モーリー・ロバートソン)だから、真右の人が大麻解禁を支持したという不思議なねじれ現象が起きたんですね。保守なのに、保守すぎて連邦が嫌いで、「州の決定を連邦が覆すとはけしからん!」っていうので大麻解禁で当てこすりで投票で賛成したとかいう、リバタリアンな流れがアメリカ社会にはありまして。リバタリアンの人たちは銃は絶対に規制してほしくないわけですよ。

(飯田浩司)とにかく放っていおいてくれっていうから、放っておく安全の担保として銃は絶対に必要という?

(モーリー・ロバートソン)そうですね。ですからアメリカの歴史の認識にもそれは関わっていて。たとえば「銃を使って先住民を虐殺したじゃないか!」みたいに思っているアメリカ人ってあんまりいないんですよね。「保安官がワイルド・ウエストで銃の力を使ってワイルドなところに秩序をもたらした」という、そういうロマンみたいなものが共有されているんじゃないかな? 「銃が蔓延していなければ、アメリカの歴史はもっと平和的に先住民とも共存できたんじゃないか?」みたいな、そんな歴史観の声を私は聞いたことがないですね。

(飯田浩司)じゃあ、マニュフェスト・デスティニーと言われた、「神の意志で我々白人がアメリカの国土を開拓してきたんだ」っていう、そこの伝説みたいなものの中に銃が組み込まれているんですか?

(モーリー・ロバートソン)それは神話でしかなく、どう歴史を検証しても私には捏造された歴史に思えるんですけど、こんなことをアメリカのAMラジオで言った日には、これは帰りの駐車場で気をつけないといけないというか。銃を持った市民が憤って……自分の車に行ったら、窓が撃ち抜かれているかもしれないですね(笑)。

(飯田浩司)なるほど。「This is America!」みたいなことになって。

(モーリー・ロバートソン)そうそう。「アメリカを愛してないんだったら、お前の祖国日本に帰れ!」って。それこそ、よく右翼系の人が日本のネットで「半島へ帰れ!」なんてヘイト発言してますけども。私、ハーフなんだけど、「お前の本当の祖国に日本に行け。帰化しろ! この国の国民を名乗る資格はお前にはない!」みたいになっちゃうと思いますよ。つまり、アメリカの歴史をもうちょっと違った見方で見ようというのと銃規制を抱き合わせで話した日には、「アメリカ人の基本的な自由にそんなに反対するなら、この国には住まなくていい!」っていうことになっちゃうよね。

(飯田浩司)はー!

(モーリー・ロバートソン)で、民主党の人もあんまり僕を支持してくれないかもしれない。

(飯田浩司)そうですか。民主党っていうものはリベラルで平等な……。

(モーリー・ロバートソン)どちらかというと人権重視だったりするじゃないですか。ところがね、それは僕はラディカル・レフト(極左)になりますね。アメリカの中では。

(飯田浩司)ああ、そうですか。

(モーリー・ロバートソン)だから「ロシアのスリーパーじゃないか?」とか言われたりしますよね。

(飯田浩司)「コミュニストだ!」とか。

(モーリー・ロバートソン)だから、やっぱりアメリカ人が持っている自由の考え方っていうのは勝ち取る自由……アメリカ自体が独立戦争で血を流して、イギリスから独立したというのもあって。そのプライドが……だから、変な話、そのアメリカやイギリスに圧迫されていた植民地時代のハイチだとかジャマイカだとかアフリカ諸国からいっぱいアメリカに移民してきて、それでいまのアメリカがあるんだけど、アメリカ人として育った子供は、やっぱりマニュフェスト・デスティニーの一部。アメリカであることの誇り。まあ、自由であること。で、その自由を汚れたものとして感じて、複雑に捉えている人は少なそうですよね。

(飯田浩司)なるほど。

(モーリー・ロバートソン)だからアメリカ人が持っている、多民族がひとつになるためのやる気を出す神話そのものに対するクエスチョンに銃規制はなっていく部分もあると思うんですよ。

(飯田浩司)だから、ある意味統合の象徴みたいになっているから、ここに疑問を呈したら全部が崩れちゃうとみんなが思っている部分があるんですかね?

(モーリー・ロバートソン)たぶんね、これは本当に深層心理で、社会学的な部分なんで。定量的にどっちかって判定はできないんですけども。あまりにも、どこか憲法の国が成り立ったすぐ後に作られた修正事項なので、なかなかこれを覆すっていうのはアメリカ人のアイデンティティーそのものをチューニングし直すぐらい深いレベルに行ってしまうみたいなんですよね。だから若い世代が……特にこういう被害を受けた高校生が数値で、「銃がない国の犯罪率はこんな感じ。そこで起きているテロ事件はこんな感じ。銃がある国はこういう感じで、うちの国アメリカは乱射事件が相次いでいる。10日間で3回ぐらいの割合で起きているので、これもドメスティック・テロリズムだろう?」と。

(飯田浩司)ああーっ!

(モーリー・ロバートソン)「イスラム系の人やアラブ系の人が犯人だったらテロで、白人がやったらメンタル・イルネス(心の病)みたいに言うのはズルい。これもドメスティックな一匹狼によるテロなんだ」っていう風に若い世代の認識が改まった場合、テロとの戦いの一環として刀狩りという合理的ソリューションをとらえるという道筋、いままでになかった議論が生まれるかもしれないですね。

(飯田浩司)まずはアメリカの銃規制についてのお話でした。

<書き起こしおわり>

ジェーン・スー悩み相談「収入目当てで結婚した夫が退職したいと言っている」

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ジェーン・スーさんがTBSラジオ『生活は踊る』の悩み相談コーナーの中で、リスナーの「結婚相談所で安定した収入を重視して見つけた結婚相手が仕事を辞めたいと言っていて不安だ」という相談に対して回答をしていました。



(蓮見孝之)今日は通算1073軒目、31才自営業の方からの相談です。「スーさん、蓮見さん、初めまして。私は31才、自営業の女です。36才の会社員の夫と結婚して1年半になります。半年ほど前から夫が『仕事を辞めたい』と私に訴えています。彼の中でもう意志は固まっているようなのですが、私はどうしても夫に『仕事を辞めてもいいよ』と言えません。理由は経済的な面での不安です。私は、夫と結婚相談所を介して知り合いました。私が婚活する上で一番重視したのが、経済面でした。現在、私は子供の頃からやりたかった自営の仕事をしているのですが、収入はさほど多くはなく、同世代の女の子より少し低いです。

そして今後、安定した収入が入ってくる約束もありません。なので、夫になる人はできれば安定した収入で、少しでも額の多めの人を……と、ずっと思っていました。そして福利厚生のしっかりした堅実な会社で、真面目に働いている夫にひかれて結婚を決めました。ですが、結婚して1年半が経ち、そもそも夫が働くこと自体に関心が薄いということがわかってきました。夫に、『なぜ仕事を辞めたいのか?』と聞いたら、「いまの仕事にやりがいを感じない。出張が辛い。職場の人たちを好きになれない」とのことでした。そして、『それはもうどんなに頑張っても好きになれない。続けられない』と。

実際、彼の仕事は大きな責任を伴う仕事だし、助けてくれる人がいない中で頑張っている夫がいかに大変かということも分かっています。けれど私は、『もっと楽な仕事をして早めにリタイアしたい』と言っている夫の給料が今後そう高くはならないことを思うと、どうしても彼に『わかった』と言えないのです。収入面の不安を伝えると、彼は『そんなにお金の事が心配だったら、そっちがもっと稼げばいいじゃないか!』と怒り、いつも喧嘩になってしまいます。私は低い収入で、自分のやりたいことをしているのだから、彼にもその権利はあるはずなのに……頭ではそれが分かっていても、それでもどうしても彼の収入にこだわってしまいます。

ドンと構えて、『あなたの好きにしなよ。なんとかなるよ』って言ってあげたいのに、どうしてもどうしても、その一言が言えないのです。自分がこんなにお金にこだわる女だったなんて思いませんでした。いま、とても苦しいです。このお金への執着にどう折り合いをつければいいのでしょうか? どうか教えてください」。31歳女性です。

(ジェーン・スー)なるほど。……固まりますね。とても、固まりますね。

(蓮見孝之)固まる?

(ジェーン・スー)はい。「え、えええーっ!?」っていう。少し今日は私、辛辣になってしまうかもしれません。お聞き苦しいところがあったら、申し訳ありません。先に謝っておきますよ。まずですね、相談者さん、身勝手なわがままを悩みのテイで話すんじゃないよ。みっともないよ。厚かましいよ。あなた、悩んでいるんじゃない。思い通り、予定通りに事が進まないことを愚痴っているだけですよ。悩んでいるなんて、そんな被害者ヅラするんじゃないよ。私はまず、そう思いましたね。

(蓮見孝之)うんうん。

身勝手なわがままを悩みのテイで話している

(ジェーン・スー)あの、どう思います? 人は物じゃないでしょう? 商品じゃないでしょう? 人間の状態になんて変化するんでしょう? 結婚相談所はですね、相談所のカウンセラーさんっていうのが担当でいらっしゃるんですよね。奴隷商人ですか? 「結婚相談所のカウンセラーは奴隷商人ですか?」と問いたいです。注文通りのものが来なかったら、返品ですか? どうなんですかね? これ、逆にして考えてみましょうかね。

結婚相談所で、家事育児の能力が非常に高い人を……「僕は稼ぎはするんですけど、一切家事のことをやりたくないので、家事育児を、家事ができる人っていうのを最優先で選びました」と。そしたら、結婚して1年。妻が「やはり社会との接点を社会人として持ちたい。自分の稼いだお金で自己実現をして行きたい」というような自分のような欲求。そして切羽詰まったように――この夫の方はそうでしたね――切羽詰まったようにそうやって訴えてきた時に、「うーん……でも、どうしても家のことは彼女にやってもらわないと……って思うんで、首を縦に振れません」っていう相談を送ってこられる勇気あるリスナーさんがどれだけいらっしゃるでしょうか? なんでこれ、普通に送れるの? でも、私はいま、非常に傷ついているんですよ。

(蓮見孝之)はい。

(ジェーン・スー)まあここで私も被害者ヅラをさせていただきますと、被害者ヅラ相撲ですけども。打ち合わせの時、これを読んだじゃないですか。「今日はこんな相談です」って。で、私と刈谷ちゃんでギャーギャー怒って、「なんじゃ、こりゃ!」って言っていたんですけど、男性陣が「まあ、こういう人、少なくはないんじゃないですかね?」って。もうみんな死んだ目で。「どうしたの? (手を叩いて)ウェイク・アップ! あれあれ? みんな、率先してATM地獄に突き進んでいくのかな?」って。もちろんここでですね、男女そもそもの稼げる金額っていうのが違います。女性と男性はそこ、平等ではありません。

(蓮見孝之)うん。

(ジェーン・スー)あと、たとえばこの相談者さんがなにか、体になかなかしっかり働けない事情があるとか、あとはどうしても自分が稼いだお金を使わなきゃいけない兄弟とか親とかがいるっていうことがあって、これも全部納得済みて結婚したんだけど状況が変わってしまった。どうしたらいいでしょうか?っていう相談だったらまだ、聞けると思うんですけど。これね、「夫が『仕事を辞める』と言い出して、それに対して『うん』と言って大きな心で構えてあげられない自分自身が嫌です」っていう風な相談に聞こえますけど、違いますからね。条件と違う仕様のものが納品されたことに対して、クレーム言ってるだけですからね。

(蓮見孝之)はー。

(ジェーン・スー)ですよね? 夫婦で、もちろん経済のことっていうのは決して外せないことだと思うし、状況はどんどん変わってくるというのが不安だと思うんですけど。たぶん、思うんですけど……パートナーっていうのは面倒見てくれる人じゃなくて、苦楽を共にして戦っていく、共闘する相手なんじゃないのかなと思うんですよ。で、子供がいらっしゃるわけではなさそうですし、相手になにを、この方は逆に与えてらっしゃるんだろう? ここまで言えて。「私は自分で自分のやりたい仕事は子供の頃からあって、夢なんです」「あっそう」っていう話じゃないですか。で、「それをやってるとお金が稼げないんです。だけど先行きが不安なんで、お金最優先で選びました。でも、その人が『仕事をしたくない。早めにリタイアしたい。もっと楽な仕事がしたい』と言っています」って、お似合いなんですけどね。ある意味、2人ともね。働きたくないチームでね。稼ぎたくないって。で、この2人が今後、どうやってやってけばいいんでしょう?っていうことですけどね。

(蓮見孝之)そう、ねえ。たしかにその身勝手な思いを、ちょっとこう悩み風に変換して文章化すると、多分こういう風に受け止められるのかな?と思いながら。私はね、「打ち合わせの時の男性陣」というひとくくりでもないとは自分では思っているんですけど。私は、そうですね。好きな好きな言葉がいくつかあるんですけど。「ローリスク」「現状維持」「無難」。私の好きな三大キーワードなんですけど(笑)。

(ジェーン・スー)いいね、いいねー!

(蓮見孝之)私ね、相談者さんでちょっとわかるなと思うのは一点あって。いわゆる「安定」。この安定というものをどう定義づけるかはそれぞれのご家庭で違うと思いますが、いわゆる安定というものを望めていて、1年半すごしました。そこからなにかリスクが生まれそうだ。現状維持が保てなさそうだとなった時に「うわっ!」って恐れおののく気持ちというのは理解できます。

(ジェーン・スー)変化を恐れるっていうね。

(蓮見孝之)そうです。それから、スーさんがさっき言った「結婚ってなんなの?」って。やっぱり苦楽を共にするパートナーとしての存在。私たち夫婦の場合はどちらかというと、「苦楽」のうちの「苦」の方なんですよ。「この人といれば楽しみが2倍に増える」という期待よりも、「なんかあったらこの人だったら乗り越えられそう」と思える人を僕は探したつもりなんです。で、彼女もそう思ってくれている、と、信じているんですけども。そこはお互いの価値観はわかりません。正直、もう10年たちましたけど。でも、さっき「人を物扱いしている」というようにもたしかに受け取れるところはあるんですが。まあ、この相談者さん自身がやっぱり人間だから。だから、身勝手になっちゃうのかなと。

(ジェーン・スー)うん。

(蓮見孝之)だから、それに対してこの旦那さんがどういう風に相談者さんに伝えているのか? その真意を相談者さんがどこまでちゃんと受け入れているのだろう?っていうのはちょっと疑問で。

(ジェーン・スー)フフフ(笑)。

(蓮見孝之)たとえばね、旦那さんが働きたくない。もうその仕事にやりがいを感じないということを……わらかないですよ。考え過ぎですけど、本当は本心じゃなくて、「相談者さんってもしかしたら私と寄り添っていく人生のパートナーじゃないかもな?」っていうことを……。

(ジェーン・スー)遠回しに言うね! ちょっと、もっとスパッと言っちゃいなよ!

(蓮見孝之)要はね、試されているのかも。

試されている相談者

(ジェーン・スー)アハハハハッ! そうだよね? 結婚して1年半で、ここまでドラスティックに「もうめっちゃ働きたくない! もう全部辞めたい!」っていきなり言い出したとしたら、「こいつはカネ目当てだな」っていうのが向こうに伝わっている可能性がめちゃくちゃあるよ(笑)。正しい! そうかも。バレてるよ、相談者さん!

(蓮見孝之)だから、伝え方の問題だと思うんだよなー! 1年半じゃあまだ何かを判断するって、わかるもんなんですかね?

(ジェーン・スー)いや、知らん。結婚したことないから。

(蓮見孝之)ああ、そうですか(笑)。でも、パートナーっていう意味ではね。うーん……。

(ジェーン・スー)でもさ、「この人だ」っていうことが最初からわかることはないなって思うわけですよ。この歳になって。「『この人』にしていく」っていう感じ、しない?

(蓮見孝之)ああーっ、そうですね!

(ジェーン・スー)「そうだ、この人なんだ」っていうことをお互いに譲歩しあいながら、喧嘩しながら、「よし、この人と一緒にやっていくぞ!」っていう感じで。だからもう、離婚してあげれば? 話が飛ぶけど。相手がかわいそうだけど。

(蓮見孝之)うーん……。

(ジェーン・スー)どうなんだろうね? なんだかね。でね、もうひとつ私は言いたいんですけど、相談者さんは認めたくないかもしれないけど、「完全に経済的な面での不安です」って書いてあるけど、つまり裏を返せば、「伴侶となる人の稼ぎをあてにして結婚しました」っていうことなんですよ。それ以外の何物でもないと思うんですよ。で、それを言うならば、「大金持ち」と呼ばれるような男性たちと結婚している女たちの腹のくくりようをもっとちゃんと見てほしい!

(蓮見孝之)ああーっ。

大金持ちと結婚している女性たちの腹のくくり方

(ジェーン・スー)あのね、そういうのは全部Instagramに載っているから。Instagramでだいたいわかるんですけど。

(蓮見孝之)写真を見ればわかると。

(ジェーン・スー)Instagramに載っているんで。探せば出てきますよ。ここで名前を言うと、個人のあれなんでね……って、曲を流されちゃってますけどね。あのね、みんなね、いくつになろうが死ぬほどきれいよ! で、完全にいわゆるザ・お金持ちの男が好きなタイプの男好きする格好をして、全部家庭料理とかやっているから!

(蓮見孝之)へー!

(ジェーン・スー)で、旦那の行きたいところに全部ついて行っているから。いいか? 人の金を使うっていうことはこういうことだぞ!っていう。人の金をあてにするのは相談者さん、あなたはまだアマチュアです!

<書き起こしおわり>

ハライチ岩井 千鳥・大悟との飲み会とチーズタッカルビを語る

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ハライチの岩井さんがTBSラジオ『ハライチのターン!』の中で千鳥・大悟さんとの飲み会についてトーク。韓国料理屋で食べたチーズタッカルビの話などをしていました。

(岩井勇気)この間さ、仕事が18時ぐらいに終わって。で、もう18時ぐらいで、意外と早く終わったなと思って。で、どうしようかな? メシでも行くかっていう時に、誰か誘うか?ってなって。で、とりあえずパンサー向井くんに「ご飯行こうよ」ってLINEしたのね。

(澤部佑)好きだもんね(笑)。

(岩井勇気)そしたら、「ちょっと今日はダメなんだ。仕事なんだ」って。で、フラれて。で、そうなってくると、もう後輩。元ガネーシャっていうコンビのインド人のとしきっていうやつに連絡して。で、ダメで。

(澤部佑)あら、ダメ? としき。インドに里帰りして、いざこっち帰ってきたらすげー太っていて。「ああ、やっぱり実家の地元の料理は美味しいんだ」っつったら、「いや、マック食べすぎちゃって……」って言ってたとしきでしょう?(笑)。

(岩井勇気)フハハハハッ! 関係ないっていう(笑)。

(澤部佑)「関係ないのかい!」っていう。

(岩井勇気)で、後輩に何人か連絡したんだけど、フラれちゃってさ。どうしようかな? 家に帰ってご飯作って食べるか……ってトボトボと帰って、家に着くぐらいで普通に携帯が鳴ってさ。「あ、電話きた」って思って出たら、大悟さんで。千鳥の大悟さん。で、俺が声をかけてないのに、このタイミングで電話が来て。「岩井、なにしとる? メシ行かんか?」って感じになって。「おおーっ! 行きます!」って。めちゃめちゃベストタイミングだったから「行きます!」っつって。「そんなすぐ返事してくれたの、お前だけじゃ!」みたいな(笑)。

(澤部佑)アハハハハッ! 寂しい一言……(笑)。

(岩井勇気)「行きますよ、大悟さんなら。行きましょうよ!」っつって、「じゃあ、俺の行きつけの韓国料理屋があるから、そこ行こうか」って。

(澤部佑)大悟さんが。へー。

(岩井勇気)で、そこに集合してさ。で、大悟さんと飲みながら韓国料理を食べようって。「なに食べますか?」「ああ、これ美味いんだよ」って感じになって、チーズダッカルビ。

(澤部佑)ああーっ、流行っているやつ?

(岩井勇気)うん。女子がみんなこぞって食べるチーズダッカルビをさ、たのんで。男2人でさ……(笑)。

(澤部佑)女子がすごいあれなんだよね?

男2人でチーズタッカルビ


(岩井勇気)埼玉からきたやつと、島の男がさ、2人でチーズダッカルビを食べていてさ。で、大悟さんの昔の話とかを聞いていたわけ。そしたら、「お疲れっす!」って。後ろからシソンヌの長谷川さんが来てさ。「あら? どうしたのかな?」って思ったら、「ああ、せやせや。長谷川も呼んでるんだよ」みたいな感じになって。

(澤部佑)ああ、大悟さんがね。

(岩井勇気)「あれっ? 俺だけじゃなかったの?」みたいな感じになって。「いっぱい声をかけてたんだよ」みたいな感じになって。「ああ、俺だけじゃなかったのか……」みたいな感じになって。

(澤部佑)なに? そこで岩井は毎回スネるの? どういう意味?

(岩井勇気)なんか、サシ飲みみたいな感じだと思っていたから。そしたら、長谷川さんが来て。「ああ、飲みましょう。飲みましょう」みたいな感じになって。「まあ、いいや」ってことでしばらく飲んでいたら、「あ、お疲れさまっす!」ってバッと見たら真っ赤なやつがいて。カズレーザーよ。

(澤部佑)おおーっ!

(岩井勇気)「あれ? 3人じゃなかったの?」ってなって(笑)。

(澤部佑)「あれ? 4人?」。

(岩井勇気)「4人?」ってなってさ。「なんだよ、結構大悟さん、声かけてんな」みたいになって。で、4人で飲んで。

(澤部佑)それ、大悟さん、岩井に言わないんだね。

(岩井勇気)言わないのよ。

(澤部佑)言うけどな……。言わないか。うん。

(岩井勇気)で、まあいいやってなって。で、楽しく4人でメシ食ってたら、「あ、お疲れさまっす!」って……カミナリの2人が来てさ(笑)。

(澤部佑)フハハハハッ! 一気に2人来た?

(岩井勇気)コンビで来てさ。「なんなんだよ!」ってなって。「大悟さん、とんだヤリチン野郎だな!」って思って(笑)。

(澤部佑)フハハハハッ! 本当だよね! もう軽いパーティーみたいな(笑)。

(岩井勇気)席も座れなくなっちゃってさ。もうなんか、「すいません、あっちの大きいテーブルに変えてもらっていいですか?」みたいな感じになって。「なんなんだよ!」って感じになってさ。で、そこからだから結果6人か。

(澤部佑)すごいね。なんか、バスから延々と人が降りてくるやつみたいな(笑)。

(岩井勇気)みたいな感じでさ。で、「ここはこれが美味いんじゃ」みたいな感じで、サムゲタンみたいなのをたのんで。で、それでグツグツとコンロで煮て、それをつまんで食べていたんだけどさ。それがまた、辛いジャンみたいなのがついているんだよ。で、それをサムゲタンのスープにガーッて入れて鶏肉を食べるとめちゃくちゃ美味いっていう。辛くはないんんだけど、コクが増すみたいな感じになってさ。で、食べてみたらめちゃくちゃ美味いわけ。

(澤部佑)へー。

(岩井勇気)で、「結局はこのジャンが美味いんだな。なにに付けても美味い」ってなって。でさ、だからちょっと飲んでいたのもあって。「これ、いけっかな?」みたいになって。

(澤部佑)ん?

(岩井勇気)で、店員さんに「すいません、このジャン。ついているジャンなんですけど、これ、買えたりしますか?」みたいに言ったら、「ああ、ちょっと確認してきます」みたいに店員さんが言って。そしたら、大悟さんがさ、「おう、岩井……俺が行きつけの店やで?……1回、『ジャンをもらっていいか?』って俺に聞けや」って言って(笑)。

(澤部佑)フハハハハッ! どういうこと?

「『ジャンをもらっていいか?』俺に聞け」(千鳥・大悟)

(岩井勇気)「『ジャンをもらっていいか?』って店員に聞く前に俺に聞け」と。「『店員に聞いていいですか?』って俺に聞け」っていう(笑)。

(澤部佑)フハハハハッ! まあ、行きつけの店だから、あんまり突飛な行動を起こすなっていう意味ね。

(岩井勇気)うん。でも、俺も一瞬思ったけど。大悟さんに確認した方がいいかな?って思ったけど、その「ジャンをもらっていいですか?」っていう聞き方もわかんねえなって(笑)。

(澤部佑)たしかに、先輩にね(笑)。

(岩井勇気)「『ジャンをもらってもいいですか?』って聞いてもいいですか?」って……言わないでしょう?(笑)。

(澤部佑)たしかにね。今後、人生で言うこともないだろうしね。

(岩井勇気)うん。でさ、ちょっと怒られてさ。そしたら店員さんが来て。「これ、よかったら……」っつって。パックにパンパンにジャンが詰まったやつをくれて。

(澤部佑)ええっ! 優しい、いいお店!

(岩井勇気)うん。で、「やった!」って。「よかったな!」みたいな感じになって。でさ、それをお土産に帰って。それで今週ですよ。夜、メシを食おうってなった時に、ちょっと「あのチーズダッカルビ、美味かったな」ってなって。で、「……やってみっか?」みたいに。

(澤部佑)家で、チーズダッカルビを?

(岩井勇気)そう。でさ、鶏肉を買ってきて。ニラ、キャベツとネギを買ってきて。で、1人チーズダッカルビを……。

(澤部佑)すごいな、お前!(笑)。すごいよね、お前のその行動力。

(岩井勇気)そう。でね、一人鍋の、電気であっためる機械みたいなのを……。

(澤部佑)チーズダッカルビ用?

(岩井勇気)違う。一人鍋用の機械が、なんかおはスタの忘年会かなんかでもらっていたのがあって。「あれ、使ってなかったな」みたいなのを出してきて。ステンレスの器みたいなので沸かせるやつがあるんだけど。それを使おうと。で、鶏肉を炒めて。野菜を入れて炒めて。で、そのもらったジャンをその野菜炒めにぶっ込んで。辛い野菜炒めを作ったわけ。

(澤部佑)なるほど。

(岩井勇気)で、一人鍋用の鍋に、チーズを買ってきたんだけど。モッツァレラチーズとかチェダーチーズとか、なんかいろんなチーズを4種類ぐらい買ってきたんだよ。どのチーズがいいのかわからなかったから。それを4種類、ぶっ込んで。で、沸かして、グツグツのこのチーズだけが鍋に入っているのを作ったの。で、それに付けて辛い野菜炒めと鶏肉のやつを食べたら、めちゃくちゃ美味かったの。

(澤部佑)あら! すごい。まあ、そこまですりゃあそうね。

(岩井勇気)で、ご飯と合うしさ。「美味えな、美味えな!」って食っていて。そしたらどんどんチーズが少なくなってきて。で、沸かしているうちにさ、どんどんどんどんそのチーズが焦げてきてさ。

(澤部佑)まあ、そうだよね。そうか。

(岩井勇気)で、4種類もチーズを使っているもんだから、なんかよくわかんない状態になってきて。で、どんどん鍋にこびりついて。一人鍋の沸かすやつって鍋だから。結局水分しか沸かせないように作られているから、チーズフォンデュみたいにするように作られてはいないわけ。

(澤部佑)ああ、そうか。できないんだ。

(岩井勇気)そう。だから、全部内側にチーズがこびりついて。真っ黒になって。もう、真っ黒の呪われた一人鍋みたいに……(笑)。

(澤部佑)(ドラクエの呪いのテーマ)デンデンデンデンデンデンデンデンデーンデン♪ だね、もう。

(岩井勇気)ネットで調べたら、お酢でチーズやものの焦げ付きは取れますみたいな。

(澤部佑)もう、食事は終えて、鍋の後片付けの時間ね。

鍋にこびりついたチーズ問題

(岩井勇気)どうしようかな?って思って、調べたら「お酢で取れます」と。で、どうしたらいいかっていうと、お酢を水で割って、それを鍋で沸かすんだって。鍋自体を。だから、お酢を水で割ったやつを作って、鍋に入れて、電源ボタンを押して。そのまま沸かしていたの。

(澤部佑)うん。

(岩井勇気)そしたらもう……チーズのこびりついたやつとお酢が混ざっちゃって。ヤバいのよ。本当にチーズの焦げたやつと、お酢の湯気みたいなのが混ざると、有毒ガスみたいなのが、なんか発生しちゃって……(笑)。

(澤部佑)ああ、だろうね。そうか。

(岩井勇気)酸っぱいし、焦げ臭いし、みたいな。「ウエッ!」ってなって。もうチーズお酢カルビみたいなやつが(笑)。

(澤部佑)フハハハハッ! 新メニュー?

(岩井勇気)うん。みたいなやつができちゃって。「うわっ、気持ち悪い!」っつって。もうめちゃくちゃ気持ち悪くなって、急いでブワーッて換気してさ。で、そのままそのお酢の沸いたやつとチーズの焦げたやつの汁を庭にブワーッ!って(笑)。

(澤部佑)アハハハハッ! 庭に撒くんじゃないよ!

(岩井勇気)ダメだって。これ、家の中に置いていちゃダメだ!って。庭に撒いてさ。

(澤部佑)チーズお酢カルビを撒くんじゃないよ!

(岩井勇気)もう本当に呪われた鍋みたいなのがいま、ベランダのところにあるんだよ(笑)。

(澤部佑)フハハハハッ! いまも?

(岩井勇気)うん。二度とチーズタッカルビやらねえと思ったよ。

(澤部佑)でも、それは落ちたの?

(岩井勇気)落ちないんだよ。もう捨てなんだよ。だから。

(澤部佑)ああ、そうか。鍋ごと? 鍋ごと庭にブチまけているのかよ!(笑)。

(岩井勇気)鍋ごと捨てなんだよ。

(澤部佑)片付けろ。チーズお酢カルビを!

<書き起こしおわり>

安住紳一郎 宮崎県日南市大堂津 醤油の旅を語る

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安住紳一郎さんが2009年9月にTBSラジオ『日曜天国』の中で話したトークの書き起こし。醤油マニアの安住さんがお休みを使って宮崎県日南市大堂津まで醤油の買い付けに行った際の模様を話していました。

(安住紳一郎)さて、一方休んだ方の私なんですが、実は少し他の番組のスケジュールとうまく連携が取れず、結局日、月の2日間の休みを頂きまして。まあ、かなりグチグチ言ってたんですが……ちょっとね、2日間の夏休みって短いな、みたいなことですよね。世の中5連休、9連休と言っている中で。まあでも、せっかく頂いた休みなので、気分転換に旅行にでも行こうと思い。2年前くらいからずっと行きたいなと思っていたところが実はありまして。それで、まあよく思いつきであちらこちらブラリと出かけることが多いんですが、今回は珍しく3週間前くらいに予定を立て、予約も取り。日、月と2日かけて一人旅なんですけれども。ずっと行きたいなと思っていた場所なんですけども。

(中澤有美子)どこでしょう?

(安住紳一郎)九州の宮崎県にあります日南海岸。ここにずっと行きたかったんですね。みnさんは行かれたことございますでしょうか? 宮崎県というと九州の、地図で書きますと右下の方にあるわけですけれども。ちょうど鹿児島の上、熊本の右。四国と反対側の九州にあるということなんですが。縦に長い宮崎県の中でも、最も南の方ですね。リゾート地で有名な青島から、下の都井岬までの太平洋側の海岸線ですね。

(中澤有美子)ふーん!

(安住紳一郎)日南海岸。国定公園にも指定されていますけれどもね。一時期、海外旅行や沖縄旅行が一般的ではなかった時代は、ずいぶん新婚旅行といえばこのへんの青島とか日南というと、伊勢志摩と並んで新婚旅行の大変多い多かった時代もありまして。私の父母の世代などはそういう世代なんですけれども。行かれた方も多いんではないかなと思いますが。その日南海岸に程近い日南市というのがあるんですが。日南市の海岸沿いにある大堂津という場所にどうしても行きたかったね。

(中澤有美子)ふーん。

(安住紳一郎)大堂津。名前からしてかっこいいですけどね。大堂津。人口4200人ぐらいの街なんですけれども。2年くらい前から、ずっとこの宮崎県日南市大堂津地区っていうんですが、大堂津にどうしても行きたかったんですよ。なぜでしょうか?

(中澤有美子)ねえ。

(安住紳一郎)ユミタンファン、答えろ!

(中澤有美子)フハハハハッ!

(安住紳一郎)反乱分子、答えよ!

(中澤有美子)なんだろうな?

(安住紳一郎)うん。「なに質問してるんだよ!」っていう風にね、たぶん聞いていると思うんですよ。「(安住さん休暇のため中澤有美子さんが1人でMCを務めた)先週の方がよかったのに……なにこいつ、勝手に質問してくるんだよ?」って(笑)。

(中澤有美子)フフフ(笑)。いやいや。

(安住紳一郎)日南市大堂津。おわかりになりますか?

(中澤有美子)うーん? 景色がいいんですか?

(安住紳一郎)ああーっ、私が景色のいいところを好んで行くでしょうか?

(中澤有美子)フハハハハッ!

(安住紳一郎)まあ、行きますけども。2年前ぐらいから、どうしても宮崎県日南市大堂津地区。行きたいんですね。

(中澤有美子)美味しいものがある?

(安住紳一郎)うーん、近いですね。ユミタンファン、聞くのをやめるな!

(中澤有美子)フハハハハッ! なんで(笑)。

(安住紳一郎)大堂津になにかがあるんですね。おわかりになりますか?

(中澤有美子)洞穴とか?

(安住紳一郎)洞穴がある? ああー、違いますねー。

(中澤有美子)わかった。

(安住紳一郎)はい。

(中澤有美子)醤油!

(安住紳一郎)やっぱり、わかっちゃいますね(笑)。やっぱりわかっちゃう。そうなんですよね。もうみなさん、耳にタコができぐらいだと思うんですが、私、醤油が大好きなもんでして。ずいぶんこの番組でもそんな話を、最初は嫌だ嫌だと言いながらも、相当話しているんですが。

安住紳一郎 日本全国の醤油の地域差を語る
安住紳一郎さんが2008年12月にTBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』で話したトークの書き起こし。醤油研究が趣味の安住さんが日本全国の醤油の地域差について語っていました。 ...

(中澤有美子)フフフ(笑)。嫌だったんですか? 最初は(笑)。

(安住紳一郎)最初はね。あの80、90になるまで誰に知られることもなく自分の趣味としてやっていきたいなという風に考えたところがあるんですけれども。ちょっとね、いろいろと……ブログで煽られた経緯なんかもあって。

(中澤有美子)フフフ(笑)。ああ、そうだ(笑)。

(安住紳一郎)ついついね、自分から発表しちゃったという経緯もありますが。私は、これもしつこく何回も言っているんで、皆さん本当に吐き気をもよおすんじゃないかと思うんですけども。全国に1500の醤油のメーカーがある。で、私はいまのところ150から180ぐらいまでいってるんですが。だいたい1年に30メーカーぐらいの醤油を手に入れることができるんですけれども。ということで、繰り返しなりますが私はこの醤油のコレクションを85才になるまでやり続けなくちゃならないという計算になるんですが(笑)。

(中澤有美子)そうですね(笑)。網羅するには。

(安住紳一郎)その全国に1500あるメーカーの一覧表っていうのを私、去年の夏かな?  インターネット、電話帳などを駆使して作ったんですけども。それで、このまだ見ぬ醤油に思いを馳せているという、、この気持ち悪さなんですが。

(中澤有美子)フフフ(笑)。

(安住紳一郎)そこで、その全国一覧を見ていて、ある日ちょっとね、すごい現象に出くわしたんですよ。それでその、宮崎県日南市大堂津という住所なんですが、大堂津の3丁目と4丁目に醤油メーカーが4つあるんですよ。醸造メーカーが。

(中澤有美子)へー!

(安住紳一郎)人口4200人の街ですよ? 人口4200人の街で、醤油メーカーがなんと4つもあるというんだから。マルアン、マルタニ、エンマン、宮田っていうメーカーなんですけども。何度も言っていますけど、全国に1500ですからね。だいたい人口10万人に1つのメーカーがあるのが全国平均なんです。で、この地区は1050人に1メーカーですからね。人口55万人いる八王子市を計算すると、八王子市に550の醤油メーカーがひしめいているぐらいの異常さですよ。


(中澤有美子)フハハハハッ! 異常(笑)。

(安住紳一郎)八王子に550種類の醤油メーカーがあったら、驚きますでしょう?

(中澤有美子)すごい! 驚きますね!

(安住紳一郎)そういうことがその日南市大堂津地区で行われているという。これはまさに一票の格差ならぬ、醤油ひとさしの格差!

(中澤有美子)アハハハハッ!

(安住紳一郎)1メーカーの人口が少ないんですから。で、それはどういうことか? というと、たぶんそこにお住いになっている方々、住民の醤油に対しての思い入れがまず強い。さらには、その小さい街でありながらも住み分けができているということは、たぶん醤油メーカーそれぞれの各個体のレベルが高いはずなんですよ。

(中澤有美子)そうでしょうね。

(安住紳一郎)優劣がはっきりついたらかならず、長い歴史の中で淘汰されますから。合併したりね。全く売れなくなったりするわけですから。っていうことは、それを4つのメーカーがそれぞれに主張して、それぞれに受け入れられて。で、長い歴史を刻んでいる。これは相当その醤油の文化レベルっていうのかな? その賞味感覚が優れてる地区なんじゃないかということで。

(中澤有美子)そうですね。

(安住紳一郎)もうずっと、2年ぐらい前から行きたかったんですが。なかなかちょっとね、宮崎市内からも車で1時間半……もっとかな? 離れてるんで、行くことができなくて。「よーし、じゃあちょっとこの日曜日と月曜日使ってみよう!」と思うに至ったということなんですけどね。

(中澤有美子)おおっ! へー!

(安住紳一郎)たしかに全国にはこういうように醤油メーカーがある地域に固まっている所っていうのが数ヶ所あるんですね。いわば「醤油の街」などと言われるところなんですが。関東にお住まいのみなさんですと、言わずと知れた千葉が有名だと思いますけれども。ヒゲタ、ヤマサ、大メーカーを抱える銚子市。あるいは、キッコーマン、キノエネのあります野田市。それから関西だと、薄口醤油になりますが兵庫県たつの市っていうのが醤油の街ですね。ヒガシマル、マルテン、末廣、カネヰ、ヤマイっていうね、強豪薄口メーカーがひしめいていますが。更には、たつのには「うすくち龍野醤油資料館」っていうのもありますよね。

(中澤有美子)へー!

(安住紳一郎)それから、ちょっと下がって紀伊半島。和歌山の方に湯浅。湯浅も醤油のふるさとという風に言われてまして、歴史もあるところなんですね。さらに醤油の街でいまいちばん賑わっている。名実ともに、四国香川県小豆島。ここが醤油の街ですね。『二十四の瞳』の撮影場所と醤油蔵めぐりが観光の目玉になっていますからね。

(中澤有美子)ああ、そうなんですね。

(安住紳一郎)もうみんな、小豆島に行くとだいたい『二十四の瞳』の撮影場所、それから醤油蔵めぐりみたいなのが観光コースに組み込まれているっていう。さらに、小豆島は黄色いキャップでおなじみのごま油、かどや製油。あのごま油の本社もあったり。さらには、オリーブが名産でオリーブオイルが取れたり。醤油も名産でごま油も名産でオリーブオイルも名産っていう、ちょっと小豆島はなんとなく台所のいちばん下の引き出しの街みたいな、そういう……。

(中澤有美子)フフフ(笑)。

(安住紳一郎)「ここ全部小豆島だな!」みたいなね。そんな感じ、するでしょう?

(中澤有美子)まったくですね!

(安住紳一郎)ごま油、オリーブオイルに醤油ですよ。これ、香川県小豆島。マルキン醤油っていう有名なメーカーがありますけど。要するに、ですから兵庫県のたつの、それから若山の湯浅。それから四国香川小豆島。そして千葉県の野田・銚子。さらには、北陸金沢の大野町というところも醤油の街として有名なんですが。だいたいこれが五大醤油名産地って言われているんですけども。まあ、これは何回も言うことがあると思いますから、覚えておいてください。

(中澤有美子)フフフ(笑)。出ますよ。

(安住紳一郎)ええ。銚子・野田。兵庫たつの、和歌山湯浅、それから四国香川小豆島、石川県香川大野町。

(中澤有美子)6ですね(笑)。

(安住紳一郎)6ヶ所になったね(笑)。銚子と野田は一緒に数えるから、5ヶ所ですね。

(中澤有美子)ああ、そうですか。はい。

(安住紳一郎)話は戻って、宮崎の大堂津。これ、私まったく聞いたこともないし、インターネットや本を見ても「醤油の街」というような記述は載っていないんですよ。でも、人口4200人で4つのメーカーですからね、十分に醤油の街を名乗ってもいいぐらいな。むしろこれだけ街おこし全盛の昨今、なぜアピールをしないのか? それぐらいの気持ちになりますよね? で、いったいその大堂津という……まあカツオの一本釣りなんかが有名な漁港が近いんですけども。なにゆえ、醤油づくりに適した理由があるのだろう? と。小さな街で4メーカー存在する理由はなんなんだろうか? この2年余りで私、その自分で作った一覧表を見ながら、想像は大きく膨らみ、好奇心の炎が天を焦がすがごとくというですね。

(中澤有美子)フハハハハッ!

(安住紳一郎)みなさん、興味ありますかね?

(中澤有美子)あるでしょう!

(安住紳一郎)どうですかね? 人口4200人で4つの醤油メーカーですよ。なんだ、その理由は? しかも、ぜんぜん名所にも観光地にもなってない。なんだ? そんな積年に渡り恋い焦がれた大堂津についに行く日を迎えました! 先週の日曜日、9月13日ですね。休みをいただきましたから。私、張り切っておりましたから。宮崎行きの飛行機、朝一番羽田発。6時45分発の便を予約いたしました。

(中澤有美子)わお!

(安住紳一郎)ええ。6時45分はさすがに早いかな? とも思いましたが、いや、2年も待ったんだからこれぐらいでいいんだ。6時45分、朝イチに乗り込むんだ。問題ない!……でも、さすがに早すぎた。私、寝坊しました。

(中澤有美子)フハハハハッ!

(安住紳一郎)乗り遅れました(笑)。

(中澤有美子)最初から(笑)。

(安住紳一郎)終わりです。

(中澤有美子)えっ……?(笑)。

(安住紳一郎)もうさすがに好奇心と体力がユニゾンする年代ではなくなりましたね。もう布団の中で泣きました。せっかく3週間前に格安航空券を取ったのに、台無しですよ。半額以下で取ったんですよ。で、日本の航空業界は時間を守れない人には定額運賃を求めますね。要するにもう、3週間前に格安で取った航空券はそれは払い戻し手数料がかかる上に、今度は新しく、乗り遅れましたから次の便で行こうとするとそれはいわゆる当日航空券になりますので定額運賃になっちゃう。

(中澤有美子)そうか、そうですね。

(安住紳一郎)それで+2万円ぐらいの出費になっちゃってるんですよ。で、私ケチだから。考えに考え悩んじゃって。「2万円余計に払ってでも行こうか、それとも2万円出すのはもったいないからやめて、日曜日どっか行こうか……」みたいな風に考えたんですが、でもね、せっかくもらった1年に一度の日曜日なので、またちょっと、「こういう晴れない気持ちで2年抱えた疑問を胸にしまっておく日曜日も辛かろう。ああ、また働けばいいんだろう!」と思って、それでとりあえず家を出て羽田に向かって。

(中澤有美子)ああ、そうですか。

(安住紳一郎)それで、ちょっと次の宮崎行きの飛行機は JALもANAもスカイネットアジアも飛んでるんで、ちょっとどれか分からないんで。とりあえず羽田空港に向かって。それで空港のカウンターに着いて、乗れる飛行機探して。「すいません、宮崎県行きのチケット、いちばん早いのをお願いします」みたいなこと言ったら、「今日は日曜日ですので早い便は満席をいただいております」になってしまって。「ああ、日曜日だった。そうか!」って思って。でも、ここから怖いくらいの執念が湧いてきて。やっぱり「ヨットは向かい風の方が早く進む」みたいなことになっちゃって。

(中澤有美子)フハハハハッ!

(安住紳一郎)「早い時間は取れないんですかっ? じゃあ、何時だったら取れるんですか?」って言ったら、「午後5時の便です」って言うんですよ。「私は大至急、問題を解決しにいかねばならないんですっ!」みたいな、なんかレイトン博士みたいになっちゃって。それで、「じゃあわかりました。九州の他の空港は空席ありますか?」って聞いたら、「福岡の便だったらたくさんありますので、早い時間の便が取れると思います」って。「もういいや。福岡行こう」と思って。で、福岡行きに乗って。8時発ぐらいの福岡行きの飛行機に乗って、福岡空港に着いたのが10時過ぎぐらいで。駅前のレンタカー屋さんでレンタカー借りて。またちょっと突然だったもんですから、借りれるかな? と思ったんですけど運よく空いてまして。でも、私のいつもの定番のヴィッツを空いてなかったんで今回はイストなりましたけれども。

(中澤有美子)ほう!(笑)。

(安住紳一郎)それで宮崎までレンタカー飛ばしてブーン!って行って。

(中澤有美子)わお!

(安住紳一郎)それでよくテレビで東国原知事が話をしていましたけども、宮崎県は高速道路がどうのこうの……っていうのがすごくわかっちゃって。途中までしかできてないんで、ずっと佐賀・熊本で鹿児島の方からグーッと回って。結構遠くて。うん。結局、目的地の大堂津に着くまで5時間半ぐらいかかっちゃって。

(中澤有美子)うわーっ!

(安住紳一郎)「長時間の運転、お疲れ様でしたそろそろ休憩を取ってください」っていうのを3回、聞いちゃいましたよ。

(中澤有美子)フハハハハッ! ナビが言ってくれるんだ(笑)。

(安住紳一郎)それで高速代がETC日曜日割引ですから、1000円になるかな?って思ったんですけど、当然のごとくETCカードは家に忘れておりましたんで。6500円払って。「ああ、2万6500円になった……」って。どんどんお金もなくなって、時間もどんどんなくなって。でも、念願の大堂津にやっと着きまして。

(中澤有美子)着いたんですね!

(安住紳一郎)ええ。そしたら本当に無人駅がひとつあって。それで本当にコンビニエンスストアもないような駅前の通りがあって。それで、お土産屋さんとお菓子屋さん、魚屋さん、八百屋さんぐらいがあるような街並みですね。本当にほのぼのとした感じで。あんまり道路もそんなに大きくないですが。「ええっ、こんな街に醤油メーカーが4つもあるのかな?」と思って。でも、やっぱり散策してみると、蔵がね、4つもあるんですよ。で、もうテンション上がって上がって。すごいでしょう? そんな街にだって4つもあるんですもん。なかなかいい感じじゃないか! と思って。もう午後5時ぐらいなんで、もうそろそろ蔵も閉まるくらいなんで、慌てて。1軒1軒回って。ちょっと閉まっていたところもあったんですが。で、空いてるところがあって。蔵ですから、ちょっと小売りをしてるかどうかわかんないんですけど、建設会社の事務所みたいな横の引き戸をガラガラガラッなんて開けると、人がいるようないないような事務所があって。

(中澤有美子)うんうんうん。

(安住紳一郎)「空き巣に入られないかな?」っていうような事務所ですよ。ガラガラッて開けて、「すいませーん! 小売りはしていますか?」なんて言うと、奥からご主人が出てくるんですよ。上はシルバーの作業着で、前田吟さんみたいなイメージね。遠近両用メガネみたいなシルバーのメガネね。(ガラガラッ……)「なに?」「あ、すいません。ちょっと小売りをしていただきたいんですけど」って。蔵に行って「小売りしてくださいますか?」っていうコメントも醤油マニアとしてはもう、すごいわけよ(笑)。

(中澤有美子)アハハハハッ! うれしい! そんな自分がうれしい。

(安住紳一郎)それでその前田吟さんが遠近両用メガネをクククッてやって。で、まずは店先に停まっている私のイストを見たわけ。それで「ああ、車で来たの? どこから?」って。で、ナンバーをご主人が見たみたいで。福岡のレンタカーなんで、福岡ナンバーが書いてあって。「福岡から買いに来たのか?」って言われて。「物好きだな!」なんてさ。

(中澤有美子)アハハハハッ!

(安住紳一郎)「わざわざ来たのか? 物好きだな!」なんて言われて。でも本当に俺、喉元まで「福岡じゃない。東京だ」っていうのが出かかったのね。そうですよね。でも「東京だ」なんて言ったら、ただの物好きじゃないみたいなことになっちゃうから。「福岡から来たのか、物好きだな!」なんて言われて。「すいません。1リットル、一升瓶でも構わないので小売りしていただけますか?」って言ったら、「ああ、いいけど。わざわざ買いに来たのか?」「はい。ちょっといろいろと醤油が好きで。あちらこちらのメーカーから醤油を買い求めているんですけども」「ああ、そうか。わかった。ちょっと待ってくれ」って。で、奥から1リットルのペットボトルに入ったのを「これでいいか?」とかって言って。

(中澤有美子)へー!

(安住紳一郎)そしたら「吟醸」とか書いてあって。たぶんいい醤油だと思うんですね。で、私のポリシーは吟醸とかプレミアものではなくて、ごくごく一般のラインナップっていうの? ファーストラインナップみたいなのがほしい。で、「こういう立派なものではなくて一番オーソドックスなものをください」って言ったら、「いちばんオーソドックス? ちょっと待って」ってオーソドックスなのを持ってきて。「でも、こっちの方が上手いんだよ!」って、吟撰の方をね。

(中澤有美子)先ほどすすめてくれた。

(安住紳一郎)「絶対こっちなんだよな。こっち、売りたくねえんだ」みたいなことになっちゃって。「でも、私は収集の定義からいってこっちなんです」「収集の定義ってなんだ?」みたいなことになっちゃって。

(中澤有美子)アハハハハッ!

(安住紳一郎)「全国の醤油メーカーのいちばんオーソドックスな醤油の味を比べてるので、逆にそのプレミアとか吟撰とかついてしまっては困るんです」みたいなこと言って。「でも全国の味を調べているんだったら、余計に困るんだけど!」みたいなことになっちゃって。

(中澤有美子)ああ、そうか。自信を持ってこちらをおすすめしたいと。

(安住紳一郎)で、有耶無耶なままその2つをもらうことになって。で、まあとりあえずは、あんまり機嫌を損ねてもあれだから。「ああ、2つください」なんて言って2つもらって。さあ、そして問題の、なぜこの大堂津に醤油メーカーがひしめいてるのか? これだけお金かけて、これだけ時間かけて行ったわけですから、聞きたくて聞きたくて仕方がない。ちょっと、ある程度コミュニケーションができていないと向こうも話しづらいだろうから……みたいなところで、ちょっとね、無駄話なんかもして。

(中澤有美子)はい。

(安住紳一郎)で、いよいよ核心ですよ。 「で、ご主人、こちらの大堂津は人口4200人にして4つのメーカーがありますけども、なぜこの地区は醤油づくりが盛んなんでしょうか?」というね、過不足ない質問をね、ぶつけたわけですよ。

(中澤有美子)はい。本丸へ。

(安住紳一郎)本丸へ。もうこの日1日、時間とお金をたっぷりかけているのよ! で、その答えが聞きたくて行ったわけよ! そしたら前田吟さんがさ、遠近両用メガネをスッと外してさ、キッとこっちを見て言うわけよ。

(中澤有美子)はい!

(安住紳一郎)「キターッ!」って思って。「うううーっ!」って思うわけじゃない? 醤油マニアにはたまらないわけよ。だってインターネットにも本にも書いてないことを、これから直で耳で聞くんだから!

(中澤有美子)はい!

(安住紳一郎)そのシルバーの作業着の前田吟さんからさ。で、メガネを外したんだよ。で、こっちを見たんだよ? 「うわーっ!」って思ったわけ。前田吟さんが一言、私にビシッと言ったのよ。「知らん!」って。

(中澤有美子)フ、フハハハハッ!

(安住紳一郎)「ひえーーーーーっ! ひゃーーーーーーっ!」。

(中澤有美子)メガネ、外して(笑)。

(安住紳一郎)別に意地悪して言っているわけじゃないのよ。本当に知らないんだって。メガネをバッと外して、「知らん!」。

(中澤有美子)アハハハハッ!

(安住紳一郎)忘れられないよ、あの光景は。びっくりしたもん! 「ひえーっ!」って言ったもん。俺、本当に(笑)。

(中澤有美子)安住さん、涙目になっている(笑)。

(安住紳一郎)「な、なんで知らないの!?」って。「待ってください、ご主人! 全国には1500のメーカーがあって、全国平均は人口10万人に1メーカーの割合なんですよ。こちらの大堂津地区は人口4200人で4メーカーじゃないですか。全国的に見て大変特異な地域なんですよ。なにか、理由はありますよね? 教えてください!」って。

(中澤有美子)すがるように(笑)。アハハハハッ!

(安住紳一郎)で、前田吟さん。メガネを外して歩きながら、僕の方に来て。僕の持っている醤油の吟撰の方のラベルを拭き拭きしながら、「そんなこと言われても、俺たちそんなこと知らねえもん!」って。

(中澤有美子)アハハハハッ!

(安住紳一郎)うん。本当なんだよ。「えっ、そうなの?」って言ってたよ。「このへん、そんなに多いの? 昔からみんなやっているからな。全国的にこの地区は醤油メーカーが多いのかい?」なんて言われて。

(中澤有美子)じゃあもう、ご自身も良さに気づいていないみたいな。

(安住紳一郎)びっくりですよ。もうこんこんと説明しておきましたよ。「大変に珍しい地区ですよ!」って。まあでもね、自分の魅力に気づいていない美人ほど、美しいと言いますからね。またそんな素朴さがね、いいのかなとも思いましたけども。

(中澤有美子)へー!

(安住紳一郎)驚きましたよ。メガネを外して……たぶん、迷ったんだろうね。「えっ、なに言ってんの?」みたいなことだったんだろうね。パッと外して、「知らん!」って。

(中澤有美子)アハハハハッ!

(安住紳一郎)「知らん!」って言われて。あた時間がある時、ゆっくり行って、いろいろと調べたいと思いますけど。たぶんね、いろいろと焼酎作りが盛んだったとか、水が美味しいとかいろいろとあると思うんですけどね。たぶん、住んでらっしゃる方、自分の街の良さに、まあ謙虚な気持ちも含めてかもしれませんが、ちょっとあまりそういう風に自慢するような感じでしゃべってなかったのかもしれないなと。まず、そこの素朴さがまたたまらないんですけどね。

(中澤有美子)本当にそうですね。へー!

(安住紳一郎)帰りの車、レンタカーの中で……私も普段はメガネを掛けるんですけども。メガネを取って「知らん! 知らん!」って練習して(笑)。

(中澤有美子)アハハハハッ! フハハハハッ!

(安住紳一郎)「かっこよかったな、あれ……」「知らん! 知らん!」ってずーっと。ルームミラーを見ながら「知らん! 知らん!」って練習して(笑)。

(中澤有美子)フハハハハッ!

(安住紳一郎)はー、びっくりした! 長くなりました。今日のメッセージテーマはこちらです。

<書き起こしおわり>

ハライチ澤部『おさるのジョージ』黄色い帽子のおじさんの謎を語る

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ハライチの澤部さんがTBSラジオ『ハライチのターン!』の中で絵本『おさるのジョージ』についてトーク。お子さんのために購入した絵本の奇妙な内容や、黄色い帽子のおじさんの謎について話していました。

(澤部佑)岩井さんが結構前かな? ここで雑誌……なんか本を紹介したりしていたでしょう? なんか、言ってたよね。大人の男の雑誌。

(岩井勇気)ああ、東京カレンダーか。やったね。

(澤部佑)ああいう本を紹介するというかね。俺もこう、この間、「あれっ、ちょっ……ええっ!? なっ……ええっ?」っていう本に出会ったというかね。まあ絵本なんですけど。

(岩井勇気)絵本?

(澤部佑)それ、今日持ってきているんですよ。『おさるのジョージ』って知っている?

(岩井勇気)『おさるのジョージ』。うん、わかるよ。

(澤部佑)ああ、わかる? 『おさるのジョージ』って猿のジョージっていうのが主人公で。で、いろんな人とふれあいながら、ドタバタをいろいろと繰り広げるっていうね。あれ、アメリカとかイギリスなのかな? わかんないけど。

(岩井勇気)あ、そうなんだ。日本のアニメじゃないんだ、あれ。

(澤部佑)原作は日本じゃないんだよね。

(岩井勇気)アニメーションにしているのは日本なの?

(澤部佑)いや、でも世界でやっているらしいよ。おさるのジョージって、猿が主人公で。で、その猿と一緒に暮らしているのかなんなのか、ジョージの友達みたいな黄色い帽子のおじさんっていうね。その2人をメインに繰り広げているアニメ、お話なんだけど。猿が主人公で。次、二番手の人間が「黄色い帽子のおじさん」って名前がないんだよ。知ってた?

(岩井勇気)えっ、なんなの? なんて呼ばれてるの?

(澤部佑)「黄色い帽子のおじさん」。

(岩井勇気)怖っ! 怖いね……。

(澤部佑)二番手が。で、その2人が繰り広げていくドタバタ劇で。

(岩井勇気)でも「ジョージ」って呼ばれてるんでしょ?

(澤部佑)ジョージって呼ばれている。でも、黄色い帽子のおじさんは永遠に黄色い帽子のおじさんなんだよ。

(岩井勇気)フフフ(笑)。えっ、黄色い帽子のおじさんとジョージは会話しないの?

(澤部佑)会話はしない。ジョージはだって猿だから。しゃべらない。それを、なんかナレーションみたいな女性の声で「ジョージはひらめきました」みたいな。全部。で、ジョージは「ウッキー、ウッキー!」みたいな感じよ。

(岩井勇気)ジョージの気持ち、心境は言ってないのね?

(澤部佑)そうそう。それの絵本。ざっくり言うと、ジョージが友達の女の子と幼稚園に行って。で、幼稚園でいろいろと遊んで、「楽しかったね!」って帰っていくみたいな絵本なんだけど。その絵本、いろいろと幼稚園で起こることを、ちゃんと時間をお知らせしながら展開されていくというか。

(岩井勇気)1日の。

時間とともに進む話

(澤部佑)そう。「朝7時、そろそろ出発です」みたいな。で、「お昼12時……」みたいな。ちっちゃい子に時間の概念を教えるというか、そういう意味も込められている絵本なのね。それをちょっと前に買って、この間夜に子供に読むことになって。「これ、読んで!」って持ってきたから読んだんだけども……それでちょっと、軽く読んでいくと、最初に黄色い帽子のおじさんがジョージに幼稚園に行くからフルーツとかを持たせてさ。「忘れ物はないかい?」みたいな。

(岩井勇気)うん。

(澤部佑)で、「7時。そろそろ出かける時間です。幼稚園はどんなことをするのでしょう? 勉強もするのかな? ジョージはリュックに鉛筆を入れました」と。それが7時ぐらい。で、「8時です。ジョージとアリーはバスのりばで幼稚園のバスを待ちます」。アリーという女の子とジョージが一緒に幼稚園に行くの。

(岩井勇気)はいはい。……名前、ついてんじゃん? その子。

(澤部佑)ん? その子は名前ついてるんだよ。でも、二番手の人は黄色い帽子のおじさんなのよ。で、「バスは時間ぴったりにやってきました。2人を乗せたバスは幼稚園に向かいます」。「9時です。ジョージとアリーは幼稚園に到着しました」って。バスに1時間乗っていたんだね。

(岩井勇気)すごいね。

(澤部佑)まあまあ遠い幼稚園だね(笑)。猿とちっちゃい女の子、1時間バスに乗っていたんだね。「9時です。ジョージとアリーは幼稚園に到着しました。ジョージはアリーの友達に囲まれて、とってもうれしそう」「10時になると先生がクラスのみんなを集めて言いました。『絵本の時間ですよ』。ジョージも一緒にイスに座ってお話を聞きます」。

(岩井勇気)うん。

(澤部佑)「……ジョージはアリーの友達に囲まれて、とってもうれしそう」。これ、あれっ?ってまずなってね。

(岩井勇気)えっ、なになに?

(澤部佑)あれ? 「ジョージはアリーの友達に囲まれて、とってもうれしそう」って、1ページ前に出てきているよね? でも、「ジョージはアリーの友達に囲まれて、とってもうれしそう」って全く同じ絵の全く同じ文言のページがフワーッて出てきたの。「あれっ? なんだろう?」って思って次のページをめくります。「10時になると先生がクラスのみんなを集めて言いました。『絵本の時間ですよ』。ジョージも一緒にイスに座ってお話を聞きます」。

(岩井勇気)うん。

(澤部佑)これも1回出てきているの。

(岩井勇気)出てきちゃうんだ。

(澤部佑)そう。出てきているの。あれっ?って。「お話が終わると、どこがいちばん面白かったか、みんなで話し合います。ジョージが気に入ったのはお城の場面」「11時になりました。次は砂場遊びの時間です。幼稚園ってなんて楽しいところなんでしょう」「……お話が終わると、どこがいちばん面白かったか、みんなで話し合います。ジョージが気に入ったのはお城の場面」。

(岩井勇気)えっ? どういうこと?

(澤部佑)私、いま普通に順番にページをめくって読んでいってるんですけど(笑)。またちょっと同じところが。だから俺、「え、ええっ?」って。子供に読みながら、「あれっ、えっ、なんだこれ?」って。

(岩井勇気)怖い怖い怖い……。

(澤部佑)「印刷ミスか? あれっ?」ってなりながら。「11時になりました。次は砂場遊びの時間です……」。

(岩井勇気)あれ? さっき「11時」って言っていたよね?

(澤部佑)そうです。さっき、もう砂場遊びの時間、説明してますよね? 「11時になりました。次は砂場遊びの時間です。幼稚園ってなんて楽しいところなんでしょう。ジョージは砂遊びが大好き。いつの間にかジョージも教室も砂だらけです。そろそろお片付けをしなくっちゃ」「12時になりました。待ちに待ったお弁当の時間です。たっぷり遊んだからお腹がペコペコ」。で、ご飯を食べてさ。で、1時になって。ここからは普通に展開されていくの。1時になって……。

(岩井勇気)怖いところ、あったね。

(澤部佑)で、2時になってバスに乗って、アリーの膝枕で帰っていって終わっていくんだけども。中盤、「アリーの友達に囲まれてとってもうれしそう」。10時になると「絵本の時間。どこが面白かったか、みんなで話し合います。ジョージが気に入ったのはお城の場面」。あと、砂遊びの時間とかが繰り返し登場してくるんだよ。

(岩井勇気)怖っ! ループしてんね。

(澤部佑)そう。だから、最初は俺もさ、「ああ、印刷ミスか」って思ったんだけども、たぶんこれ、タイムリープなんだよね。

(岩井勇気)タイムリープ(笑)。『おさるのジョージ』が?(笑)。

(澤部佑)『おさるのジョージ』のこれ、タイムリープ作品なんだよ、これは。やっぱりおさるのジョージ、とっても楽しかったんだよ、たぶん。まずこの「ジョージはアリーの友達に囲まれてとってもうれしそう」。ここが二度繰り返されているから。

(岩井勇気)そこは楽しかったんだよ。

(澤部佑)やっぱり友達に囲まれるのがすごい楽しかったんだよ。で、10時になって絵本の時間。これもすぐ繰り返されています。絵本がやっぱりすごい楽しかったんだよね。で、お話が終わったあと、どこがいちばん楽しかったか話し合う。お城の場面。これも繰り返されています。これもやっぱりジョージはすごい楽しかった。だから、繰り返したい。自分の能力を使って、タイムリープして戻っているんだよ。

(岩井勇気)やばいね。

(澤部佑)これ、普通の絵本なんかはただ、幼稚園に行って遊びましたっていう絵本だったら、俺はいちいち引っかからないけど……表紙に時計をあしらって、で、いちいち「11時になりました。次は砂遊びの時間です。幼稚園ってなんて楽しいところなんでしょう」って。

(岩井勇気)表紙に時計が書いてあるわ。



(澤部佑)そう。「お話が終わると、どこがいちばん面白かったか、みんなで話し合います。ジョージが気に入ったのはお城の場面」「11時になりました。次は砂遊びの時間です。幼稚園ってなんて楽しいところなんでしょう」。

(岩井勇気)うわっ!

(澤部佑)タイムリープしちゃっているんだよ、ジョージが。

(岩井勇気)ヤバいね! 出れなくなっちゃうよ、お前! その時間から……。11時を繰り返して。

タイムリープを繰り返すおさるのジョージ

(澤部佑)そう。11時と10時の絵本の時間と、繰り返しているから。10時の絵本の時間。11時の砂遊びの時間。ここを二度繰り返すの。ジョージは。

(岩井勇気)怖っ!

(澤部佑)で、おそらく能力の使いすぎでしょうね。最後、女の子の膝枕で疲れて寝てバスで帰っていく。

(岩井勇気)おかしいもんね!

(澤部佑)おかしいよ。

(岩井勇気)2時にクタクタになって寝ること、ないもんね。

(澤部佑)2時に猿がクタクタになるの、おかしいから。疲れて寝て帰るという。

(岩井勇気)これ、怖いね。

(澤部佑)だから私は別に一切、おそらくこの本を出した会社とか、印刷したところを怒るつもりはないんですよ。これを交換しろとも思いません。なぜなら、これはジョージのタイムリープ作品なんです。として捉えて、私は読みましたから。

(岩井勇気)そうなんだよ、たぶん。

(澤部佑)本当にそうなんだよ、たぶん。

(岩井勇気)これ、やっぱり猿だからさ、黄色い帽子のおじさんの実験というか。猿にその能力を与えて、まず猿で実験してるんじゃないの

(澤部佑)フハハハハッ! 黄色い帽子のおじさんの能力……なんか、改造されているのかな?

(岩井勇気)動物実験みたいな。やっぱり名前が出てこないの、怪しいもん。やっぱり。明かしてないんだよ。

(澤部佑)ああっ、本当だ! 匿名でずっと生活しているわ。

(岩井勇気)名前を言っていないんだよ。

黄色い帽子のおじさんの秘密

(澤部佑)おさるのジョージがいざ、なんかヤバいと思って、黄色い帽子のおじさんを疑っても……名前を明かしてないから、たどり着けないんだ。

(岩井勇気)そうだよ、ヤバいよ。

(澤部佑)そうだ。だから本当に、俺は読みながら怖くなってきちゃって。俺はだから、これはそういうもんだと思って娘に読み聞かせているから。娘もそういうもんだと思って聞いているからさ。「何回やるの? 砂?」とか、もうおそらくおさるのジョージのタイムリープっていうのは認識しているから。

(岩井勇気)怖っ!

(澤部佑)いや、もうヤバいです。

(岩井勇気)だからたぶん最終的にはおさるのジョージが「こんなんじゃダメだ!」ってなって、その黄色い帽子のおじさんが最初にタイムリープの機械を開発した時にまでさかのぼって壊しに行くんだね。

(澤部佑)壊しに行くんだよ。で、1個、機械をまず壊す。でも実は、予備でもう1個作っていて、また元の世界に戻ってきても、まだタイムリープが続くっていう……。

(岩井勇気)怖え~!

(澤部佑)で、「また戻って……ダメだ、どうしてもアリー、あの女の子が殺されてしまう……」みたいな(笑)。

(岩井勇気)フハハハハッ! 何回やっても?

(澤部佑)「何回時を戻っても、殺されてしまう……」みたいな。

(岩井勇気)新しいゲートに入らないと。やっぱり。その、だからSOSをジョージはその本で出しているんだろうね。

(澤部佑)フハハハハッ! その本と出会ったのが澤部家なんだね。

(岩井勇気)だからお前に課された使命なんだよ、それは。

(澤部佑)そうなんだよ。黄色い帽子のおじさんを、俺が仕留めなきゃいけないのかもしれないね(笑)。

(岩井勇気)そういうことだよ(笑)。

<書き起こしおわり>

松尾潔 Toni Braxton『Long As I Live』を語る

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松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でトニー・ブラクストンの新曲『Long As I Live』を紹介。そこからミント・コンディションやサウンズ・オブ・ブラックネス関連の楽曲などを紹介していました。


(松尾潔)さて、今週それでは本編1曲目とまいりましょう。新曲です。この人も90’sディーバの代表格と言って差し支えないんじゃないでしょうかね。先週もご紹介いたしました。LA&ベイビーフェイスというプロデューサーチーム。彼らが主催したらラフェイスレコードというレーベルのファーストレディーと言いますか。象徴的な存在として90年代そして、ゼロ年代と活躍を続けてまいりましたトニー・ブラクストン。

しばらく、本人が言うところの公私ともに低迷期というのが続きましたが、ここ数年は恩師ともいえるベイビーフェイスとのデュエットアルバムで鮮やかに復活を遂げまして。そしていよいよ今年、久しぶりのソロアルバムがリリースされます。それに先駆けてのシングル、いくつか彼女はドロップしているんですが、今月リリースされたばかりの最新ナンバーをお届けしたいと思います。トニー・ブラクストンで『Long As I Live』。

Toni Braxton『Long As I Live』



(松尾潔)お届けしたのはトニー・ブラクストンで最新シングル、『Long As I Live』。「生きている限り」という曲ですね。こんな言葉がしっくりくる、そんな年齢です。トニー・ブラクトンは1967年10月生まれ。50才でございまして。まあ、日本の感覚でいうと僕なんかと同世代ですね。同学年ということになるのか。トニー・ブラクストンが50代か……と思うと、「90年代も遠くになったんだな」なんてことも感じたりするんですが。

たとえば、さっきメールご紹介しましたホット・バタフライさんなんかも「50才」っていう風にメールに書かれてますけどね。トニー・ブラクソンの復活に熱い思いを覚えてしまう、そういう方は少なくないのではないでしょうか? トニー・ブラクストン、ニューアルバム『Sex & Cigarettes』のリリースも目前となっております。その中から、『Long As I Live』をお届けいたしました。さて、トニー・ブラクストンといえば、現在はラッパーのバードマンという、ちょっと強面のラッパーにして事業家でもあるというね、そういう人とお付き合いしているという噂を伝え聞いておりますが。


2001年に結婚して、21世紀のR&Bシーンのセレブリティーカップルと当時、言われていたのがミント・コンディションのキーボーディスト、ケリー・ルイスでした。ミント・コンディションといえば、その後見人といいますか、パースペクティブ・レコードというところの所属でしたけども。パースペクティブ・レコードを主催しているのがジャム&ルイスというわけで。これはね LA&ベイビーフェイス、ラフェイスの好敵手と言われた人たちですよ。言わずと知れたジャム&ルイス。ですから、その二大プロデューサーチームのそれぞれの秘蔵っ子のような、トニー・ブラクソンとミント・コンディションのケリー・ルイス。この人たちが結婚したということでね、「音楽っていいな」と思いましたね(笑)。まあ、きれいにまとめるならばね。

そもそもね、音楽の場合はどちらも勝者ということが言える、そんな領域かと思いますから。で、実際にトニー・ブラックストンは結婚したケリー・ルイスと一緒にアルバムを作り始めまして。ただ、それはともなおさず、トニー・ブラクストンがLA&ベイビーフェイスから離れていくということにつながりましたし、ケリー・ルイスにしても、ミント・コンディションを離脱するということで。このあたりがね、やはり音楽とプライベートというのは切り離せない。そしてそこの先に音楽もあったりするってことなんでしょうかね。

まあ、どこが起点になってるかっていうのは定義によりますけれども。そんな話のひとつも出てくるとトニー・ブラクストン、ミント・コンディションの関係。ミント・コンディションといえば日本でもファンが多いですし、いまバック流れております『Breakin’ My Heart』。この曲をはじめとしまして、名曲も多いです。



その中心人物であります、リードボーカルのストークリー。この番組でもよくストークリーの話ししてますよね。この間もご紹介しましたけども。いま、2018年時点でも現役であれだけ活躍しているということで、その母体となるミント・コンディションの名前も輝きを失っていないという、そういうところもあるかもしれません。そんなミント・コンディションの代表曲『Breakin’ My Heart』を女性ラッパーのレミー・マーが……この番組では名前ぐらいご紹介したことがあるかもしれませんが、楽曲ははじめてとなるのかな?

レミー・マーがなんとクリス・ブラウンをフィーチャーしてラップカバーしてますね。まあ、これから聞いてる曲というのは最近のクリス・ブラウンの客演ものとしては指折りの出来じゃないかなと思っております。今年に入ってリリースされたばかりのシングル、聞いてください。レミー・マー feat. クリス・ブラウンで『Melanin Magic (Pretty Brown)』。

Remy Ma『Melanin Magic (Pretty Brown)』


Lo-Key『I Got A Thang 4 Ya』



(松尾潔)トニー・ブラクストンのパートナーでしたケリー・ルイスが所属しておりましたミント・コンディション『Breakin’ My Heart』。『 (Pretty Brown Eyes)』というサブタイトルがついてましたけども、その曲を巧みに、美味しいところだけ引用したっていうんですかね? 面白い感じに再構築しておりました女性ラッパーのレミー・マーの新曲『Melanin Magic (Pretty Brown)』。フィーチャリング、クリス・ブラウンでお届けしました。

続いてご紹介しましたのは、そのミント・コンディションのライバルバンドと申しますか、同じジャム&ルイスが主催するパースペクティブレコードの二大看板バンドのもう一方でありました、ロウ・キーの『I Got A Thang 4 Ya』。1992年から93年にかけてロングヒットした曲ですね。もう25年前の曲になりますけれどもね。僕もいまだに大好きな曲をお聞きいただきました。先ほど、ケリー・ルイスの話をしてミント・コンディションという流れで、ちょっと「ミント・コンディションに在籍していた」みたいな言い方をしたんですけども。そうなんですよね。

さっきお話しましたように、直接のきっかけではないにせよ、トニー・ブラクストンと結婚して、トニーのプロデュースをやったり、そういった仕事が増えて、本体・母体でありますミント・コンディションでの活動がなかなか両立できなくなったんでしょうね。ケリー・ルイスはミント・コンディションから独立します。で、プライベートの事でお話しますと、トニーとケリーのカップル。結構ね、長らくおしどり夫婦と言われていたんですけどね、惜しくも2013年に離婚しました。40代のトニー・ブラクストンっていうのは公私ともになかなか思うようにいかないという時期が続いたように見受けられます。

ですが、その40代の後半も後半になって、師弟関係にあると言ってもいいんでしょうかね。ベイビーフェイスが「また一緒にやろうよ」ということでデュエットアルバムを作りまして。それがヒットして、グラミーにも輝き、そしてこのたびのカムバック・アルバムのリリースというわけでね。やっぱり人生長いですから、これからもいろんなことがあるかもしれませんが、こうやって50代でカムバック。・アルバムを出すなんていう人には、本当に勇気づけられますね。ロウ・キーはいま、何をしてるのか?って話になるんですけど。ロウ・キーはバンドとしての活動もさることながら、ミント・コンディション以上にプロデュース・ワークで忙しかった人たちです。

アレクサンダー・オニールの『All True Man』というアルバムを手がけたことは、いまでも語り草になってますが。ある時期に、同じ場所に集ってた人たちが、そこで得たものを他のいろんな場所で伝えていくとも言えますし。後に多岐に渡って活躍するような人たちが、ある時期に集っていたという言い方もできますけども。考えてみますと、そもそもそのジャム&ルイスという人たちが、プリンスというとんでもない、とてつもない天才の下に集ったある時期のミネアポリスの若者たちの中の2人だったわけで。もしかしたら、いや、おそらく音楽の歴史というのはね、そういう求心力のある存在がいつも牽引しているんじゃないかなということを、ラフェイスとかジャム&ルイスのことを考えると、そういう結論になってしまいますね。

そのジャム&ルイス主催の名門パースペクティブ・レコード。もういまは存在しませんが、そこがなかなかにユニークだったのは、こういったバンド物。もともとね、ジャム&ルイスがザ・タイムというバンド出身だっていうところもあって、このあたりはプロデュースはお手の物って感じでしたけども、それ以外に自分たちのルーツ。大きな大きな柱であるゴスペルに目を向けたところなんですよね。しかも、そのゴスペルをモダンな音の意匠で送り出して、ちゃんとポップヒットさせたっていう、このあたりがね、当時「ジャム&ルイスおそるべし」と言われた所以ですね。

一方でね、ジャム&ルイスといえばこの人という形で、ジャネット・ジャクソンのヒットもずっとコンスタントに90年代は生み出しながら、そして一方では伝統に根ざしたゴスペルというところをちゃんと視野におさめて。自分たちのレーベルの「こんなことをやりましたよ」っていう……「名誉職として大先輩をレーベルに顧問にお迎えしました」とか、そういうニュアンスじゃなくて。ちゃんとレーベルの大きな戦力として、決して若者ばかりともいえないゴスペル集団、サウンズ・オブ・ブラックネス。もうミネアポリスに古くから活動していた、そんなチームを改めて、全米に自分たちの地元の先輩にこんな人たちがいるんだ!っていうことを知らしめた。これは大きな功績でしたね。

そんなサウンズ・オブ・ブラックネス、ヒット曲がいくつかございますが、何と言ってもパースペクティブ・レコードから全米に紹介されるような形になってリリースした『Optimistic』というこの曲がファンがいちばん多いんじゃないでしょうかね?



そんな『Optimistic』がこの度、蘇りました。そして、そのボーカルをとっているのはとブランディーでございますね。ブランディー、そしてラッパーのコモン、さらにはロバート・グラスパーですよ。ロバート・グラスパー、いま「ジャズの」と言おうかと思ったんですけども、「ジャズの」というよりも、「いまのアメリカン・ブラック・ミュージックっていうのを新しく定義し続ける男」と言ってもいいかもしれませんね。ジャズ、R&B、ヒップホップ、もう縦横無尽に活動を展開しております。ロバート・グラスパーとコモンが手を組みまして、オーガスト・グリーンというね、ユニットを作ったんですが。

オーガスト・グリーンの話はちょっと後においておきまして、まずは曲を聞いていただきましょう。ブランディーをボーカルにフィーチャーしております。曲はサウンズ・オブ・ブラックネスのカバーとなります。『Optimistic』。

August Greene featuring Brandy『Optimistic』



オーガスト・グリーンという新しいユニットですね。ラッパーのコモン。コンシャスなラッパーとして、もう不動の地位を確立しております。コモンがロバート¥グラスパーという、さっきもお話しましたように、アメリカの広く黒人音楽っていうのをいま、本気で新しく定義しようとしている男はいますが。ロバート・グラスパーと組んで。そしてあと、この人を忘れちゃいけませんけれどもね。ドラマーのカリーム・リギンス。この人はジャズ・ドラマーですが、才人ですね。日本にもたびたび来てますが、カリーム・リギンス。この3人で作ったユニットがオーガスト・グリーン。そこにブランディーがフィーチャーされるという形。

まあ僕はね、けどここで面白いなと思ったのは、僕ぐらいのまあ「メロ夜世代」いう風に申し上げますね。いま、40代・50代。これくらいの方々にとってはブランディーって言うと90年代に天才少女シンガーとして世の中に出てきた時のイメージが大変に強いと思うんですけど。ブランディーってちょうど今月、つい最近39才になったそうなんですよ。で、90年代にサウンズ・オブ・ブラックネスが『Optimistic』をヒットさせた時、「ずいぶん大人っぽいアプローチでジャム&ルイス、本気でやってるな!」と思いましたけども。その時にリードボーカルだったアン・ネズビーって35才だったんですよね。ベテラン女性シンガーがフィーチャーされてるっていう売りだったサウンズ・オブ・ブラックネスより、いまのブランディーの方が年上なんですよね。そういう意味じゃ、『Optimistic』のこの新しいオーガスト・グリーンバージョンっていうのは十分にアダルトなR&Bということが言えるんじゃないでしょうか。

<書き起こしおわり>

松尾潔 2018年注目の韓国系・南米系R&Bアーティストを語る

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松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中で非アフリカン・アメリカンのR&Bを紹介。韓国系シンガーAnnaleやTablo、Eric NamとGallantのコラボ、そしてコロンビア系シンガーのKali Uchisを紹介していました。


(松尾潔)それに続けてご紹介しましたのが、先ほどから何度か名前をここで上げてまいりました、ミント・コンディションの中心人物で昨年ソロとして大活躍しましたストークリーがプロデュースしてかつ、デュエットでも参加しているという女性シンガー。アナレイ(Annale)って読むんですかね? 僕もきちんとした発音自信ないんですが。『Back of My Hand』という曲でした。フィーチャリング、ストークリー。

Annale『Back of My Hand (Feat. Stokley)』



(松尾潔)このアナレイという人はね、2年ぐらい前から僕は名前を聞くようになりました。で、『Showtime』っていう去年リリースされた曲でストークリーがプロデュースしているというのが好事家の間ではニュースになっておりましたが。



今回はそのストークリーがいよいよ、デュエットパートナーとしてフィーチャリングされておりまして。もうすぐアルバムが出るのかな? アナレイという方は韓国系女性シンガーですね。コリアン・アメリカンだそうですが。彼女の名前もちょっと覚えておいて損はないんじゃないでしょうか。『Back of My Hand』、ご紹介いたしました。まあね、こういうアメリカと韓国のR&Bのコラボレーションっていうのは最近増えてるんですよね。いま、バックで流れております曲は『Circle』という曲でございまして。最近、割とそうですね、移動の時なんかに僕は聞いている曲なんですけど。セイという、ある女性ボーカルグループからソロになった女性がティッシュ・ハイマンっていうアメリカの女性ラッパー……歌も歌いますけどね、ラッパーとしての活動が目立ちますが、そのティッシュ・ハイマンをフューチャリングした曲です。



こういったね、US R&BとコリアンR&Bのコラボっていうのは、ちょっとここ来て増えてますね。まあ、もちろんアメリカの市場においてもK-POPのアーティストたちが一定の存在感を示し始めたということと無縁ではないでしょう。まあ、昔からその2ne1ですとかね、BIGBANGですとか、防弾少年団とか。もちろん少女時代とかね、そういった人たちも、J-POP以上にK-POPっていうのがアメリカ進出に自覚的ですし。一朝一夕に生まれたコラボじゃないんだなと思って、さっきのストークリーの歌声を聞いていたわけなんですが。

続いてご紹介するのは、これも去年リリースされたものでして。男性×男性というコラボレーションです。アメリカからはガラントが登場します。ガラントはこの番組でも一昨年あたりはよくご紹介した記憶がありますね。そのガラントが韓国のタブロ。このひとはエピック・ハイっていうユニットの人ですよね。それぐらいは僕も知っているっていう感じなんですけど。まあ僕もK-POPの仕事をプロデューサーとしていくつかいままでやってまいりましたけれども。

そんなに直接付き合いのあるような人たちではないんですが。あとエリック・ナムという人……ひらたく言いますと、アメリカから1人、韓国から2人ということで男性が3人でR&B、ラップ、そういったものを共演しております。これは結構な聞き物なんですよね。意外とまだ、日本では取りざたされることもそんなないような気もいたしまして。このタイミングでご紹介いたします。聞いてください。ガラントとタブロ、エリック・ナムの共演で曲は『Cave Me In』。

Gallant x Tablo x Eric Nam『Cave Me In』


Kali Uchis『After The Storm ft. Tyler, The Creator, Bootsy Collins』



ブルーノ・マーズの大活躍でもはやR&Bというものがアフリカン・アメリカンの専売特許ではないという時代、もう本当にまざまざと見せつけられているような、そんな気がするのですが。今日、ご紹介したいくつかのナンバーも、その時代というものを背負ってますね。いま聞いていただいた2曲はいずれもそんなことを強く印象づける、そんなナンバーでした。まずはガラントがタブロとエリック・ナムという3人で……どっちかというと、主導権は韓国勢にあるんだなっていうのを聞いてみて、ひしひしと感じましたけどね。『Cave Me In』という曲。

これは……ガラントはね、この番組でも『Weight In Gold』とかあと『Miyazaki』っていう曲をご紹介した記憶がありますが。

松尾潔 Gallant『Miyazaki』を語る
松尾潔さんがNHK FM『松尾潔のメロウな夜』の中でGallantの新作アルバム『Ology』から『Miyazaki』を紹介していました。 (松尾潔)続いてご紹介しま...

僕がこの番組で繰り返し言っているドレイク以降の、ああいうフロウの、アンビエントなっていうんですかね? そういうR&Bであると同時に、K-POPというか、韓国のR&Bの持ち味も十分に活きているなと思いました。エピック・ハイのタブロとエリック・ナム。もちろん、この人たちというのはアメリカンカルチャーのい影響が強い。あちらで生活をしていた時間も長いというような人たちなんですがただ、この曲はビデオが香港で撮影されてまして。そういったところも含めて、なんかアジア発信っていうところを強く打ち出しているのは面白いなと思いました。それが国際競争力にもなるのでしょうね。いまの時代はね。

そして続いてご紹介しました、これはね、ちょっと新曲かな?っていうぐらいの気持ちの良いレイドバックしたリズムでございました。女性シンガー、カリ・ウチスがラッパーのタイラー・ザ・クリエイター、そしてかのブーツィー・コリンズをフィーチャーした、これも三つ巴楽曲でした。『After The Storm』。リリースされたばかりのシングルです。カリ・ウチスという人はダニエル・シーザーとのデュエット『Get You』という曲、これを去年ロングヒットさせましたが。



あれはあくまでもダニエル・シーザーに軸足が置かれておりましが、今回はね……まあ、ブーツィー・コリンズが年末もクリスマスナンバーでカリ・ウチスに声をかけたりしていましたから。同じ時期に作った作品何でしょうが。そこにタイラー・ザ・クリエイターというこの数年の西海岸ヒップホップシーンを牽引しているオッド・フューチャーという集団のボスですね。この間、グラミー賞授賞式で存在感を発揮してましたが、そのタイラーとブーツィー・コリンズという新旧のアメリカン・ブラックミュージックのアイコンと一緒にやってるか面白いのですが。

そのカリ・ウチスっていうこの名前の響きからお察しできるかもしれませんが、この人はいわゆるアフリカン・アメリカンとはちょっと違って、コロンビア生まれなんですよね。そういったところもいまのR&Bシーンの面白みですよね。コロンビア生まれの才女がブーツィー・コリンズとね、共演するという。まあ、私ごとながら、僕が初めて製作に関わった1996年のジョン・Bという人の『Simple Melody』っていう、これはベイビーフェイスが送り出した白人R&Bアーティストとして当時、ちょっと変わった存在と言われた人なんです。

実はそこにもブーツィー・コリンズがフィーチャーされていましたからね。まあ、僕ははじめて製作した曲が、だからブーツィー絡みの曲だったんで。ブーツィーの名前は特別なものになってるんですが。それからもう20年以上経って、ブーツィーの使われ方がいまもほとんど変わらない意味合いにおいて使われてるっていうところに、「ブーツィーの前にブーツィーなし、ブーツィーの後にブーツィーなし」っていうのを感じて、ちょっと頼もしいですね。そんな個人的な感想もございました。

<書き起こしおわり>

能町みね子 ミャンマーのタクシー配車アプリの便利さを語る

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能町みね子さんがTBSラジオ『ナイツのちゃきちゃき大放送』の中で旅行で訪れたミャンマーのタクシー事情についてトーク。普及しているタクシー配車アプリにより、非常に便利だった話をしていました。

(土屋伸之)他はなんか気になったニュース、ありますか?

(能町みね子)ニュースがだいぶ、はじめて聞くような話ばっかりなので……。

(一同)フハハハハッ!

(塙宣之)今週は特別なんですよ。オリンピックばっかりだったんで。

(土屋伸之)オリンピック以外のニュース、あんまり耳にしなかったですね。

(能町みね子)そうですね。だから私の中では(旅行をしていた)ミャンマーのニュースしか頭に入ってなくて……。

(塙宣之)ミャンマーニュースでいいですよ。

(能町みね子)ミャンマーニュースはですね、別に今週のっていうわけじゃないんですけど。ミャンマーのタクシーは日本より圧倒的に便利っていうのがあります。

(土屋伸之)えっ、そうなんですか?

(能町みね子)それにびっくりして。

(出水麻衣)日本も相当便利ですけども……。

(能町みね子)まあ、日本でぼったくられることは、まずないじゃないですか。でも、やっぱり東南アジア諸国だとそういう人もいるわけですけど。で、私は前にもミャンマーに行ったことがあって。その時は結構それに気をつけていたんですよ。メーターがないから、最初にお金を交渉しろって。「○○に行きたいから、いくらでお願いします」みたいなことを最初に言わなくちゃいけないとか、流しのタクシーはあんまりよくない人もいるから気をつけなきゃいけないとかあったんですけど。

(土屋伸之)うんうん。

(能町みね子)もう、いまはアプリです。全てアプリで。東南アジア何ヶ国かが加入しているアプリがあって。それで、「いま、ここにいて、ここに行きたい」っていうのを入力すると、近くにいるタクシーからそのグラブ(Grab)っていうアプリに登録したドライバーが顔写真付きで出てきて。顔写真と名前といままでの評価が星いくつって。

タクシー配車アプリ・Grab

Min ga la ba, Yangon! We are excited to be here in the beautiful city of pagodas. As the leading ride-hailing app in Southeast Asia, Grab looks forward to serving you rides that are safe, comfortable, and hassle-free. If you’re concerned about needing to haggle, you’ll love our fixed fares. What’s more, we’ll ensure that every ride comes with air-conditioner, and every driver trained. We are currently looking for willing testers to experience our beta trial in Yangon, so if you’re feeling curious, do visit www.grab.com/mm for more details on how to sign up. (Zawgyi) GrabTaxi ???????????????????????????????????.. ????????????????????????????????? ?????????????????????????? ??????????????????????????????????? ???? ??????????? ??????????????????????? App ???????? GrabTaxi ??? ?????????????????? ??????????????????? ?????????????????????????????????????????????????? ???????????????????????????????????????? ??????????????????????? ??????????????????? ????????????????????????????????????????????? air-conditioned ?????????????????????? ??????????????????????????????????????????? ????????????????? ????????????????????????????????????? www.grab.com/mm ????????????????????? (Unicode) GrabTaxi ?????????????????????????????????????.. ????????????????????????????????? ?????????????????????????? ??????????????????????????????????? ???? ??????????? ?????????????????????? App ???????? GrabTaxi ??? ?????????????????? ??????????????????? ?????????????????????????????????????????????????? ???????????????????????????????????????? ??????????????????????? ??????????????????? ????????????????????????????????????????????? air-conditioned ?????????????????????? ??????????????????????????????????????????? ????????????????? ????????????????????????????????????? www.grab.com/mm ?????????????????????

Grab Myanmarさん(@grabmm)がシェアした投稿 –

(土屋伸之)それは安心ですね。

(能町みね子)そうなんですよ。で、(見積もり)料金もすでに出た状態で。で、来てくれて。すでに評価をされている人なんで、そこで騙したりするようなことはない。安心してそれに乗って、目的地まで行って言われた通りの額を払うというだけで。

(土屋伸之)それはいいわ。



(塙宣之)めちゃめちゃ遠回りするアプリになっていたらどうします?

(能町みね子)まあ、アプリぐるみでやっていたら私も太刀打ちできないですけど(笑)。

(土屋伸之)アプリは信用しているからね。

(出水麻衣)でもじゃあ、ガラケーだとできないということですね。

(能町みね子)ガラケーだとできないですね。

(出水麻衣)塙さんは(ガラケーなので)じゃあ、できない。

(能町みね子)できないですね。

(塙宣之)自分が持ってないといけないんですか?

(土屋伸之)当たり前だよ!

(出水麻衣)携帯電話が手元にないとできないですよ。

(塙宣之)ああ、もうタクシーについているのかと思った。

(土屋伸之)タクシーに乗る前にアプリで呼ぶんだから。

(塙宣之)ああ、全然聞いてなかったです。

(一同)(笑)

(土屋伸之)ああ、もうガラケーとかの問題じゃないです。聞いてなかった(笑)。

(塙宣之)へー。じゃあ来てくれるんだ。すごーい。

(土屋伸之)それはすごいですね。聞いてよかった。ミャンマーのタクシーは便利。

(塙宣之)日本もそうなってくるんですかね?

(能町みね子)っていうか、日本もやってほしいんですけど。

(出水麻衣)日本も数社、配車アプリみたいなのやっていますけど。

(能町みね子)あるにはあるんですけど、結構会社によって分かれたりとか。呼ぶだけでお金がかかったりとかあるので。そういうことを考えると……。あと、料金も最初から決まっているということはまずないですから。あれはもう完全にミャンマーの方が進んでいて、すごいなと思いましたね。

(土屋伸之)いや、これは意外だったですね。ミャンマーのタクシー。

(塙宣之)行きたくなりますよ。楽だったら。

<書き起こしおわり>

杉作J太郎 カーリング韓国代表 メガネ先輩とガンダムSEEDを語る

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杉作J太郎さんが南海放送『MOTTO!! 痛快!杉作J太郎のどっきりナイトナイトナイト』の中で平昌オリンピック 女子カーリングの韓国代表、メガネ先輩ことキム・ウンジョン選手についてトーク。キム選手とガンダムSEEDについて話していました。

(杉作J太郎)(メールを読む)「カーリングの韓国チームのメガネの選手、趣味がガンプラだそうで。特にお気に入りがSEEDのストライクフリーダムとのこと。SEED好きの杉作さんとの不思議な一致を感じています」ということなんですけどね。これね、みなさん、僕は本当に昨日試合を見ていて……みなさんと一緒に見ていたから嘘じゃないんですけどね、あのメガネの人。韓国のリーダーみたいな人。スキップっていうんですかね? あの人の顔を見たときから、なんか不穏なものを感じていたんですよ。


まずはね、顔が池上遼一先生が描く女スナイパーみたいな顔をしていたんですよ。あの大きなメガネをかけてね、最後にやられたりひどい目にあうと、目が寄って倒れていくというね。そういう池上遼一先生が描くハードな女の顔をしていたんですね。で、僕は池上先生は『ガロ』という雑誌の先輩にあたりますので。編集部を経由しなければ失礼に当たりますけど、お聞きしようかと思ったぐらいですからね。「あの人の顔、描いたことありませんか?」って。そしたら「描いたことあるよ」っていう風に言うぐらい、池上先生の顔をしていたんですよ。

ところがね、最初は顔を見て引きつけられたんですけど、見ているうちに韓国チームのあのダブルテイクアウトという技が炸裂し始めて。ひとつの石でね、盤面にある日本チームの石を全部弾き出していくんですよ。それを見た時、僕は完全にSEEDを思い出していたんですよ。SEEDの中の、いわゆる「SEEDを持つ者」。キラ・ヤマト。キラが持っている能力にそっくりなんですよ! 敵に囲まれた時にね、敵を全部察知して。「あそこ、あそこ、あそこ……」ってマーキングするんですよ。するとね、一撃で全部バッとやるんですよ。「うわっ、SEEDみたいなことするな!」って思ったんですよ。



そしたら、その後情報が……僕にも情報が入ってきまして。「あのメガネの人、SEEDのファンですよ」っていうんですよ。「ガンダムのプラモ、作っていますよ。ストライクフリーダムを作っていますよ」って。で、そのストライクフリーダムの必殺技というのがまさにそれなんですよ。僕はね、不思議だな!って思って。



本当になんて不思議なことがあるんだろうって思ったんで、今日は最後にキム・ウンジョン選手……まあ、キム・ウンジョン選手が金メダルになるかどうかは明日の試合ですが。これ、来週の放送でお伝えしましょう。キム・ウンジョン選手がどうなったかは。だから本当にね、韓国チームの素晴らしい戦いぶりにも僕は感動したんですが。本当にね、SEEDを持つ者とSEEDが好きな者同士が……もちろん会ったことはないんですけども。なんか心で結ばれたみたいな。国も違えば、応援していた側でもなかったんですけど……実はガンダムSEED自体が応援とか応援じゃないっていう話なんですよ。

ガンダムSEEDというのは敵も味方もない話なんですよ。敵に対してひどいことをする人もいるんだけど……「そういうことをするのは悪者がすることだよな」って、これを脇役が言うんですよ。脇役でもそれぐらい素晴らしいことを言う物語。両澤千晶、森田繁という素晴らしい脚本家たちがね、いいセリフを書いてくれております。そのガンダムSEED。だから僕はね、リクエスト大会だけど、最後はやっぱりガンダムの曲だなと思っていたんですよ。

で、ガンダムの曲といってもいっぱいあるけど、なにをかけようかな?って思ってね、風呂の中で考えていたんですよ。喜助の湯で。で、風呂から出てきて脱衣所に出たら、その曲がかかっていたんです。みなさん、どう思いますか? なんの曲にしようかな?って思っていたら脱衣所に……「もう、放送が始まるかな?」と思って脱衣所に来たら、この曲がかかっていたんです。この曲をお別れの曲で聞いていただきたいと思います。

中島美嘉『Find The Way』



いやー、本当にやはり世の中というのは素晴らしいですね。僕はね、本当に韓国チームの昨日の最後の決勝打。最後、ピタッと止まったあそこでね、僕は日本の石に当てるのかな?って思ったんですよね。そしたらね、絶対に当たらないように弱く打ちましたよね。そして、みんなのハケでこすって、スイープして真ん中にそっと持っていったでしょう? あれが、このフェアプレーというか、この正々堂々とした感じ、なんだろうと思ったら、まさかのまさかでガンダムSEED。ストライクフリーダム、キラ・ヤマト、アスラン・ザラ! いやー、本当に驚きました。世の中って本当に不思議ですね。そして、やはり奥深く、面白いですね。それでは、サヨナラ、サヨナラ……ということで、今週はここまででございます。杉作J太郎でした。

<書き起こしおわり>

町山智浩 2018年アカデミー賞 直前予想を語る

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町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で目前に迫った2018年アカデミー賞の受賞作品や受賞者を予想していました。



(海保知里)今日は3月5日に発表されるアカデミー賞の直前予想をお願いします。

(町山智浩)はい。現地時間、アメリカでは3月4日の放送なのかな?

(海保知里)日本だと月曜日なんですよね。

(町山智浩)アカデミー賞があって、その授賞式の中継番組に僕が出るんで日本に来ているんですけど。これ、アメリカでやった方がいいような気がするじゃないですか。

(山里亮太)まあ、現場でね、そのまま。

(町山智浩)でも、現場だと入れないんですよ。いままで、僕はアカデミー賞で現場に行っていたんですけど、あれは会場の中はアカデミー会員しか入れないんですね。で、その裏に記者が入れるところがあるんですけども、そこはもう完全に質問とか全部コントロールされるから。ちゃんとした形では解説ができないんで、日本に来た方ができるんですよ。

(山里亮太)はー! より自由に「本当はこうなんです」って言いやすいという?

(町山智浩)そうなんです。だから、ずっと日本に来てやっているんですけど。今回、アカデミー賞はすごく日本でも盛り上がると思っているんです。っていうのは、いつもアカデミー賞ってあんまり日本では盛り上がらないんです。

(山里亮太)たしかに、ワイドショーとかでパッと取り上げられるぐらいですかね。

(町山智浩)っていうのは、作品賞とかにノミネートされるものがほとんど日本で公開されていない。だから、なんだかわからないっていう状態だったんですけど、今年はちょうど公開されるているで、結構盛り上がるという。で、今回本命と言われているのがギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』という映画なんですね。

作品賞の本命『シェイプ・オブ・ウォーター』

町山智浩 『シェイプ・オブ・ウォーター』を語る
町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でアカデミー賞の最有力候補、ギレルモ・デル・トロ監督の映画『シェイプ・オブ・ウォーター』を紹介していました。 Unable...

(山里亮太)ええ。

(町山智浩)これ、12部門にノミネートされていて、作品賞は本命だろうと言われているんですけど、これは3月1日から日本公開ですから。

(山里亮太)いよいよ!

(町山智浩)だから見れるということで、いままでと全然違う感じですよ。

(山里亮太)そうか!

(町山智浩)で、対抗と言われているのが『スリー・ビルボード』。

(山里亮太)いま、ちょうど公開中ですね。

作品賞の対抗『スリー・ビルボード』

町山智浩『スリー・ビルボード』を語る
町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で映画『スリー・ビルボード』を紹介していました。 Three Billboards Outside Ebbing, Missour...

(町山智浩)いま公開中。2月1日から公開しているから。だからみんな日本の人たちは見比べて「どっちだ!」っていう風に。「私はこっちの方がいいと思う」とか、そういう風にアカデミー賞を楽しめるので、すごくいい状況になっていますね。

(海保知里)だからこの週末、映画好きの方たちは大忙しという。「あの映画を見て、この映画を見て、それから……」ってなりますよね。

(山里亮太)1日には『ブラックパンサー』も始まりますもんね。

(町山智浩)『ブラックパンサー』も始まりますね。とにかく『シェイプ・オブ・ウォーター』と『スリー・ビルボード』は両方見てもらって判定してもらうといいと思うんですよね。

町山智浩 映画『ブラックパンサー』を語る
町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でマーベル映画『ブラックパンサー』について話していました。 Via @chadwickboseman: “Bringing...

(山里亮太)そうか。自分もアカデミー会員ではないけど、審査の1人として感じること、できますもんね。

(町山智浩)そうそう。いままでは他人事だったけど、今回はいろいろと楽しめると思います。で、ギレルモ・デル・トロ監督はこの間、日本に来てね。僕もいろいろと一緒にお付き合いしたんですけども。彼が今回、ものすごく気合いが入っているのは、アカデミー賞史上はじめての怪獣映画、怪人映画のアカデミー賞受賞になるかもしれないっていうのが特撮ファンとかにとっては歴史的な快挙なので。


(山里亮太)うん。

(町山智浩)いままでどんなSF映画でも、アカデミー賞ってとったことがなかったんですよ。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)『2001年宇宙の旅』も作品賞にノミネートされていたんですけど、作品賞はとっていないんですね。やっぱりそういうSFっぽいもの、オタクっぽいもの、アニメっぽいもの、特撮っぽいものははっきり言ってアカデミー賞から排除されてきたんですよ。ずっと。ましてや怪獣とかね。でも今回ははじめてそれに対して大逆転の可能性があるという。

(海保知里)へー!

(町山智浩)ただ、作品賞は『スリー・ビルボード』がとる可能性がちょっとあるんですよ。

(山里亮太)『スリー・ビルボード』が対抗で。

(町山智浩)対抗で来ているんですけど。っていうのはまず、『シェイプ・オブ・ウォーター』っていうのは半魚人と女性の恋物語なんですけど、ちょっとバイオレンスがすごいんですよ。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)グチュグチュの、グチャッ!っていうシーンがあるんですね。グロテスクな感じで。それと、ちょっとエッチなところもあって。ちょっとアカデミー賞の会員はお年の方が多いので。60才以上の方がかなり多いので「うわっ!」って思う。しかも怪獣っていうので。『スリー・ビルボード』の方がいわゆる普通のドラマなので、作品賞では票を集めやすいかなっていうところがあって。まあ、難しいんですけどね。ただ、監督賞はたぶんギレルモ・デル・トロ監督は絶対にとると思います。

(山里亮太)おおーっ!

(町山智浩)絶対にとると思います。作品賞でどうなるか?っていうことで、みなさんに見ていただきたい。

(山里亮太)はー! どちらも見ておきたいですね。発表前に。

(町山智浩)で、今回、女優賞とか男優賞がものすごくガチガチで、逆転の可能性があんまりないんですよ。

(海保知里)ああ、そうなんですか?

(町山智浩)圧倒的に強い人たちが多くて。主演女優賞は『スリー・ビルボード』で怖い怖いお母さんの役をやったフランシス・マクドーマンドがまあとるだろうと。すごいんでね。とにかく、自分の娘を殺した犯人を見つけてほしいということで、暴れまわるんですよ。それがほとんどだから『アウトレイジ』な感じで。たけしさんのような感じですね。

主演女優賞 フランシス・マクドーマンド(『スリー・ビルボード』)


(海保知里)フフフ(笑)。

(山里亮太)ガンガンに暴力的な。

(町山智浩)ガンガンに、もう金的蹴りとかするんですけど、男にも女にも金的蹴りっていう。効くのかどうかわからないんですけど……(笑)。

(山里亮太)「金」が果たして……?

(町山智浩)なんでもいいや!っていう感じで暴れまわっているんで。まあ、彼女がとるでしょう。主演男優賞はゲイリー・オールドマン。この人はベテランなんですけども、『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』という映画でとるだろうと言われているんですよ。でもこれ、写真があるんですけど……。

(山里亮太)はい。手元にありますね。いま。

(町山智浩)もう全然違うんですよ。ウィンストン・チャーチルと。似ていないんですよ。

主演男優賞 ゲイリー・オールドマン(『ウィンストン・チャーチル』)


(山里亮太)似てないですけど……でも、これは仕上げた後なんですか?

(町山智浩)これは特殊メイクでウィンストン・チャーチルというイギリスのその頃の首相を演じているんですね。これ、ダンケルク撤退作戦というのがあって。

(山里亮太)この前、ちょうど映画でもやっていましたよね。

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(町山智浩)『ダンケルク』ってあれ、ダンケルク撤退作戦の兵隊たちの動きしか見せてないんですね。で、じゃあイギリスの政府の方はどう動いていたのか?っていうのを描くのがこの『ウィンストン・チャーチル』なんですよ。だから両方見ると、「ああ、現場ではこうなっていて、政治の場ではこうなっていたのか」っていうのがよくわかるんですよ。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)で、「兵士たちが何十万人もフランスのダンケルク海岸に追い詰められている。彼らを救うためにドイツ、ヒットラーと妥協をするのか? それとも妥協をせず、全員撤退させて戦争を続けるか?」っていう究極の選択を迫られるのがウィンストン・チャーチル首相なんですね。で、この映画は全く似ていないゲイリー・オールドマンを……ゲイリー・オールドマン、この人は顔が細長いじゃないですか。

(山里亮太)ちょうどいま、2枚並んで写真がありますけど、全く違う印象ですね。


(町山智浩)チャーチルっていうのは丸顔なんですよ。で、太っていて。だからこれを特殊メイクでチャーチルに変身させたのが日本の特殊メイクのアーティストなんですね。辻一弘さんっていう人で。この人はアカデミー賞にいままでも2回ノミネートされていて、今回が3回目なんですけども。これ、すごいのは2時間ある映画で、ウィンストン・チャーチルは最初から最後までずっと出ているんですよ。ほとんど1人芝居なんですよ。ほとんどクローズアップなんですよ。それなのに、特殊メイクが全然わからない。


(山里亮太)へー!

(町山智浩)全くコンピューターグラフィックスを使っていないんですよ。だからこの映画自体を可能にするには、この辻さんの特殊メイク技術がなければこの映画自体は成立しなかったんですよ。

(海保知里)辻さんは希望されたんでしたっけ?

(町山智浩)「辻さんじゃないとできない」っていうことだったんです。

(山里亮太)ああ、向こうサイドが?

(町山智浩)そう。ゲイリー・オールドマンの方が。これはすごいですよ。特殊メイクショーなんですよ。2時間、これが特殊メイクだってことは君に見分けられるか? みたいな。ほとんど不可能に近いですよ。特殊メイクって人間の皮膚と皮膚じゃないところの差がわかるんですよ。伸び方とかで。シワのリアリティーとか毛穴の感じとかで。でも、全くわからないですから。

(海保知里)へー!

(山里亮太)辻さんっていう方は海外でそんなに、もともとすごい評価が?

(町山智浩)この人はね、もともと特殊メイクアーティスト界の神様と言われているディック・スミスという人がいまして。その人に師事していた人で。もう、王道なんですよ。いちばんの名人の弟子ということで。で、これがウィンストン・チャーチル役でゲイリー・オールドマンが主演男優賞をとって、それで辻さんが特殊メイク賞をとるだろうと言われています。

(山里亮太)はー!

(町山智浩)あと、助演女優賞と男優賞なんですけど助演女優賞は前に紹介した『アイ、トーニャ』っていう映画のトーニャ・ハーディングを徹底的にしごくお母さんの役をやったアリソン・ジャネイさんがとるだろうと言われているんですけども。

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(海保知里)はい。

(町山智浩)これ、お母さん自体のビデオがこの映画の中に出てくるんですよ。そうすると、そっくりなんですよ。本当に。

助演女優賞 アリソン・ジャネイ(『アイ、トーニャ』)


(山里亮太)へー!

(町山智浩)ものすごくわかりやすくそっくりだから、この人っていう感じでこれはとるだろうと。で、『スリー・ビルボード』のサム・ロックウェルっていう俳優さんが暴力的で差別的な警官を演じてるんですけど、この人が助演男優賞を世界中の映画賞で全部とっていますから。

(山里・海保)へー!

助演男優賞 サム・ロックウェル(『スリー・ビルボード』)

(町山智浩)まあ、これはとるだろうと。で、最初はなんて嫌な、差別的なやつなんだろう!って思うと、実は人を差別したりいじめたりする人には、実はもうひとつ、自分が差別されるかもしれないという恐怖があるんだっていうことを多重的に描いていくんで、非常に深い話になっていますね。


(海保知里)なんか、最初と見終わった後でこの方の印象が変わりますものね。この警官役を見るとね。

(町山智浩)これもすごくよく、差別とか暴力っていうものがどこからわいてくるものなのか?っていうのがわかる、非常に素晴らしい演技でしたね。だからこれはとるだろうと。だから今回ね、もう絶対にとるだろうと思う人が全部とるんで。番狂わせがあんまりなさそうで。

(山里亮太)対抗はなさそうですか?

(町山智浩)対抗はね……結構今回はいないですね。もういま言った人たちがとるでしょうっていう感じなんですよ。で、脚本賞も『スリー・ビルボード』だし。脚本が圧倒的に面白かったんで。もう、どんでん返しが連続するような。で、脚色賞は『君の名前で僕を呼んで』だろうと。

(海保知里)はー。

脚色賞『君の名前で僕を呼んで』

町山智浩 『君の名前で僕を呼んで』を語る
町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で映画『君の名前で僕を呼んで』を紹介していました。 You're welcome. The #CMBYN soun...

(町山智浩)これはやっぱり桃TENGAのシーンがですね……。

(山里亮太)桃TENGA?

(町山智浩)ちょっと桃をTENGAにしたりするんですけど。あと、これは主演男優賞がもしかしたら、この『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメが来るかもしれないと思うんですけど。彼、前にも言ったんですけど、本当に音楽もできて、あらゆる外国語をしゃべって。で、ゲイのセクシャルなシーンとか、あと好きな男のパンツをかぶってもだえたりとかですね。「そこまでやらなくていいのに……」っていうことまでやっているんで、もしかして主演男優賞はティモシーくんも来るかもしれないんですけど。


(山里亮太)うん。

(町山智浩)まあ、ゲイリー・オールドマンにはちょっと……ゲイリー・オールドマンはこれ、全身特殊メイクでお風呂に入ったりするシーンもあったりしてすごいんですけど。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)そういう戦いなんですが、脚色賞は『君の名前で僕を呼んで』っていう話が、もともと非常に個人的な、原作者の若い頃に自分は同性愛を経験したかったんだけど、できなかったみたいな非常に複雑な話なんですけどね。で、それをひとつの映画の中に上手く盛り込んでいるジェームズ・アイボリーっていう巨匠の脚色の腕が評価されるだろうと思いますけどね。

(山里亮太)うーん。

(町山智浩)もう、すごいですよ。桃とかパンツかぶりとかですね。

(山里亮太)で、この映画の話をしている時に生まれたのが僕と町山さんのBLという。


(町山智浩)そうなんですよ。でも、やっぱりおかしいですよね。自分の名前で相手を呼びながらセックスするって。これ、どうなのかな?っていう。

(山里亮太)何度考えてもわからない?

(町山智浩)わかるんですよ。「ああ、こういうことなのかな」っていうことは分かるんですけど。映画を見るとわかります。

(山里亮太)僕らが勝手に置き換えてしゃべったからダメだったんですね。

(町山智浩)はい、そうなんですね(笑)。置き換えるものが悪かったというね。あと、長編アニメーション賞はこれは『リメンバー・ミー』というピクサーのアニメーション。

(海保知里)はい。

長編アニメーション賞『リメンバー・ミー』

(町山智浩)これはね、今回長編アニメーションの作品賞候補がちょっとよくないんですよ。

町山智浩 映画『リメンバー・ミー』を語る
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(山里亮太)えっ? よくない?

(町山智浩)いままでね、アニメーションって長編とか短編とか全部そうなんですけど、アニメーションのプロの人に全部ノミネーションを選んでもらっていたんですよ。ところが今回、アカデミー会員全員に選ばせているんですよ。だから、みんなが知っている映画ばっかり入っちゃっているんですよ。長編アニメーション賞候補に。

(山里亮太)なるほど!

(町山智浩)だから『この世界の片隅に』が入っていないんですね。今回、作品賞候補に。いままでだったらたぶん入っていました。というのは、アニメーションのプロたちは世界中のアニメがライバルだから全部見ているんで、入るんですよ。アメリカで大規模で公開されていない作品も。

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(山里亮太)はいはい。

(町山智浩)ただ、今回はド素人の、アニメとか普段見ていない人たちも投票に参加しちゃっているんで、こういうマイナーな作品とかキャンペーンにお金をかけてしていないやつが入っていないんですよ。

(山里亮太)もったいない……。

(町山智浩)『ボス・ベイビー』っていうはっきり言って駄作が入っているんですよ。

(海保知里)えっ? あれが入っているんですか?

(町山智浩)そう。だからおかしいんですよ。

(山里亮太)ああ、赤ちゃんだけど中身がおじさんっていうやつ?

(町山智浩)そうそう。だからね、まあ次回からまた調整するかもしれないですけど、今回は『この世界の片隅に』が入っていないのは惜しいですね。

(山里亮太)これ、今回『この世界の片隅に』が入れなかったじゃないですか。じゃあ、次もう1回、来年度のアカデミー賞の時にって、そんなのは?

(町山智浩)それはないです。それはできないんですね。もったいないんですよ。まあ、そういうこともあります。しょうがないですね。アカデミー賞って実はしょっちゅうね、いろんなルールが変更されていっているんで。毎年毎年少しずつ違っているんで、まあそういう運の悪い時もありますね。

(山里亮太)運ですもんね。その中でやることになっちゃったっていうのは。名作なのにね。『この世界の片隅に』は。

(町山智浩)あとね、ちょこっと細かい映画の話をすると、外国語映画賞なんですけども。今年はこれも日本でもう公開中のチリ映画の『ナチュラルウーマン』っていう映画が行くだろうなと思うんですよ。

(海保知里)へー!

外国語映画賞『ナチュラルウーマン』


(町山智浩)これは、体は男性なんですけど心は女性の人がヒロインなんです。生物学的には男性ですけども。で、その一緒に住んでいた彼氏が亡くなってしまって。ところが、その彼氏が全部生活の面倒を見ていたので、住んでいた家も取られちゃうし。車も何もかも取られて。しかも、葬儀にも出席できないという、そのトランスジェンダーであるとかゲイであるとかいう人たちの結婚というものがいかに法律的に彼等の立場を守っているのか?っていうことがよくわかる作品なんですよ。

(山里亮太)ふーん!

(町山智浩)だから、日本なんかもすごくその立場を守ろうという方向に動いてますけども。地方自治体とか。それに反対している人たちもいるんですけど、なぜ、こういう同性婚であるとかパートナーシップにおける法的な権利の保護が必要か?っていうことが、『ナチュラルウーマン』を見るとすごくよくわかりますね。これ、いま公開中なんでぜひ見ていただきたいなと思いますけども。

(海保知里)はい。

(町山智浩)あとね、ドキュメンタリー部門はいま、日本でもNetflixで見えるんですけど。『イカロス』っていう映画があって。これが面白かった!

(山里亮太)ああっ!

ドキュメンタリー賞『イカロス』


(町山智浩)これね、ランス・アームストロングっていう自転車のプロの人がいたじゃないですか。で、あの人は世界中で自転車の大会で優勝をしたけども、ずーっとテストステロン(ステロイドホルモン)をドーピングしていて、それがバレたじゃないですか。でも、ずーっとテストステロンのテスト(検査)にはパスしていたんですよ。要するに、引っかからないような方法があるということを知った、自転車に乗っているアマチュアの自転車レーサーが、「じゃあ俺もドーピングしてみるぜ!」って、ロシアのドーピングのプロにたのんでドーピングをするっていう話なんですよ。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)ドーピングをして本当に世界選手権に彼は出場するんですよ。で、「ドーピングしたことがバレないというのはこういうシステムなんだ」っていうことを、この人は自分で試すんです。この人が自分で主演で監督なんです。この『イカロス』っていうドキュメンタリーの。

(山里亮太)面白い!

(町山智浩)で、途中から、ロシアのドーピング疑惑が問題化していくじゃないですか。オリンピックの方で。で、そのドーピングのプロ自体が実はそのドーピングに対して、「ドーピングをしていませんよ」というチェック機関に勤めていたやつなんです。

(山里亮太)はー!

(町山智浩)インチキだったんです。だから彼は「これはいけない」っていうことがわかって、この『イカロス』っていう映画を通してそれを内部告発しようとしていたんですけど、それがオリンピック委員会の方で問題化されることで、関係者が謎の死をとげるんですよ。

(海保知里)ええーっ!

(町山智浩)で、今度はその監督が自分のために告発をしてくれようとしたそのロシアのドーピングのプロをアメリカになんとかして亡命させて脱出させようとするっていう話に後半はなってくるんです。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)ロシア政府に殺される前にということで。

(山里亮太)へー! 『イカロス』。

(町山智浩)すごい内容です。『イカロス』っていうのは太陽に挑んで落ちた英雄の話ですけど、自分にドーピングするということをイカロスにたとえているんですけど。これはいまNetflixでいま見れますけど、これがたぶんアカデミーの長編ドキュメンタリー賞だろうなと。だって自分で本当にバンバンドーピングしているんですよ。監督自身が。前に『スーパーサイズ・ミー』という映画でマクドナルドを1ヶ月食べ続けるというのがありましたけど、それのドーピング版ですね。この『イカロス』は。これはとるだろうなと。

(山里亮太)『イカロス』! これはもう見たい。

(海保知里)また週末、忙しくなる(笑)。

(町山智浩)アハハハハッ! 要するに、尿検査とかをするんですけど、尿検査をどうごまかしてきたか?っていうと、尿を取り替えちゃうというか、混ぜたりしちゃうんです。

(山里亮太)意外とシンプルな方法ですね。

(町山智浩)シンプルな方法で。それ、どうしてできたのか?っていうと、ドーピングの検査をする人が最初からドーピングをやっているからなんですよ。ロシアのドーピングの疑惑というのは本当に国ぐるみで、ソ連時代からずーっとやってきたことなんです。だからいままでのオリンピックの過去の記録とかも、非常に怪しいものになってくるということまで、全部描いていますね。

(山里亮太)へー! 危険な作品ですね!

(町山智浩)ものすごい危険な作品ですよ。ものすごい面白いですけどね!

(海保知里)本当に危ない作品ですね。

(町山智浩)まあ、これがとるだろうなと思いますけどね。まあ今回、アカデミー賞の中継はぜひ見ていただきたいのは、いまアメリカで大変な問題になっている「#metoo」やセクハラ疑惑。で、アカデミー賞をずっと仕切ってきたのはワインスタインっていう人で、その人はずーっと、もう20年ぐらいアカデミー賞を片っ端からとってきて。300もノミネートされていた男なんですよね。で、その人が糾弾されて消えて、今回はワインスタインがいないはじめてのアカデミー賞なので。当然、そのことは出てくるし。

町山智浩 ハーヴェイ・ワインスタイン セクハラ騒動の影響を語る
町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でハリウッドの大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインによる女優たちへのセクハラ騒動についてトーク。ハリウッド中に波及しつつあるそ...

(山里亮太)はい。

(町山智浩)それでジミー・キンメルという人が司会者なんですけども、ジミー・キンメルという人はトランプ大統領と徹底的に戦い続けているコメディアンなんですよ。毎週毎週、トランプのとんでもない失言をつついて遊んでいるコメディアンなんですけど。その話もあるし。それであと、アメリカではこの間の(フロリダ州の高校の)銃乱射事件に対して、高校生たちが立ち上がって。で、銃関係のところ、全米ライフル協会(NRA)からお金をもらっている議員たちを全部落選させろ! というところまで発展していますから。

(山里亮太)へー!

町山智浩 アメリカのお笑い芸人が政治的なネタを扱う理由を語る
町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中でアメリカのお笑い芸人・コメディアンたちが積極的に政治的なネタを扱う理由について話していました。 (町山智浩)はい。町山です。よろ...

(町山智浩)で、それに対して、全米ライフル協会といろいろと提携をしていたり、会員に対して割引とかをしているいろいろな企業が次々と、もうそれを止めると言っていまして。

(山里亮太)へー!

(町山智浩)そうなんですよ。航空会社とかレンタカー会社がずーっと、全米ライフル協会に所属している人たちに割引をしていたんですけど、それをもう止めるって言っているんですよ。だからものすごい、いま国が動いている中でこのアカデミー賞が行われるんで。もう非常に政治的発言とかも多いとは思うんですけど、非常に面白いものになると思いますね。で、ギレルモ・デル・トロ監督自身はメキシコ人で、「メキシコ人を追い出せ!」っていうトランプの政策に対してはっきりと「NO!」と表明していますから。まあ、ものすごいスリリングなアカデミー賞授賞式になると思います。はい。宣伝しています!

(海保知里)フフフ(笑)。

(山里亮太)いやー、見たい! 結構みんなガンガン言いますもんね。そうか。いまの背景とか知っておくと、ジョークも伝わりやすいですもんね。

(町山智浩)そうなんですよ。もうバンバンにジョークが出てくると思いますよ。一生懸命、いま考えていると思うんですけどね。ジミー・キンメルはね。

(海保知里)そうですよね。マット・デイモンと仲がよくてね。よくコントとかしていますよね。

(町山智浩)「仲が悪い」っていう。

(海保知里)っていう設定でやっているんですよね。

(町山智浩)だからジミー・キンメルがその時に付き合っていた彼女とマット・デイモンがエッチしているところをビデオに撮って、「お前の彼女を取ってやったぜ!」ってやったら、ジミー・キンメルが「復讐だ!」っつって、マット・デイモンの幼なじみのベン・アフレックとエッチしているところのビデオを流すという(笑)。




(山里亮太)フハハハハッ!

(海保知里)すごくないですか? あの番組、すごいですよね!

(町山智浩)だってジミー・キンメルの番組で「今日のゲストはマット・デイモンです」って言っていて、番組の最後までマット・デイモンに全然カメラが振られなくて。「あ、すいません。マット・デイモンは今日、ゲストで来ていたんですけど、今日は時間がないから彼は出られません」っつって。で、マット・デイモンが「おいおい!」っつったところで番組を切るとか。わざわざ呼んでやっていますからね(笑)。



(山里亮太)へー!

(海保知里)結構ね、海外の映像を探せば見れるんで。

(町山智浩)ジミー・キンメルのマット・デイモンいじりが今回もあるでしょうね。はい。

(海保知里)それもちょっと個人的には楽しみです。ということで、日本時間の3月5日。月曜日になるんですけど、町山さんにアカデミー賞の直前予想をしていただきました。あと、私はカードを前回……。

(町山智浩)そう! 間違えてね。

(海保知里)間違えたじゃないですか。(作品賞の受賞作品を間違えて発表した事件)。だから今回はもう、大丈夫か?っていう。

(町山智浩)作品賞のカードを間違えちゃって。あれ、だからそういうことがないように、会計事務所にわざわざ管理を任せていたのに間違えたっていう。まあ、あの間違えた人はクビになったようですけどね。

(山里亮太)そうでしょうね。

(町山智浩)だからあれで去年もやっていた司会者のジミー・キンメルが「これって俺のせいなの? 俺、やめた方がいいかな?」とか言っていたんですけど。彼は本当にそれでトラウマになったらしくて。ずっと1年間苦しんでいたというギャグもありますけどね。

(山里亮太)そしてその発表も間違えないかどうか……。

(町山智浩)そうそう。たぶんわざと間違えるとか、いろんなギャグを考えていると思います。

(山里亮太)ああーっ! 振りが違うもんね。

(海保知里)ということで、アカデミー賞授賞式、楽しみにしたいと思います。

<書き起こしおわり>

モーリー・ロバートソン アメリカ銃規制派学生と全米ライフル協会の対立を語る

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モーリー・ロバートソンさんが文化放送『The News Masters TOKYO』の中でフロリダ州の高校内での銃乱射事件をきっかけに、若者たちが銃規制を訴えているニュースを紹介。全米ライフル協会(NRA)と銃規制派の若者たちの対立について解説していました。


(小尾渚沙)では、気になるテーマにフォーカス。銃暴力統計サイト「Gun Violence Archive」によりますと、アメリカ国内では今年に入ってから銃による事件がすでに8200件以上発生し、2200人以上が亡くなっています。この統計には今月14日にアメリカ南部のフロリダ州の高校で起こった銃乱射事件の被害者も含まれています。この事件を機にアメリカではティーンエージャーたちの間で銃規制を求める運動が大きな盛り上がりを見せています。

(タケ小山)学生たちが動き出しました。

(モーリー・ロバートソン)そうですね。大人たちの政治とか、メディアの中で銃規制を唱える声があっても、それに対して全米ライフル協会(NRA)。ここがお金の力もロビー活動もあるんですけど、草の根で人々を動かす熱烈なメンバーがアメリカ中にいるわけです。で、この人たちの信念があまりにも強いので、その人たちの草の根の選挙活動なんかを通じて、落選するのが怖いアメリカの議会の議員たちは上院、下院ともに決定的にガン・コントロール(銃規制)を言える人はほとんどいなくなっちゃったんですね。言うと、次の選挙に落ちるというジンクスがついてまわるので。

(タケ小山)これ、言うとただ、アメリカの国内には圧倒的にガン支持の方が多いですか? 州によりますか?

(モーリー・ロバートソン)いや、結局直近の統計、世論調査によりますと、アメリカの有権者の66%がより厳しい銃規制法の施行に賛成しているわけですよ。だから、2/3は「これはおかしい!」って思っている人が明らかにいるわけ。ところが、「選挙戦」になった時に、本当にじゃあその66%が投票に行くか?っていうと、行かない。で、若者はどの国でも投票に行かないですよね。だから、組織だった統率の取れた投票行動をするNRAの草の根支持者たちが圧倒的に力を発揮してきたわけなんですよ。

(タケ小山)そうか。

(モーリー・ロバートソン)ところが、今回若者たちがそこに新たなワイルドカードを放り込んだわけです。いままでとは違う方程式になりつつある。それは、若者たちがしっかりと銃規制を正面から……いわゆる条件付きの大人のやる譲り合い。たとえば、連射ができるような改造装置・バンプストックだけ規制しましょうとか、銃を持てる年齢を21才まで上げましょうとか、そういう緩いものじゃなくて、そもそもこういうものを子供がいるところで持っちゃダメだろ? という。まあ日本からすると当たり前の正論をやっと子供たちが、しかも(銃乱射事件で)生き残った当事者が言っているわけですよ。

(タケ小山)うん。

(モーリー・ロバートソン)それに対して、NRAは慌てちゃったんですよね。こういう声が若者の間で広がるのはマズいと。そして、何をやったか?っていうと、このカウンターが興味深いんですけども。ネガキャンを始めたんです。被害者に対するネガキャン。

(タケ小山)おっと。ということは、高校生たちがデモをやったり、YouTubeで流したりしていますよね?

NRAが銃規制派の若者たちにネガティブキャンペーンを仕掛ける

(モーリー・ロバートソン)それに対して、対抗するYouTubeが流れたりして。「この人たちはそもそも本物の学生ではなく、俳優だ」っていうデマを流したわけですよ。で、これって結構アメリカのオルトライトと言われる右翼政治勢力がネットの中で使う常套手段で。しゃべっている人本人が偽物だというレッテルを貼ることで、その噂がデマとして広がってしまうことで、大手のメディアが取材しづらくするんですよ。「この人、嘘をついているかも」みたいに。ところが、この若者たちは実はデジタルネイティブと言われていて、生まれた時から……。

(タケ小山)デジタルの子なんだ。

(モーリー・ロバートソン)だから、そういう小細工に対してすぐにカウンターをやって。「えっ、私自身ですが、なにか?」とか揶揄するんです。NRAのアカウントに向かって。


それと、もっとすごかったのは事件はフロリダで起きました。フロリダ州のマルコ・ルビオという上院議員がいますよね。共和党の大統領選の予備選に出た人。彼は銃規制に絶対に反対なんですよ。それで、その生徒たちがマルコ・ルビオがNRAからかつてもらった献金のリストを公開して。「マルコ・ルビオさん、約3億円(330万ドル)。あなたがもらった献金は活用されいますか?」みたいに。


(タケ小山)いいですね!

(モーリー・ロバートソン)で、それに対して他のジャーナリストや他のネット内著名人たちが同調して。どんどんとNRAから献金を受けた議員の写真とその献金額をダダダダッ!っとやったら、学生たちもリツイートする。それでNRA側の人たちは「この人たちはアクターだ。嘘をついている。なりすましだ」って言うのに対して、「全然なりすましじゃないですけど?」とかいう風に絵文字満載で反論するわけです。逆に、その大人たちの小細工をからかうの。で、デジタルネイティブの子たちの方が、もともとガセ情報とかデマ情報にすごい免疫があるわけですよ。いつもソーシャルメディアの中でネタをつかまされたりしているから。

NRAから献金を受けた政治家リスト


(タケ小山)そうだよね。

(モーリー・ロバートソン)日本で言うと、昔の上級2ちゃんねらーみたいな感じ。上級な2ちゃんねらーは「VIPPER」と言われる人たちがいて。私はそのVIPPERではなかったですけど。VIPPERを横から見ていた人ですけど。本当に嘘をつきあって、そこで騙されないようにするというスキルがすごいのね。で、2ちゃんねるのリーダーだった西村博之さんも、「嘘が嘘だと見破れなければネットを見るな」ぐらいの発言をしているんですよ。

(タケ小山)まあでも、そうなんですよね。

(モーリー・ロバートソン)その若者たちの世代が結局、大人が陥っている「左翼・右翼」とか……「銃規制反対は右翼、銃規制は左翼」みたいな。これに引っかからずに純粋に被害者として、「なんで我々未成年が自分の学校で射殺されなきゃいけないんだ! 大統領はなんて不誠実な対応をするんだ!」って。トランプ大統領は「教師が銃を持つべきだ」って言いましたけども。

(タケ小山)それね、モーリーさん。人の国の大統領ですから、僕もあまり文句も言いたくありませんけども。「先生が銃を持てばいい」ってロジックになっちゃうって……。

(モーリー・ロバートソン)これはまさにNRAのロジックなんですよ。昔からの。「全員が銃を持っていれば平和がおとずれる」っていう。まあ、その方が銃が売れるからね。だからめちゃくちゃなんだけど、これに対して子供たちが「ふざけるな!」と連携しあっている。そして、NRA側の人たちがいろんな小細工を仕掛けて、いままでそのネガキャンで落ちた議員とかがいっぱいいるわけですよ。ところが、子供たちは黙っちゃいないし、逆にそれをネタにからかって。どんどんアメリカ中の高校生に広がっていて。今度は3月に抗議デモが予定されているんですけど。これ、ワシントンDCだけじゃなくて、全米で同時多発的に起こって、新たな運動になる可能性があるわけ。

(タケ小山)うん。

(モーリー・ロバートソン)そうすると、大人たちの世界ではなぜトランプさんが大統領選で勝ってしまったのか? ポピュリズムとかいろんなネーミングがついてますけど、まだ理解できていないし、リベラル系メディアも反省をしきれていないわけ。ところが、若者たちは直感的に行動をしちゃうから、それがガーッとすごいパワーで広がって、いままで投票しなかった若者たちが一斉に投票をすると、どんでん返しもありうるよという。

(タケ小山)はい。

<書き起こしおわり>

吉幾三 新沼謙治が愛する鳩を手放した話を語る

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吉幾三さんがニッポン放送『高田文夫のラジオビバリー昼ズ』にゲスト出演。鳩愛好家の新沼謙治さんが鳩の飼育をやめ、愛する鳩を手放した際のエピソードを話していました。


(吉幾三)いや、いまだに千(昌夫)さんなんか、僕のリスナーですよ。

(高田文夫)津軽平野があるからね。大変だよ。

(吉幾三)いま、鳥連れてますからね。手乗り文鳥を連れて。千さん。7匹ぐらい手乗り文鳥連れてるの。

(高田文夫)手乗り文鳥を連れて歩いてんの?(笑)。

(吉幾三)楽屋で放すんだよ! それでこの間、名古屋コーチンを連れてきて。名古屋コーチンに服を着せて。

(高田文夫)大丈夫かよ!(笑)。

(吉幾三)楽屋の中を「コッコ! コッコ!」って。だからいまね、千さんのことを千昌夫じゃなくて、フン昌夫って呼んでるんです。

(松本明子)アハハハハッ!

(高田文夫)フン昌夫(笑)。

(吉幾三)あのね、千さんは鳥が大好きなの。ほんで僕がね、一言冗談でね、「美味しそうですね」って話をしたら、「おい、テメー! 出て行け!」って言われて。マジで怒られちゃって。

(高田文夫)冗談が通じなくなっちゃった(笑)。鳥になるとマジになっちゃう。

(吉幾三)でも本当にね、大丈夫かな?って思いますよね。名古屋コーチンに服着せているんですから(笑)。

(高田文夫)犬ではよくあるけどな。服を着せるって。名古屋コーチンって……。

(吉幾三)それで最後はちゃんと楽屋を掃除して帰るの。

(高田文夫)千さん、ちょっと歳が上ですから。吉さんよりも。大丈夫かな?

(吉幾三)ずっと上ですよ。大丈夫じゃないのよ。俺、心配なのよ(笑)。

(松本明子)新沼(謙治)さんは鳩が好きだし。やっぱり……。

(吉幾三)新沼の謙ちゃん、あげたんですって。

(高田文夫)もうやめたんだよね。

新沼謙治・鳩引退

(吉幾三)鳩をあげたの。鳩仲間のところに持っていって。で、家に帰ってきたら、その鳩がまた帰ってきたんだって(笑)。

(高田文夫)フハハハハッ!

(吉幾三)鳩の方が頭がよかったっていう(笑)。

(松本明子)家を覚えているから(笑)。

(吉幾三)そうそう(笑)。「じゃあな!」って涙ながらに帰ってきたんだって。そしたら鳩がもう屋根に……(笑)。

(高田文夫)先に帰ってきてたんだ(笑)。

(吉幾三)いや、本当の話だよ!

(高田文夫)もう全部ネタにしちゃうんだから(笑)。

(吉幾三)本当の話よ! だって、冠二郎さんだってそうでしょう?

(高田文夫)冠二郎?

(吉幾三)冠二郎さんなんかさ、「先輩!」ってさ……歳がわかんなかったじゃん? で、この間、本当の歳がバレたじゃん?(※年齢を5才サバ読んでいたことが判明)

(高田文夫)告白したもんね。

(吉幾三)そしたら、千さんよりも上だったんだよ。千さん、追い越しちゃったの(笑)。俺らよりも年上じゃねえか!って。もういま、「兄貴」って呼ばなきゃいけないっていう(笑)。

(高田文夫)兄貴って(笑)。

(吉幾三)そうだよ!

(高田文夫)ちょっと冠さん、やっとカミングアウトしたのよ。

(吉幾三)僕らと同じか、僕らよりも下かなと思っていたんだよ。だって「先輩! 先輩!」って言うんだからさ。そしたらさ、先輩じゃないじゃない。俺の兄貴よりも上だもん。参ったよ(笑)。

(高田文夫)だから冠さんがいて、千さんがいて、吉さんってことだろ? 序列としては。

(吉幾三)そうだよ。

(高田文夫)で、新沼謙ちゃんは年下だもんな。そんな感じよ。

(吉幾三)それで下から氷川きよしとか山内惠介とかが来て、俺のことを「やめろ、やめろ」って言うし。

(高田文夫)威勢のいい連中が(笑)。

(吉幾三)この間なんか氷川きよしが一緒にメシ食いながら、「本当にやめるですか?」ってニコッと笑ったからな。

(高田文夫)焚き付けてるから(笑)。

(吉幾三)そうだろ? 下から追い上げられる、上はなかなかいかねえ。

(高田文夫)中間管理職(笑)。

(吉幾三)ちっちゃな会社の管理職だよ。中間管理職。もうやだやだ。帰る! もう。

(高田・松本)フハハハハッ!

(吉幾三)もう帰る!

(高田文夫)ああ、おかしい(笑)。なんとかしてよ(笑)。

<書き起こしおわり>

プチ鹿島 佐川長官文書隠しと裁量労働制不適切データ問題の共通点を語る

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プチ鹿島さんがYBS『キックス』の中で、佐川国税庁長官が表舞台に出てこない件についてトーク。佐川長官の文書隠し問題と働き方改革関連法案の裁量労働制・不適切データに共通する点について、話していました。

(プチ鹿島)まあそんな中、相変わらず裏五輪と言いますか。国会は実は盛り上がっているんですよね。

(塩澤未佳子)国会もね! はい。

(プチ鹿島)そうそう。新聞を読んでいて、最近僕は毎日新聞が面白いなと思って。朝日新聞、読売新聞、毎日新聞が三大紙って言われるじゃないですか。どうしても毎日は朝日、読売の影に隠れる……イメージとしては三番手。もっと言えば論調としては朝日新聞と同じような……まあ、そんな論調なんですよ。だけどどうしても朝日新聞の方がよくも悪くも目立ってスターになりますのでね。みんなの賞賛もヤジも浴びますから。だから僕は『芸人式新聞の読み方』という本の中で、「朝日の影に隠れてしまう、でも書生肌で地味にコツコツと面白い新聞を作っているおじさん」と擬人化しました。僕、新聞は擬人化するとおじさんだと思っているんで。

(塩澤未佳子)わかりやすいですよね。

(プチ鹿島)ところが最近、毎日新聞が出してくる記事とか特集とかが読み応えがあって。たとえば公文書を……森友・加計問題って結局なにか?っていったら、「えっ、文書がないの?」とか「情報公開って何?」とか、そういう話じゃないですか。で、公文書がいまこうなっているよという特集を今年ぐらいから始めたら、また森友問題で「ない」と言われていた文書が見つかったりね。

(塩澤未佳子)はい。

(プチ鹿島)本当にそこらへんがリンクしてくるというか。もしくは新聞がニュースの発信源となるというか。そこらへんがすごく面白いんですよ。で、今日はこの「オピニオン」というコーナーに載っていたんです。月刊時論フォーラムということで、3名の方がそれぞれのお題。「安倍政権5年」とかそういったお題について振り返っているんですけども。森健さんというジャーナリストが「安倍内閣5年。悪くない評価と本質的疑義」というので。この5年を振り返っている。これが面白かったんですよ。今月で在職5年2ヶ月なんですって。戦前、戦後を通じて安倍さんは歴代5位。で、秋の自民党総裁選でもし三選されれば、2021年秋まで任期が可能となり、歴代最長の在職日数となるという。

(塩澤未佳子)最長か。

(プチ鹿島)で、内閣支持率も落ちていない。それを支えているのはたとえば、経済。政権発足から日経平均株価は2倍以上になったとか、外交。これはトランプさんとか中国とかとね、トランプさんとは良好な関係を維持しつつ、中国ともなんとかやっている。内政でもいろいろと法律を作っている。「履歴を考えると、有権者にとっては悪くないという評価なのだろう」という。そのポイントとしてよく言われるんですが、選挙がいろいろとこの5年間、ありましたけど。「『経済』と『外交』で支持率を上げる一方で、選挙がない時に安倍カラーを実施し、内閣改造で支持率を上げていく」という。選挙になると「経済」って言うじゃないですか。で、それが落ち着くと、世論を二分するような法律とかを持ってくる。そのやり方が巧妙な支持率の戦略なんだということを前段で書いている。

(塩澤未佳子)おおー。

(プチ鹿島)後半。「だが、総理・リーダーとして評価を客観的に見る時、本質的な部分で信頼に欠ける部分を感じないわけにはいかない」ってあるんです。「……それは無責任な発言をためらわず、不都合な部分は決して明らかにしない姿勢」って書いてあるんですね。たとえば、オリンピック招致の時、福島の原発事故を完全に制御できていないのに「Under Control」って言ったこととか、2015年の集団的自衛権の議論。従来の憲法解釈を大きく変更した。去年は森友・加計問題で「丁寧に説明する」と言いながら、まともに答えていなかったと。

(塩澤未佳子)はい。

(プチ鹿島)で、「忖度」っていう言葉が生まれたじゃないですか。あれって誰かが自主的に不正と疑われる行為を行っていた可能性もあるっていう。これは首相だけの責任じゃなくてね。「じゃあ、その責任者として、なぜ明らかにしないのか?」って書いている。一方、薄気味悪いこともあって、政権の意向に沿わなかった人がひどい目にあってきているという……籠池さんとかね。という、総括をしているんです。で、僕は今日、この新聞を読んだんで、今度文春オンラインっていうところの連載で、いろいろとその1週間の新聞の読み比べの原稿を書いているんです。で、昨日出したんですけど、「あれ? これはどこか、僕の見立てとつながっているな」と。見立てって当たるとうれしいじゃないですか。

(塩澤未佳子)はい。

(プチ鹿島)これ、別に安倍政権がどうたらっていうことじゃなくて、最近起きていることがひとつにつながるんじゃないか説っていうのを書いたんです。

(塩澤未佳子)ええっ?

(プチ鹿島)たとえば、佐川国税庁長官の……『キックス』を聞いていただいている方は、これはどこから始まったか?って、これは新聞・一般紙じゃないんですよね。2月16日の確定申告が始まる時に「さあ、納税者一揆が起きるぞ!」っていう。一般紙が「納税者一揆が起きるぞ!」って扇情的な記事は作らないですよね。つまり、これはタブロイド紙発なんですよ。日刊ゲンダイというところが2月5日付けで「国税庁トップは『あの文書はなかったです』って言って文書がボロボロ見つかってきたら、それは説明しなくていいのか?」っていう理屈と、「納税者は確定申告の時に文書を1枚1枚きちんと出さなくちゃいけない」っていう。「それはやっぱり理屈に合わない。納得ができない!っていうデモが予定されている」っていう記事が2月5日にもう日刊ゲンダイに載っていたわけです。

(塩澤未佳子)はい。

日刊ゲンダイ「納税者一揆炸裂」(2月5日)


(プチ鹿島)タブロイド紙っていうのはお仕事帰りに電車で、ちょっとお父さんにウサを晴らしてもらうため、ちょっと煽り気味の記事を出すんですよ。見出しも。これ、実際にゲンダイの偉い方に聞いたことがあって。「いつもあの過激な見出し、論調ってなんであんなに過激なんですか?」って聞いたら、「新聞を帰りの電車で読んでいる時、立って読んでいたら窓ガラスにその紙面が映る。そしたら、隣のゲンダイを買っていない人が、その映った見出しを見て、『おおっ?』って思う。届いたら、それでいいんだ」っていう。つまり、これは檄文なんですよね(笑)。

(塩澤未佳子)アハハハハッ!

(プチ鹿島)立て看板みたいなもんなんですよ(笑)。

(塩澤未佳子)「おおっ!」って思わせる(笑)。

(プチ鹿島)昔の言葉だと、アジっているわけです。だから、あの過激な論調の見出しっていうのは意味と狙いがあるわけですよ。だからちょっと煽って、お仕事帰りのお父さんに「そうだな!」って、ちょっと疲れとストレスを解消してもらうという。そういう見出しなんですよ。タブロイド紙って。夕刊フジもそうだと思いますよ。だから、「このままで行くと2月16日、納税者一揆が起きるぞ!」って。「そうだそうだ!」ってお父さんは思っているわけじゃないですか。「俺は仕事をきちんとして、こうやって疲れて電車に乗って帰っているのに、佐川さんは説明しないってなんてことだ! そうだそうだ!」って。それがタブロイド紙の役割なんですよ。

(塩澤未佳子)はー!

(プチ鹿島)ところが、今回面白かったのは、それが電車の中のお父さんの共感だけで終わらずに、「佐川さん、なんで出てこないの?」っていうのが一般の世の中にも拡散されて。なんだったら、国会でもそれが議論になったという。だから、タブロイド紙のちょっと強めの煽りかけの論調が見事に世の中のなんとなく思っていた気分とマッチングしたんですよね。

(塩澤未佳子)たしかに。

(プチ鹿島)決してそれは煽りではなく、それは正論だよってことになったわけです。だから、「佐川さんはなんで出てこないんですか? 出てきてちゃんと説明してください!」っていう。これは芸能人がニンニク注射のことで説明をして、大竹まことさんが28才、9才の娘さんのことで……いちいち娘の行動を把握している方がおかしいじゃないですか。大人なんだから。でも、なんか不祥事を起こしたなら、親だから出てくるっていう。「そんな、いちいち説明しますか?」ってことも言いながら、ちゃんとお答えになった。

(塩澤未佳子)うん。

(プチ鹿島)芸能人ですら、自分のプライベート、家族のプライベートのことでなにかあったら公に記者会見しているのに、超公さんの佐川さんがなんで出てこないんだ?っていう、そこはすごくわかりやすい。で、僕もさんざん言ってきた。

(塩澤未佳子)ええ。

(プチ鹿島)でもね、ここまで佐川さんが悪目立ちというか、1人でサンドバッグみたいになっているでしょう? と、なると、こういうことも考えた方がいいんです。佐川さんは出てこないんじゃなくて、出てこれないんじゃないか?

(塩澤未佳子)どういうこと?

(プチ鹿島)隠れているんじゃなくて、隠されているんじゃないか? つまり、佐川さんが出てこないうちは、佐川さんに全国民の批判とかが……「佐川、なんで出てこないんだ!」って向くでしょう?

(塩澤未佳子)向きます。出てくるまで向くと思う。

(プチ鹿島)でも、佐川さんはもしかしたら出ていけない状態なのかも。「お前はダメだよ。ずっと出ちゃ、ダメだよ。国税庁でちゃんと仕事して。国会には出なくていいから」っていう、守っているんだか、わかりやすくつつける人にされているのか、よくわかんなくなってきたなと思うんですね。で、実際にゲンダイもあれだけ「納税者一揆炸裂だ!」って書いているんですが、こういう見立ても出しているんです。「佐川さんに注目が集まれば集まるほど、巧妙なアッキー(安倍昭恵さん)隠しとなる」っていうね。

(塩澤未佳子)ああーっ!

(プチ鹿島)「本当に隠したい人を守るため、佐川さんが矢面に立たされているんじゃないか?」っていう、これは見立てです。こういうのもあります。財務省が、またびっくりすることに今月の2月9日に森友文書を20件、300ページという大量の資料を出してきたでしょう? 「なんだ、あったじゃん!」って。だから、「佐川さん、去年『ない。廃棄された』って言ってたじゃん!」って。それが20件、300ページ出てきた。だからみんな「佐川! 佐川!」ってなるでしょう? でも、この2月9日、日付を思い出してください。この出てきた日。

(塩澤未佳子)なんだっけ?

文書が見つかるタイミング

(プチ鹿島)平昌オリンピックの開会式なんですよ。それに合わせてこんなのを出してきた。だから「裏オリンピック」っていうことですよ。オリンピックにみんな夢中になっている時に出してきたんじゃないか?っていうゲンダイ師匠の、そういう見立てもあるわけです。でもこれ、言ってみればタブロイド紙特有の下世話な、下衆な憶測なんです。だからこそタブロイド紙の面白さってあるんですけど、さっき言ったでしょう? 電車内で「そうだな。よしよし」ってストレス解消、憂さ晴らしだけに留まらずに、当たっている可能性があるわけなんですよね(笑)。

(塩澤未佳子)アハハハハッ!

(プチ鹿島)だから、わかんないよ。なぜあのタイミングで新しい文書を300ページも出してきたか? 開会式に合わせてね。しかも、余計なことを言うと、出してきた次の日から3連休なんです。当然、平日の報道番組はお休みですよね。っていう……これは僕、憶測ですよ。こういうのがタブロイド紙は楽しめるんですよ。みんな、「そんなの価値がない」とか「どうせ飛ばし記事だろ」とか。東スポも含めて言うんですよ。だけど10のうち1つ2つは、「ああ、やっぱりあの見立ては当たっていたわ」っていうのがタブロイド紙の面白さなんですよ。

(塩澤未佳子)はー! 面白いですね。こうやって解いてみるとね。

(プチ鹿島)で、話はこれだけじゃないんです。僕はまだ佐川さんが出てこないのには納得できないし。佐川さん、出てきてくださいって思うし。本当は逃げているのかもしれない。でも、一方でここまでわかりやすく佐川さんに焦点が当たるんだったら、佐川さんは隠れているんじゃなくて、隠されている。出てこないのではなくて、出てこれないという可能性も一方で。右手にそっちを持っていたら、左手にはその可能性も持っていた方が僕はいいと思うんですよね。

(塩澤未佳子)うんうん。

(プチ鹿島)それで行くと、これはまだ話半分のポイントなんです。これって、要は政権を守るため。だって、安倍さんの森友がないということを証明するため、お役人ですからトップが出ていって、「そのような文書は捨てました」とか。ある意味、そういう役割を担うのがお役人じゃないですか。本当は腹の中でどう思っているかは知らないですよ。「しょうがねえな。なんで俺がこんな時に理財局長になっちゃったのかな?」って思いつつも、パーフェクトな答弁で。「いや、それは廃棄しました」って。あの時に佐川さんができることっていうのを100%、お役人としてやっていたという風にもとれますよね。別に最初から国民を舐めているんじゃなくて、バカにしているんじゃなくて。「この政権を守る」ってなかったら、「じゃあ私は無理くりでもがんばりますから!」って言って。

(塩澤未佳子)フフフ(笑)。

(プチ鹿島)そしたら、自分が辞めた途端に出てきちゃったわけでしょう? これって、先週お話した厚生労働省の裁量労働制のデータ。本来だったら比べちゃいけないようなデータを無理くり、数字を作ってきて。「厚生労働省、なんていうとんでもないデータを作っているんだ!」って怒られている。叱られているでしょう? そりゃそうですよ。昔もいろいろと厚生労働省は、過去の遡ればいろいろデータがどうだとか、隠していたとかいろいろあるじゃないですか。薬害エイズとか。

プチ鹿島 裁量労働制拡大審議・不適切データ問題を語る
プチ鹿島さんがYBS『キックス』の中で、国会で審議中の働き方改革関連法案についてトーク。裁量労働制の拡大についての審議の中で、不適切なデータが使われていた問題について新聞各紙を読み...

(塩澤未佳子)はい。

(プチ鹿島)あれはやっぱり省としての体質なのかって批判されるべきだし。でも一方で、先週もお話しましたけども、もう安倍さんが3年前から「働き方改革をやりたい」って旗を振っているんであれば、それに合わせて……「おい、なにか、データを作るぞ! データを出すぞ! 出せ出せ!」っていう。一度「守る」となったらお役人ってそういう風に徹底してやらなくちゃいけない悲劇っていうのが、俺は佐川さんにしろ、今回のデータ問題にしろ、なにか通じるものがあるわけなんですね。僕の中では。

(塩澤未佳子)うん。

(プチ鹿島)だからこそ、今日の毎日新聞なんですけども。こんな記事も出てくるわけです。「首相 異常データで板挟み。支持率・求心力を懸念」。これは安倍さんにとっての悩み事ですよね。一方、じゃあなんで今回の裁量労働制の不適切な、あり得ないデータを組み合わせて出してきたか? これ、「単なるミスだ」って言っているんですけど、一方で「誰にそういうデータを出せと指示されてそんな怪しげなデータを無理やり出してきたんだ?」って。これは野党の質問でもありますけども。つまり、「政権に都合のいいデータ作成を指示したのは誰なんですか?」っていう問題、疑問になるわけじゃないですか。だって、お役人はそんなにアホじゃないと思うんですよ。

(塩澤未佳子)そうですよね。

お役人はそんなにアホじゃない

(プチ鹿島)そんなにアホじゃないと思うんですよ。無理やり、なんであんなデータを作らなきゃいけなかったのか? この3年間、出し続けたのか? それは何があったんですか?っていう。そこの疑問にもなりますよね。そうすると、「佐川さん、なんでそんな文書があるのに『ない』ととぼけていたんですか?」っていうのとどこかリンクしてくるんですね。本人はとぼけていたとか、嘘をついていたとかじゃなくて、むしろ……むしろですよ。お役人として几帳面に仕事をしていたのかもしれない。

(塩澤未佳子)!

(プチ鹿島)「押し通す」っていうね。そう考えると、この今日の森健さんのコラム。「それならばなぜ、責任者として明らかにしないのか?」という。率先して明らかにすればいいじゃないですか。この間、朝日新聞が黒塗りの文書で、森友学園の学校名が情報開示されていない時、黒塗りでわからないから学校名は籠池さんに聞いて。「籠池さんは『安倍晋三記念小学校だ』と言っている」と報道しましよね。

(塩澤未佳子)ええ。

(プチ鹿島)で、その黒塗り部分が情報開示されたら、実はあれは「開成小学校」っていう名前だったわけですよね。で、「あれは開成小学校でした」って朝日は事実を伝えた。だけど、それは安倍首相からすると「また朝日が嘘をついた。誤報だ!」っていうんですけど……それを言うながら、僕は朝日新聞を責めるのと同時に、財務省とかも叱った方がいいと思うんですよ。「私は潔白なんだから、自分に関する文書をなんで全部、早く出さなかったんだ?」って。叱らなくちゃいけないと思いません?

(塩澤未佳子)ああ、そうか。

(プチ鹿島)結局、あの問題もそうなんですよ。森友学園問題ってなにか?っていうと、なんで情報が出てこないんだ? 隠されているんだ?って話じゃないですか。それを黒塗りで、間違った事実を一時期伝えた朝日新聞を叱るのもいいんですけど、それと同時に「いやいや、私たち(安倍夫妻)は潔白なんだから。全部データや文書を財務省は出しなさいよ!」って、そっちにも怒らなくちゃいけないですよね?

(塩澤未佳子)そうだよな。言っているのかな?

(プチ鹿島)言ってないんじゃないですか?(笑)。

(塩澤未佳子)アハハハハッ!

(プチ鹿島)だからそこなんですよ。つまり、全部情報が明らかになっていない。隠されているんじゃないか?って疑われるようなことがこの1年間、たとえば森友・加計学園問題も、今回の裁量労働制もそうかもしれないけど。そこじゃないですか? あの小学校名だって、「朝日が違ったことを伝えていた!」ってみんなに叩かれてるんだけど、そうじゃなくてそもそもなんでその情報が隠されていたんですか?っていう話じゃないですか。森友学園の第一報、もう1回思い出してほしいんですけど、あれは籠池さんのキャラクターも値引き額も、第一報では問題になっていないんですよ。「なんで森友学園の情報だけが開示されていないんですか?」っていう、そこの話だからね。土地取引でね。

(塩澤未佳子)そうでしたね。

(プチ鹿島)っていう。まあまあ、思いつくことを。タブロイド紙の役割からなにから、ちょっと実は裁量労働制と森友・加計学園問題、佐川さんの話ってつながるんじゃないかな?っていう。お役人の几帳面な仕事ぶり。……皮肉で言っていますよ。皮肉と、多少はかわいそうだなっていう仮説を持って佐川さんを見ないと。佐川さん1人をバーッて叩いていたら、「しめしめ……」と思う人がもしかしたらいるのかもしれない。

(塩澤未佳子)そういうのもちょっと頭に入れて。

(プチ鹿島)そうなんです。そういうタブロイド紙的、野次馬的な視線も忘れないでいるとニュースは楽しいかなと思いますね。火曜キックス、スタートです。

<書き起こしおわり>

プチ鹿島 平昌五輪 カーリング女子にメロメロなオヤジジャーナルを語る

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プチ鹿島さんがYBS『キックス』の中で、平昌オリンピックのカーリング女子についてトーク。スポーツ新聞やタブロイド紙などオヤジジャーナルがいかにしてカーリング女子にメロメロになっていったのか? について話していました。

(塩澤未佳子)日刊ゲンダイから。昨日、オリンピックで活躍した選手たちが戻ってきて、会見をしたりもしましたが。銅メダルを獲得したカーリング女子のみなさんにCMオファーが殺到しているということですよ。

(プチ鹿島)すごいですねー!

(塩澤未佳子)なんと2億円にもなるかもしれないという。

(プチ鹿島)記事の中でね、「かつてなでしこジャパンがやっていたようなCMは全てカーリング娘に取って代わられる勢い」って書いているんですけども……なるほどなと。

(塩澤未佳子)あれ? ちょっとなんかいまの言い方……(笑)。

(プチ鹿島)でもこの記事の中に、結構特徴が書いてありますよね。スピードスケートとかは一瞬で終わってしまうけど、カーリングは試合時間が長く、顔のアップがテレビに映る。しかもスケートとかスキーとかだったらサングラスやゴーグルで素顔がよくわからないけど、カーリングは顔はそのままだもんね。

(塩澤未佳子)そうですね。そうなると、「ああ、この人はカーリングの人だな」ってわかりやすいですかね。親近感も出てきますしね。

(プチ鹿島)僕はなぜ、オヤジジャーナルがカーリング女子にハマッたのか? もしくは、ハマりかけた瞬間っていうのをいま、調べていまして。だって、ユヅとか……まあ、「ユヅ」って言ったけどね。

(塩澤未佳子)ああ、羽生結弦くんのこと?(笑)。

(プチ鹿島)あれ、ユヅって言わない? うちの娘は「ユヅ」って言っていますから。最近、スポーツ新聞に1枚の羽生選手のポスターになるような……。

(塩澤未佳子)すごいのを入れてますよね。

(プチ鹿島)もううちの3才の娘は、あれを「壁に貼れ、壁に貼れ」って言って。で、インタビューしたり、チューしたりしているんですよ。だから、なんかあれ、出てるんだな。

(塩澤未佳子)夢中ですね!

(プチ鹿島)なんか出ているんですよ。ただ、ユヅは完璧すぎるじゃないですか。崇高すぎて。

(塩澤未佳子)もう神のようですよ。

(プチ鹿島)だからあの金メダル……だって、映像で見れば十分じゃないですか。そこはそうなんですよ。大谷翔平が現れた時も、スポーツ新聞とは意外に相性がよくなくて。だって、映像を見ていれば面白いんだもん。映像とか、生で見ていた方が。それが、やっぱり浪花節的なものとか、なんか、たとえば広島カープの男・黒田とかね。そういうのはスポーツ新聞って書き甲斐があるわけですよ。

(塩澤未佳子)へー。

(プチ鹿島)だけど、羽生選手とかになるともう完璧すぎて、これを「最高」とか「完璧」とか「伝説」って書いたところで、「もうそれはわかっている」っていう感じじゃないですか。だけど、カーリング女子に関しては、どうやらおじさんも与し易い感じがあるわけですよね(笑)。

(塩澤未佳子)アハハハハッ! どういうところが?

(プチ鹿島)まずは「もぐもぐタイム」とか。「あっ、おやつ食べてんのか!」とか。あと、一瞬で決まらないじゃないですか。だからなんとなくジーッと見ていて楽しめるっていうのとか。そうは言っても、羽生選手みたいにまだ国民的な人気を、道を歩いてキャーキャーっていうんじゃなくて、もしかしたら普通に道を歩いているかもしれない。

(塩澤未佳子)そうね。そういう感じは出してますよね。

(プチ鹿島)だからおじさんが、「じゃあ、俺でも近寄れるな」って。カーリングのバーッて投げるのと同じで、おじさんがいまスーッと近寄ろうとしているんですよ。カーリング女子に。スーッと滑りながら近寄っていってるんです。

(塩澤未佳子)アハハハハッ!

(プチ鹿島)で、その経緯をいま、調べているんですよ。だってここ4、5日はどんな金メダルよりもカー女子。もしくはカー娘。……「カー娘」っつっても、秋元優里アナウンサーじゃないですよ。

(塩澤未佳子)なんでそっちが出て来るの?(笑)。

(プチ鹿島)「カー」ってあの車じゃないですよ。カーリングの「カー」ですからね。

(塩澤未佳子)わかってる(笑)。

(プチ鹿島)カー女子とかいうと、俺、「なんで秋元アナがオリンピックに出てるのかな?」みたいな。あの竹林の前に車を停めていた人じゃないですよ。

(塩澤未佳子)思い出さなくていい!(笑)。

(プチ鹿島)本当にね、だからオヤジがスーッと近寄りやすいんですよ。カーリング。だって、見てください。これね、さっきも僕、調べていたんですけども。日刊ゲンダイ師匠。ゲンダイは厳しいんです。ちょうどこのカーリングがもぐもぐタイムとか、藤沢五月選手が韓国のネットの検索ランキングで上昇して。韓国の女優さんに似ているって。

(塩澤未佳子)なんかすごいらしいですね。

(プチ鹿島)で、話題になった時、ゲンダイはこんな見出しを出したんですよ。2月21日ですよ。「もぐもぐタイムだとか、検索ランキング上昇だとか、バカじゃないか!」って(笑)。もう叱りつけているわけですよ。「奮闘するカーリング選手を……」って。カーリング選手をディスっているわけじゃないですよ。「奮闘するカーリング選手をスポイルするテレビ局」って。要は、スポーツの本質を見ずに、もぐもぐタイムとか検索ランキングとか、なにをそっちに気を取られて、わかりやすいところで報道しているんだ!ってゲンダイ師匠は怒っているんですけども……。

(塩澤未佳子)怒ってる(笑)。


(プチ鹿島)でも、気づいたら今日、この記事ですよ。「カー娘にCMオファー殺到。そだね、もぐもぐタイムで大人気!」ってゲンダイ師匠。もうメロメロじゃねえか!っていうか(笑)。

掌返しでメロメロのゲンダイ師匠


(塩澤未佳子)フハハハハッ!

(プチ鹿島)1週間前はあれだけ叱っていたのに、「もぐもぐタイムで大人気! 2億円オファー殺到」って。完全にこっちに乗っちゃってるじゃないかっていう。

(塩澤未佳子)結局、もう夢中。

(プチ鹿島)ゲンダイ師匠はよくやることなんですよ。よくやっちゃうパターンなんです。4年前もスノボがメダルを取る・取らないっていう競技紹介をする時に、「こんなのがガキの遊びだ」って言ったんです。オヤジ目線でしょ?

(塩澤未佳子)はい(笑)。

(プチ鹿島)「スノーボードなんてガキの遊びだよ! こんなのオリンピック競技になりやがって!」って言ったら、スノーボードでメダルを取ったんです。そしたら、その1週間後に「かつては『ガキの遊び』と言われていた時もあったが……」って。自分で1週間前に言っていたんだよ。「かつては言われていた時期もあったが」っつって。

(塩澤未佳子)自分たちが言っていた(笑)。

(プチ鹿島)そういうのも含めて、僕はオヤジジャーナルが大好きなんです。だから本当にカー娘、カー娘。もぐもぐタイムとかさ、オヤジが本当にスーッと滑り込んで寄ってきているよ。

(塩澤未佳子)フフフ(笑)。

(プチ鹿島)これ、ちょっと文章でもまとめて書こうかなと思っています。今日、家に帰って調べて。っていうのは、僕はNumberっていう雑誌のWebで「月刊スポーツ新聞時評」っていうのをやらせてもらっているんです。で、2月。オリンピックそのままだからネタが多すぎて。ネタが多すぎる時って、お菓子の家と一緒で全部ネタにしていたら、なんか散るじゃないですか。

(塩澤未佳子)ぼんやりしちゃう。

(プチ鹿島)だからどうしようかなって思ったんですけど、そうだ、オヤジジャーナルがいかにカーリング女子に夢中になっていくか?っていう経緯を調べて書けば、それだけで今月のスポーツ新聞時評になるなと思って。

(塩澤未佳子)オリンピックを総括したような感じのものができるんですかね?

(プチ鹿島)まあ、今週中に出しますので。

(塩澤未佳子)カー娘、すごいですね。

<書き起こしおわり>

渡辺志保と荻上チキ Rapsodyを語る

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渡辺志保さんがTBSラジオ『荻上チキ Session-22』に出演。2018年注目の女性ラッパーを荻上チキさんと南部広美さんに紹介するコンシャス・ラップのシーンを背負う女性ラッパー、ラプソディーについて話していました。


(南部広美)渡辺さんには2018年注目の女性ヒップホップアーティストを紹介していただいていますが、あっという間の最終回です。

(荻上チキ)最終回の今夜はどんな方を?

(渡辺志保)はい。今週は、今年行われました第60回グラミー賞の最優秀ラップアルバム、そして最優秀ラップソングにもノミネートされました実力派ラッパー、ラプソディーを紹介したいと思います。ケンドリック・ラマーという、彼はすごくいまアメリカで力を持っている人気ラッパーですけども。彼のアルバムにも参加したこともある実力派MCの女の子でございまして。昨年、アルバム『Laila’s Wisdom』という作品を発表しました。それが今年のグラミー賞で2部門においてノミネートされたという快挙を叩き出したんですけれども。

彼女、結構もともと、アメリカのラップシーンはジャンルのひとつで「コンシャス・ラップ」って呼ばれるラップの種類があるんですよ。「コンシャス」って「意識が高い」とか「社会派」。なのでちょっと意識の高い真面目なことを言う。ちょっと政治的なことを言うようなラップを総称してコンシャス・ラップという風に言っているんですけども。最近、またさらにコンシャス・ラップがアメリカでも盛り上がっておりまして。で、このラプソディーはそのコンシャス・ラップのシーンを背負う第一人者として活動しているラッパーになります。

(荻上チキ)では、早速曲紹介お願いします。

(渡辺志保)それでは聞いてください。この曲が今年のグラミー賞の最優秀ラップソングにノミネートされておりました。ラプソディーで『Sassy』。

Rapsody『Sassy』



(南部広美)ラプソディーで『Sassy』でした。すごい。めちゃめちゃ上手い! 当たり前なんだけど、このラップめっちゃすごい!

(渡辺志保)そうなんですよ。めっちゃ上手いんですよ。彼女。で、彼女の昨年発売された『Laila’s Wisdom』というアルバムなんですけれども、このアルバムの中にはたとえばアレサ・フランクリンとかニーナ・シモンとか。いま聞いていただいた『Sassy』の中には、マヤ・アンジェロウという黒人女性の有名な詩人の方がいらっしゃいますけれども。そういった、何でしょうね、偉大な女性エンターテイナーたち、女性クリエイターたちの言葉であるとか楽曲をちょっとずつ「サンプリング」っていう風に言いますけども、引用したりとか、用いたりしていて。なので、先輩たちへのリスペクトを示しつつ、自分の作品に落とし込む。そういったことがすごく器用にできるラッパーの子でもありますね。

(荻上チキ)なるほど。言葉の中にいろんなムーブメントを引き継いでいこうという意識がかなり高くあるということなんですか?

(渡辺志保)そうですね。たとえあbこのラプソディーなんですけど、ちょっと遡って2016年。アメリカの大統領選挙がありまして、ヒラリー対トランプということで、トランプ政権が誕生しますということがわかった。確定したその翌日には、すでにもう新しい曲を発表して。「これから、すごく厳しい時代が来るかもしれないけれども、みんな前を向いて。シスターたち、お母さんたち、一緒に歩いていこうね!」っていう、あくまでも女性目線の応援歌っていうのをすぐに、スピード感を持ってリリースしたということもあるんですよ。

(荻上チキ)うんうん。

(渡辺志保)なので、結構頼れるお姉さんと言いますか、そういった側面も持つアーティストですね。今、どうしたってアメリカではその、人種差別であるとか、あとはジェンダーのマイノリティーを……そこがちょっと歪みが生じているような、いろんな意味でマイノリティーにとっては生きづらい時代になっているけれども、逆にそういった社会になることで、私たちにもスポットライトが当たるというか、じゃあいまなぜ私たちがそういう状況にいるのか、歴史を紐解きながら、みんなでどうにか解決していこうよっていう。そういった社会になっているじゃないか?っていうのをひとつ、聞きまして。

このラプソディーに関しても、ちょっと前のインタビューで、たとえば「トランプ政権が発足して、ヒップホップのシーンはどう変わったと思うか?」という問いに対しては、「そういった理由もあって、ひとつの連帯感が生まれてると思う」という風にも……まあ、「揺り戻し」とかってよく言いますけれども。

(荻上チキ)「バックラッシュ」とかね。

(渡辺志保)なので、そういった社会において、いま自分が何をすべきか?っていうことを常に意識しながらラップをしてるという、結構稀有な存在だと思います。

(荻上チキ)なるほど。そういった中で、自分たちが行っている言葉での表現というものを、改めてどう見つめるか?っていうことが、さらに先のヒップホップには求められてきそうですよね。

(渡辺志保)そうですね。かつ、2017年も結構そういう動きが顕著だったんですけども。そこに応えるような、すごくリーダーシップをとるような若いアーティストが、まあベテランのアーティストも含めて、どんどんこれから増えていくんじゃないかなと思ってます。

(荻上チキ)そうですね。

<書き起こしおわり>
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