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ピエール瀧『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』を語る

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ピエール瀧さんが2013年2月にTBSラジオ『伊集院光の週末TSUTAYAに行ってこれ借りよう』に出演した際の書き起こし。石野卓球さん、伊集院光さんらと『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』について話していました。



(伊集院光)さあ、お待たせいたしました。映画には一言も二言もあるゲストの方に、週末借りたいおすすめの一本。週末これ借りよう作品を伺います。今週来週はちょっと不規則というか。イレギュラーな形で、ゲストとしてまず、電気グルーヴのお二人です。よろしくお願いします。

(卓球・瀧)よろしくお願いします。

(小林悠)よろしくお願いします。

(伊集院光)で、今週がピエール瀧大先生のご推薦で、来週が石野卓球大先生のご推薦っていう(笑)。

(ピエール瀧)顔ゲルゲから眉ゲルゲと。

(石野卓球)眉ゲルゲ。

(伊集院光)顔ゲルゲパートと、眉ゲルゲパートで。はい。一応ね、ここに想定する質問みたいなのをいつも無視してんだけど。嫌がりそうだから、これの通りにやりますね。瀧さん、ここ数年、映画のご出演が目立ってますけども。俳優業の方はいかがですか?

(ピエール瀧)いや、本当にね、銀幕から呼ばれちゃって呼ばれちゃって。

(伊集院・小林)(笑)

(ピエール瀧)『あんたの力を借りたい』と。あちらさんが言うもんだから。

(石野卓球)画が締まるって。

(ピエール瀧)画が締まるってさ。本当に。

(小林悠)(爆笑)

(伊集院光)どんぐらい出た?結構さ、日本映画のいい感じのやつに必ず入ってない?

(ピエール瀧)入っている。『東京裁判』(笑)。『アメリカ裁判』・・・

(石野卓球)(笑)

(伊集院光)えっ?東京裁判の次は、もうアメリカ裁判なんだ?(笑)。

(石野卓球)見切りすぎた。

(ピエール瀧)あの、明らかにスタートポイント間違ったと思って。

(伊集院光)しかも、これ、東京裁判っていうのが正しいチョイス。お前、出てねーだろ?って言われる作品として、あんま正しくなかったなと思って(笑)。品物を変えようと思ったら・・・(笑)。

(ピエール瀧)そうなんだよね。グダグダになっちゃって。本当に、いま。すいませんでした。オープニングから。

(石野卓球)(笑)

(伊集院光)『三丁目の夕日』とか出てたよね?

(ピエール瀧)三丁目の夕日、出てますね。

(伊集院光)あの、自動販売機を守っている・・・

(ピエール瀧)そうそうそう。四丁目役で(笑)。

(石野卓球)(笑)

(伊集院光)あそこが丁目の境なんだ?あ、CGでわからなくしてあるけど、あの境のところに。えー、俳優のお話は聞けないということで。

(一同)(笑)

(ピエール瀧)よろしくお願いします。

(伊集院光)はい。よろしくお願いします。じゃあその、ピエール瀧パート。今回の、週末これ借りよう作品、何でしょう?

(ピエール瀧)『アンヴィル!』。邦題で『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』という、まあドキュメント映画ですね。

(伊集院光)へー。ドキュメンタリー、ぶつけてきました。

(ピエール瀧)そうなんですねー。

(伊集院光)公開、最近ですね。2009年公開。

(ピエール瀧)そうそうそう。割と、まあまあ最近のやつで。まあ、だんだんこのコーナー、ハードルが上がっていってない?本当に。みんな(笑)。

(伊集院光)そりゃそうだよ。だってみんなだんだん、学んでいくし、みんな見ていくからね。

(ピエール瀧)そうでしょう?

(伊集院光)で、しかも、『あいつはこの程度か』っていう見方をするように(笑)。DVDを見た時に・・・

(ピエール瀧)ねえ。『ははー、それ薦めるんだ。なるほどね』みたいな感じのやつになるじゃない?

(伊集院光)なります、なります。

(ピエール瀧)でしょう?だからちょっと一回、このコーナーの格をおとしめようと思いまして(笑)。

(伊集院光)あ、そういう映画なの?暴投なの?大暴投なの?

(ピエール瀧)大暴投かな。

(伊集院光)変化球どころか、大暴投。

(ピエール瀧)頭じゃなくて、目を狙いにいった感じです。

(伊集院光)(笑)

(石野卓球)仕留めにいっている。

(ピエール瀧)仕留めにいってるからね(笑)。

(伊集院光)どういう映画?

(ピエール瀧)これね、あの、アンヴィルっていうのはバンド名なんですよ。で、バンド名で、メタルバンド。スラッシュメタルとか。

(伊集院光)ドキュメンタリーってことは、実際にもういる、メタルの。

(ピエール瀧)メタルのバンド、アンヴィルのことを追ったドキュメンタリーなんですけども。時は1984年かな?に、さかのぼり、日本でスーパーロックフェスティバルっていう、いまはフジロックとかいろいろなフェスがありますけども。それよりも前に、たぶんね、空撮の画で見ると西武球場だと思うんだけど。スーパーロックフェスティバルっていうのをね、やったんですよ。

(伊集院光)ふんふん。

(ピエール瀧)で、そこにどんなバンドがやって来たか?っていうと、スコーピオンズ、ホワイトスネイク、みなさん知っているのだと、ボン・ジョビとかっていう・・・

(伊集院光)俺らでも名前はわかる。

(ピエール瀧)うん。『あ、そのジャンルのフェスなのね』ってわかるような。要はハードロック、メタルとかを集めたフェスをやったんですよ。で、そこにですね、もうひとつ、アンヴィルも出ていたんですよ。

(伊集院光)そこに来ている時点で、もうそうそうたるメンバーの中にはいるわけでしょ?

(石野卓球)そうそうそう。

(ピエール瀧)で、この映画の冒頭の方で、いろんな人にインタビューを聞くと、『いや、実はアンヴィルがいろんなメタルとかそういうものの先がけだったり、スラッシュメタルの先がけだ』って言っている人もいたりとか。『アンヴィルのメタル・オン・メタルっていうアルバムは革新的で。あれがハードロック、メタルのお手本と言ってもいいぐらいだぜ』っていうのをそうそうたる人たちが全部コメントをしてるんですよ。

(伊集院光)もう、それオールスターの四番なわけでしょ?ある意味。その時点での。

(ピエール瀧)そうそうそう。だからそういう扱いだったバンドだったんですけども。それ以降、アンヴィルだけ、シュワシュワシュワシュワー・・・ってなっていくんですよ。で、シュワシュワシュワシュワー・・・ってなっている、いまのアンヴィルの様子を追ったドキュメントが、この『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』と。

(伊集院光)うわー、なんかもう、すでにちょっと・・・

(石野卓球)もう、来るでしょ?

(伊集院光)なんて言うの?怖いもの見たさで(笑)。

(ピエール瀧)で、これがね、その様子を追っているんだけど。まあ、このリップスっていうボーカルのやつが当時、なかなかのステージングをしていて。あの、それこそフェスのでっかいスタジアムクラスのところでギタープレイをやるんだけど。手にバイブを持って。

(伊集院光)(笑)

(小林悠)ええーっ?

(ピエール瀧)バイブでギターをかき鳴らす的な。たしかにちょっと面白いプレイは出来そうだけども。

(伊集院・卓球)(笑)

(ピエール瀧)ボンデージ・ファッションに身を包み・・・

(伊集院光)ごめんごめん!俺、そっちの業界の常識がわかんないから。そのすごさをどういう風に受け取っていいのかがわかんなくて。その、ボンデージを着て、バイブを持ってる人がどうかしているのか、すごいのかがわかんないんだよね。

(小林悠)(笑)

(ピエール瀧)そうなんだけど、いや、当時としてはなかなか奇抜なステージングもあるし、なんかもう、みんな『あれ、ぶっ飛んでたよね!』っていうような、要は図抜けてたんですよね。当時のアンヴィルは。

(伊集院光)ふんふんふん。

(ピエール瀧)ただ、そこから、何度も言うように、シュワシュワシュワシュワ・・・

(伊集院光)で、これって2009年公開じゃないですか。撮っているのはいつから?

(ピエール瀧)撮っているのはね、もう2000年に入ってから。

(伊集院光)じゃあもう、すっかりこのアンヴィルっていう人、期待していたけど、そうでもないなってなってから?

(ピエール瀧)なってどころか、もうみんな、『いたね、たしか。あれ、なんだっけ?』っていう。

(石野卓球)バイトしてるもんね。

(小林悠)バイトですか?

(ピエール瀧)だから、バンドも一応やってるんですけども、それこそ小さい箱で、ちょっと入るぐらいなんで。それのバンドのギャラで家族。嫁さんと息子さんもいるんですけど。を、食べさせることは、無理。

(伊集院光)えっ?そんなになっちゃうもんなの?だって、俺たち高校生ぐらいでしょ?さっき言っていた80年代中盤で。そこまで、まあ四番バッターなわけでしょ?なっていたら、なんとかかんとか食べていけそうって思っちゃうのって、甘いのかな?

(石野卓球)いや、それはね、音楽業界の恐ろしさですよ(笑)。

(ピエール瀧)そうなんだよねー。

(石野卓球)明日は我が身だもんな。

(ピエール瀧)いや、本当に。

(石野卓球)あ、お前はでも、俳優業があるからな。

(一同)(笑)

(ピエール瀧)いや、でも本当これを見ていて、明日は我が身っていう(笑)。俳優やっていて、よかったー!っていう。

(石野卓球)二足のわらじで(笑)。

(ピエール瀧)いや、本当。セーフティーネットとは、このことっていう。

(一同)(笑)

(ピエール瀧)本当に。たまむすびもやっていてよかった!っていう(笑)。

(伊集院光)俺、そもそもすごいなと思うのは、この人、撮らせるじゃない。撮らせるのも、結構勇気のいることじゃない?本来。

(石野卓球)ファンの子が撮っているんだよね。もともとね。大ファンだった、売れていた時にファンだった子が、大人になって。映画監督になって、彼らをぜひ追いたいっていうのが最初なんだよね。きっかけが。

(ピエール瀧)だからあのね、そういうところが端々に出てきていて。その、なんだろうな?いろんなところに行くんですけど。その地域地域で、10人ぐらいいるのよ。強烈なファンが。

(伊集院・小林)へー!

(ピエール瀧)アンヴィル、キターッ!みたいなやつが、いるのよ。ただ、10人ずつだから。

(石野卓球)(笑)

(ピエール瀧)その、強烈なの10人だと、なにかが動かないんだよね。

(伊集院光)なるほど。じゃあまあ、いま入った中にもいろいろ入っていると思うんだけど。ポイントを3つに分けると、ポイント1は?

(ピエール瀧)ポイントはね・・・

(伊集院光)これ、ネタバレせずに俺たちの興味を引いてほしいっていう。

(ピエール瀧)まあ、リップスとロブっていう2人が出てくるんですけども。ポイントは、そいつらの諦めないっぷり。もういまね、この映画の中で、50才の誕生日を迎えるんですけども。まだロックスターになれると思っているからね。

(伊集院光)いま、俺の中でグッと来た人物。一気にわかった人物がいました。ブッチャーブラザーズのぶっちゃあさんです。

(瀧・卓球・小林)(笑)

(伊集院光)この人、酔っ払うと、『ワシは売れたいんや!』っていう話を。ブッチャーブラザーズのぶっちゃあさんっていう人は、関東のお笑いでお世話になっていない人がいないぐらいの人で。俺ら中学生ぐらいの時には、とんねるず、イッセー尾形、あのへんと一緒にお笑いスター誕生っていうのに出てきて。もう、面白い人だった人なんだけど。いまは、『芸人っていうのは最低ここまで落ちてもいける見本として、俺を見ろ!』って言って・・・

(一同)(笑)

(ピエール瀧)なるほど。

(伊集院光)だけど、僕らがぶっちゃあさんにみんな、やっぱり最終的に『この人、やっぱりすげー!』って思うのは、最後に『ワシ、売れたいんや』って必ず言う感じ。もうそれを諦めない人。

(ピエール瀧)諦めないっていうのが、なんだろうね?愚直にというか、よくそこまで自分たちを信じられるなっていう、その信じっぷりがひとつのポイント。そして、ふたつめのポイントは、やっぱりこの連中のダメっぷり。

(石野卓球)(笑)

(小林悠)気になるー(笑)。

(伊集院光)いいところ、最初言っていたのに。

(ピエール瀧)それでね、そこまで信じて突き進んでいるところは、まあ尊敬すべきところでもあるんだけど。ただ、それとは裏腹のダメっぷり。身近なやつに噛み付いてみたりとか、そういう感じの(笑)。

(伊集院光)はー!へー!

(ピエール瀧)っていうそうの、なんだろうな?ダメっぷり。そして、もうひとつ。どこだろうな?(笑)。もうひとつのポイントは。

(石野卓球)あれじゃない?日本人としてうれしいっていう。

(ピエール瀧)ああ、そうだなー。そこはあるかもしれないな。

(伊集院光)どういうこと?どういうこと?

(ピエール瀧)まあそこはね、いろいろあるから。詳しくは言えないんだけども。とにかく本当にね、3つも実はなくって。本当、この2人のバカっぷりに注目ですよ。本当に。

(伊集院光)見てれば(笑)。

(ピエール瀧)そこさえ追ってくれれば、本当に。で、これをね、見て、なんだろうな?どう思うかは、本当、その人次第で。こう見て下さいっていうのもなかなかないし。まあ、うちらね、たとえば卓球も僕もバンドをやっていたりするから。で、長くやっているから。本当に。ある程度、はー!って思うところもあるんだけど。

(石野卓球)あるね。

(ピエール瀧)そうそう。あるんだけど。じゃあ、ぜんぜんバンドをやったことない、そうじゃない人たちは『バカじゃねーの?このおっさんたち』っていう風にしか見えないわけ。本当に。

(伊集院光)なるほど。ずーっと地道に生きてきて、普通に頑張っているおじさんからしてみたら、関係ないことだらけだもんね。

(ピエール瀧)そうそうそう。バンド版弥次さん喜多さんみたいなもんだから。バカじゃないの?っていう。

(伊集院光)へー(笑)。

(ピエール瀧)そうなのよ。

(伊集院光)これ、ずっとさっきから見ていると、卓球くんも見てる?

(石野卓球)見てます。見てます。

(ピエール瀧)1個足すとしたら、なにかあります?あそこを見てよ!っていう。

(石野卓球)あのね、いまの話だと、結局いまの悲惨な状況ばっかりを追っている映画かと思うかもしれないけど。そうじゃなくて、実は最後にね・・・

(ピエール瀧)うん。あることが。

(石野卓球)起こるんですよ。

(伊集院光)へー!

(石野卓球)単なる、のぞき趣味というか悪趣味なそういう感じの視点ではなくて。

(伊集院光)まして、言った通りに、ファンだった子が映画監督になって撮っているって言ってたもんね。

(石野卓球)そうそうそう。それと、さっき言ったその、日本人として誇らしいっていう部分につながるんだけど。

(ピエール瀧)ちょっとね、面白いですよ。

(伊集院光)ちょっと楽しみに。

(ピエール瀧)ねえ。お願いしますよ。

(伊集院光)ということで、お知らせの後も、ピエール瀧さん、石野卓球さんにお付き合いいただきたいと思います。

<書き起こしおわり>

※以下、2週間後の映画を見た感想編です。(ネタバレ含みます)

(伊集院光)さあ、先週あれ見たよ編でございます。本日の映画には一言も二言もあるゲストは、電気グルーヴのお二人です。よろしくお願いします。

(ピエール瀧)こんにちは。よろしくお願いします。ピエール瀧です。

(石野卓球)石野卓球です。

(伊集院光)まあ、お二人には、それぞれおすすめの映画を伺いましたけども。今週と来週、その感想をお話するということで。今回は、ピエール瀧パートということで。すすめてもらったのは、『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』っちゅーことで。まあ、カナダのヘビメタのバンドの。落ち目で、売れたい!っていう話なんですけども。

(石野卓球)まだ売れたがってるよ(笑)。

(伊集院光)まだ今日もたぶんおそらく、カナダだかアメリカだかで、いま売れたがっているっていう。

(ピエール瀧)売れることを信じているよ。

(伊集院光)はい。まあ、ドキュメンタリーなんですけど。ピエール瀧パートの前回、あるじゃないですか。小林が一切しゃっていないっていう。あの、リスナーの方から、『かわいそうだ』って言われましたよ(笑)。まったくしゃべらないまま終わってった。

(小林悠)圧倒されちゃいましたね。

(ピエール瀧)『よくしゃべるおっさんたちだなー』って。

(小林悠)(笑)

(伊集院光)そう。

(石野卓球)それか俺ら、嫌われているのかと思った。

(小林悠)違います(笑)。

(伊集院光)シカト?

(石野卓球)そうそうそう(笑)。

(伊集院光)3人騒いでいるのをシカトっていう新しい・・・(笑)。

(石野卓球)呼んどいてシカトっていうね(笑)。

(ピエール瀧)同じ空気を吸いたくないから、ずっと口を閉じていたっていう。

(伊集院光)あ、息を吸うのをやめていたから。

(ピエール瀧)そういうことでしょう。

(石野卓球)小学生の女子みたいな嫌い方。

(小林悠)すっごいですね(笑)。

(伊集院光)あの、小林さん。またしゃべれなくなっちゃいますから(笑)。アンヴィル!の小林の感想から行こうかね。

(小林悠)純粋に、かわいらしいなって、思っちゃいました。

(伊集院光)なんでしょうね?本当に、かわいらしいよね。

(ピエール瀧)あの2人。リップスとロブ。

(小林悠)もう、することなすこと全てが、ダメな方に行くあの感じが。ヨーロッパ・ツアーの、あの通訳の人の・・・なに、この人!?っていう。

(ピエール瀧)あの人、たぶんね、通訳じゃなくて、ツアーマネージャーだと思うのね。たぶん。あの人が全部ブッキングだったりそういうのをセッティングして連れて行くんだろうけど。

(伊集院光)まあ、これが一応、見てもらった人とみんなで分かち合おうっていう番組だから言っちゃうと、中盤にもう、グダグダのヨーロッパ・ツアーがあるんだよね。もう、『売れたい、売れたい!ツアーやりたい、演奏したい、お金がほしい!』っつってるところにヨーロッパ・ツアーが組まれるけど。まあ、ひどいじゃないですか。行ったら客がいない。それから、なんだろう?向こうとの話もついていない。挙句の果てには、お金がもらえないみたいな。

(ピエール瀧)電車には軽々乗り遅れるとかね。

(石野卓球)自分も悪いんだよね。でも、自分らもね(笑)。

(伊集院光)あと、お客さんがぜんぜんいなくて。『あ、海外にもあるんだ。スナックって』みたいな(笑)。

(小林悠)ああ、ありましたね!

(伊集院光)スナックの、本当に普通のお客さんの1メートル前でギターを弾いたりするんだ、みたいな。

(石野卓球)客もさ、立つのも面倒くさくて、椅子に座りながら乗ってるんだよね。ソファーに(笑)。

(ピエール瀧)そうそう。

(伊集院光)えっ、ああいう、行ったら話違うじゃん!みたいなことって、あるの?

(石野卓球)あるある。『1万人集まる』って行ったら、5人とか。

(伊集院光)(爆笑)

(石野卓球)あるある。

(ピエール瀧)ぜんぜんあるみたいよ。

(伊集院光)えっ、あのシーンは本当に?

(石野卓球)あるあるある。本当に。

(ピエール瀧)あと、こいつからよく聞くのは、ライブが全部終わった後に、プロモーターが金持って逃げるとか。

(伊集院・小林)へー!

(石野卓球)いないとかね。だからね、事前に半分もらって、DJ始まる前に残りをもらうの。

(伊集院光)そうだ!

(石野卓球)そうそうそう。

(伊集院光)で、俺がなんかすごいなと思ったのが、最初に、前情報として聞いていた、撮っている人がすごくファンで。監督が。その、『いまアンヴィル、どうしているんだろう?撮ろう!』って撮ったっていうのを聞いてなかったら、もう最初は俺、意地悪なんじゃないかな?ぐらいの。間抜けなところのオンパレード。

(ピエール瀧)うんうんうん。

(伊集院光)でも、彼らのかっこいいところを見せようと思ったら、あの撮り方で大正解なんだね。

(ピエール瀧)そうなんだよね。

(伊集院光)リップスのお誕生会で、超ファンだっていう人が出てきて。で、最初のうちは、『あ、やっぱり超ファンの人もいるんだ』っていうインタビューだったんだけど。最終的にそのファンの人たちが、『俺のために曲を作ってくれたんだぜ』とか言い出したあたりから、その近さは、むしろファンがいるっていう話じゃないんじゃない。やっぱり。

(ピエール瀧)うん、うん。

(伊集院光)あそこまで強烈に、しかもわかっている撮り方って、真実なんだろうけど。つなぎ方とかが。うわー、すげーなって。すごく勉強になって、見ちゃったね。で、まあポイントを3つ、挙げてもらいましたが。ひとつめの、ボーカルのリップスとドラムのロブの俺は売れるんだ!っていうことに対する信じっぷり。すごいね。

(ピエール瀧)あれ、すごいよね。

(伊集院光)前回、ぶっちゃあさんっていう、俺らが中学校ぐらいの時はとんねるずとかと同期で。お笑いスタ誕とかでいい勝負をしていて。そのおじさんのすごいところは、売れる!って信じているのと、すごいいつもエンジョイしているのね。それにちょっと近い・・・

(ピエール瀧)だからいま、伊集院が、『あのおじさん』って言っちゃっている感じ(笑)。

(一同)(笑)

(伊集院光)そうだ(笑)。

(ピエール瀧)ブッチャーブラザーズの人のことを、おじさんって言っちゃっている感じと、さっきの『俺たちのために曲を作ってくれたんだよね!』って言っているやつの距離感って、たぶん同じぐらいじゃない。だから、『一緒にネタやったことがあるんですよ』みたいな感じの。

(伊集院光)あと、いま野球やったりもすんの。で、その野球の話になっちゃうと・・・みたいな。

(ピエール瀧)その感じなんだよね。だからね。

(伊集院光)自分たちが、あの状況で電気グルーヴ、続けられる?

(石野卓球)どうだろうね?

(ピエール瀧)どうだろうな?

(石野卓球)あのツアーを乗り切る自信はないね。

(一同)(笑)

(石野卓球)あの状況で、まだ仲良くやっている自信は、ない(笑)。

(伊集院光)でさ、いろんな希望を言っては、上手くいかないじゃん。『このツアーはすげーんだ。毎晩、1500ユーロ(15万円)ぐらいギャラもらえるし、これでレコード会社の人も見に来たら、またレコード出せるぜ!』みたいなことを言うんだけど、結局そういうツアーで終わる。でも、終わった後に、『失敗じゃない!』って言い出すじゃない?それは、言い訳も・・・あれ、言い訳何割かね?あの人の、本心何割かね?

(ピエール瀧)どうだろうな?

(石野卓球)自分に言い聞かせてるっていうのもあるじゃない。『無駄じゃなかった』っていう。

(伊集院光)ぜんぜん無駄じゃなかったっていうのと・・・

(ピエール瀧)あそこで、『無駄じゃなかった』っていう風に言わないと。あれが無駄だったと思っちゃうと、じゃあどこから無駄だっけな?って、相当さかのぼっちゃうと思うんだよね。

(一同)(笑)

(ピエール瀧)どこから無駄なんだっけ、じゃあ、これ?ってなると、おい、結構無駄だぞ!っていうことになっちゃうから(笑)。

(伊集院光)なるほどね。それが、はっきりと分けられないんだけど。なんかその比重が多い、言い訳とか、自分につく嘘とか、希望とか、本当のことの比重ははっきりは分けられないんだけど。なんか、最後のところでやっぱりこの人たちは、みんなの前で、客前でステージをやることみたいなのは、本気で好きなんだよね。それを抜くことはもう、考えられないんだな、みたいな。

(ピエール瀧)そうだよね。そこは楽しんでいるんだよね。レコーディングにしても、ライブにしても。そこでやるのは、別に嫌じゃないっていう。

(伊集院光)いい曲できたぜ!っていう(笑)。あっ、超いい曲できた!っていう瞬間は、すごいいいんですよね。ああいう男を支えられる?

(小林悠)あー。

(ピエール瀧)カミさんとかさ・・・

(小林悠)いやー・・・

(伊集院光)カミさんも揺れていて、自分に言い訳したり、本音を言ったり、ずーっとしてるんだけど。でも、あれを諦められちゃうと、自分の夢も乗っかっているから・・・みたいな感じ。

(ピエール瀧)たぶんその、ステージのリップスから先に知っているだろうから。その、ね。裏庭で子どもとバドミントンやっている感じとか(笑)。で、負けてあげる感じのやつとかは、見なくてよかったリップスだと思うんだけど。結婚して生活するってことは、そこも付き合わなくちゃいけないってところだろうから。本当にステージのリップスだけだったら、もうしっちゃかめっちゃかでいいし、金なくてもぜんぜん構わないんだけど。本当に。生活とその、ファンとしてのリップスっていうところの。その迷いをずーっと抱えたまま・・・

(伊集院光)ね。なんか、あの感じ、ねえ。すげーな。まあ、それはたぶん、ポイント2の、2人のダメっぷりとバカっぷりにちょっと含まれているかな?愛されるっぷりも含めて、含まれている気がする。で、3つめの、日本人としてうれしい。

(ピエール瀧)うん。

(伊集院光)すげーわかる。

(小林悠)わかりました。あれ!

(伊集院光)俺、初めて自分の外タレに対する見方が間違っていたってことが。外タレって、アメリカ人って日本人をみんな見下しているんだと思っていた。

(瀧・卓球)(笑)

(伊集院光)ああいうアーティストが来て、日本人が『Born in USA』とか言ってるじゃん。みんなで歌うじゃん。そうすると、『バカじゃねーか?』って思ってるのかな?って思ってたの。

(ピエール瀧)うんうんうん。

(伊集院光)お金を稼ぐところだから。ここはお金を稼ぐところで。お客さんがいようがいまいが、契約でやっているし。やっぱり海外の自分の地元の公演に比べて、なんとも思ってないんじゃないか?って心に、どっかあって。洋楽のコンサートとかに何度か連れて行ったこととかありますけど。そこで、決して乗るもんか!ってちょっと思っている・・・

(一同)(笑)

(ピエール瀧)お前の思惑通りには行かねーぞ!っていう(笑)。ステージに対してね。

(伊集院光)そう。『俺が100%出しても、お前なんか40%ぐらいなんだろ?どうせ!』と思って(笑)。

(石野卓球)まだ戦争続いてんの!?

(小林悠)(笑)

(伊集院光)俺はね。俺は、まだ。もういろんなやつ、いるから。『お前ら、アメリカのスパイなんだろ?どうせ!』って(笑)。

(一同)(笑)

(伊集院光)俺で実験している連中だと思っているから。いや、だけどなんかそれが、アンヴィルは違うじゃないですか。もう、心からお客さんが乗ってほしい!と思っていて、日本人が乗っているっていう関係性が、うわー、なんかすごいちょっと、俺の汚れた心とかも。まだ全員だとは思ってないよ。ねえ(笑)。

(一同)(笑)

(伊集院光)外タレの中には、相当ナメっぱなしのやつもいると思うけど、うわー、なんかいいなと思っちゃったね。

(石野卓球)すごいね、日本のメタルのお客さんってね、結構あったかいんだよね。そういうところは(笑)。

(伊集院光)これもさ、俺たちからしたら、『メタル』と『あったかい』なんか、絶対・・・

(石野卓球)真逆だよね。

(伊集院光)古典落語のお客さんがあったかくても驚かないけど、メタルのお客さんなんて、だって、そういう歌じゃないでしょ?

(石野卓球)そうね。

(伊集院光)でも、あったかい。いや、でもちょっと面白かったな。誰が借りても、割と大丈夫そう?

(ピエール瀧)そうだと思うよ。だから本当に、メタルの弥次さん喜多さんっていうか。その感じで見てもいいとは思うけどね。

(伊集院光)で、これ、今回、いつもカミさんとどの映画も見るんだけど。カミさん、忙しくて見なかったんだけど。こっち側はカミさんに見してもいいなと思って。だからあの、次回お届けする方の、卓球さんの推薦してもらった方は、一緒に見なくてよかったと思う。

(一同)(爆笑)

(伊集院光)あっちは一緒に見ないで正解だと思います。

(小林悠)よかったですね(笑)。

(中略)

(伊集院光)(電気グルーヴの曲を聞いた後で)パンダのジャケットでお馴染みの、『人間と動物』でございます。アナログ盤でも、限定で出ている?



(石野卓球)そうそう。レコードも出るんですよ。これはね、レコード盤もそうなんだけど、それにおまけのダウンロードコードっていうのがついて、ダウンロードもできるようになっているから。レコード+データで手に入るっていう。

(小林悠)ほー。

(伊集院光)アンヴィルのアルバムもここで買えるよ』っていうのがエンディングの最後に出るじゃないですか。あれ、壮大な告知ですよね。あれね。

(石野卓球)そうだよね。そこまで、前振りみたいなもんだもんね。

(ピエール瀧)そうね。

(伊集院光)だから途中ですごい思ったのが、こういう時代になっているから、ちゃんとそうやってダウンロードでも買えたりとか、そういう手っていっぱいあるじゃないですか。だけど普通にこうやってインディーズ盤を刷ってるじゃないですか。あの人たち。あれ、ちょっと不思議だったんだよな。

(ピエール瀧)うん。

(伊集院光)えっ、そのアーティスト側からしてみたら、どれで聞いてほしいものなの?

(石野卓球)どれだろうな?でも、やっぱりCDかな?いまのところは。曲間とかも全部考えて作っているからさ。それを通して聞けるじゃない。レコードとかだと、やっぱりひっくり返す手間もあったりするから。

(ピエール瀧)なにで聞くか?もそうだけど、なるべくいいオーディオで、デカい音で聞いてほしいっていうのはあるけどね。

(伊集院光)やっぱり、そういうもん?

(石野卓球)お前がよく言うね!

(伊集院光)(爆笑)

(ピエール瀧)ぜったいそうだって。

(石野卓球)こいつさ、長い間こいつの乗っていた車。カーステがしょっぼい音しかしないのよ。で、おかしいな?なんて。『ずいぶんしょぼいね』っつったら、『いや、こういうもんなんだよ』って言っていて。

(ピエール瀧)その音質をいじれるところがあるっていうのを、5、6年ずっと気づいてなくて。

(石野卓球)ベース、マイナス12デシベルってなっていて。

(伊集院光)もともと異常に低い状態になっている?

(ピエール瀧)そうそうそう(笑)。

(石野卓球)で、低音全部カットしてて。それで6年間、乗り続けてて。そいつが『いいオーディオで、デカい音で聞いてくれ』ってよく言うよね!

(小林悠)(爆笑)

(伊集院光)いまね、個人的にすっげー面白かったのは、まあこう振られたし、そういう要素として瀧くんが言ったじゃん。言った途端にポンッ!って入ってきたじゃない。その時に、『あー!卓球がいるところで!』っていう。1秒だけそんな顔をしてるのが、すっげーおかしくて(笑)。

(ピエール瀧)なるほど、なるほど。

(石野卓球)お前、他所でこんなミュージサン面をしてたとは、思わなかった。偉そうに。

(伊集院・小林)(爆笑)

(ピエール瀧)ミュージサン面?

(一同)(笑)

(伊集院光)では、『人間と動物』を聞く時には、低音をものすごく絞っちゃダメなんですね?

(ピエール瀧)ダメダメダメ。

(伊集院光)低音をカットして聞いちゃ、ダメなようにできているっていうことですね。わかりました(笑)。ということで、来週は卓球さんパートということになりますが。来週もお願いします。

<書き起こしおわり>


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